中高一貫校対策指導実例
プロ家庭教師による 中高一貫校対策
学校の「定期テスト対策」を
入試対策・英検対策に上手く活用
男子A君の場合
指導を始める前の状況
■指導開始時期: 高校2年生の5月
■指導科目: 英語
■指導回数: 週1回2時間(長期休暇中は週2~3回)
大学では一つの分野にこだわらないで学際的な勉強をしたいという思いが強く、立教大学の社会学部、出来れば早稲田大学の文化構想学部を志望していました。一般受験を視野に入れながらも、早稲田(文化構想学部)は英検準1級合格、立教についてはそれに相当する程度のCSEスコアがあると大きなアドバンテージになるため、そのレベルにまで英語の学力を持っていきたいということで指導を開始しました。
まじめな性格で学校の授業には真摯に取り組んでおり、内申点は悪くはありませんでした。ただ、学校の授業進行が新指導要領に比較的忠実なものであったため、プレゼンやディスカッションに割かれる時間が多く、簡単な表現であれば話したり聞いたりすることは出来るものの、英語の基礎知識・理解が体系的にはなされていませんでした。
結果的に、定期テスト前に授業で扱った内容を丸暗記することにとどまってしまい、定期テストの成績では上位層にいるものの、外部模試や校内の範囲指定のない実力テストでは、校内順位が大きく下がり、後ろから数えたほうが早いという状態でした。偏差値としても河合塾のもので50台前半、英検についても2級に数回不合格後、2年生になってギリギリ合格した程度で、受験で使うために欲しいと考えているCSEスコア2300程度(準1級合格相当)まで300点以上足りない状態でした。
指導内容
英文を単語の拾い読みで済ませてしまっている状態から抜け出るために、まずは基本的な文法・語法の解説を行いました。その際には細かい事項は後回しにして、こちらで作成した読解に必要な最低限のルールを抽出した素材を用いて、英文を型で取るための知識・理解を確認しました。
単語については、定期テストごとに学校指定の単語帳(ターゲット1900)から一定数の語が問われていましたが、試験前の単純暗記になっておりそれほど定着していなかったため、有機的な知識として利用できるように、語源や「英単語がもつ意味あいの広さ」、その単語を使った受験に出やすいテーマに用いられやすいフレーズなどを「ターゲット1900」でテスト範囲となっている部分毎に書き込んでいく形で単語補強を行うとともに、毎回の授業で単語確認を行いその定着を図りました。こちらでの説明終了後は、準1級対策として「準1級短熟語EX」を自習用として指定し単語のさらなる補強を目指しました。
読解については、上述の最低限必要な英文法のルールを解説後、「一から鍛える英語長文300」に入りました。その時点での単語力に合わせると簡単な内容の英文しか扱えなくなってしまうのですが、この問題集は各英文の前に最低限知っておくべき単語のリストがあることで、単語力不足があったとしても内容的にやや歯ごたえのある英文に取り組めるため、その時点でA君が取り組むにはちょうど良い問題集でした。
学校の英語コミュニケーションの授業では「CROWN」を使っていたものの、上述のとおり読解用英文自体の説明はあっさり済ませてディスカッションやプレゼンテーションに力を入れていたため、試験前にただ覚えるしかなくなっていました。そこで、CROWNの英文も英文解釈の素材として扱い、学習した基礎的文法事項のあてはめのトレーニングとしても利用することで、学校の授業も学力アップのために有効活用しました。
こちらの授業では、実際の英文の中で、型を意識して意味のかたまりごとに読み下す技術を徹底してトレーニングしました。「一から鍛える英語長文300」終了時には、ある程度の単語力もついてきていたため、少しレベルを上げた「一から鍛える英語長文500」だけでなく「英語長文レベル別問題集5・6」や「The Rules英語長文2・3」などにも進みました(テーマ的にこちらで重要だと考えたものを扱い、それ以外は自習用、質問は授業で受け付けるという形で進めました)。英検のリスニング対策にもつなげたいため、上記すべてが本文の英語吹込み音源付きの問題集であることも授業で採用した理由です。
また、英検準1級の長文も途中から取り入れて授業を行いました。英検のテキストは受験用テキストほど説明が厚くないため、こちらが解説してあげたほうが効果は高いからです。英検特有の肢の切り方、速読の仕方など得点力の底上げも同時に図りました。
学習状況の変化と成績の推移・結果
■成績推移:開始時偏差値50台前半→最高偏差値72(高3河合全統記述③)
■進学先:早稲田大学(文化構想)
■その他合格校:立教大学(社会、文)、明治(国際日本、情報コミュニケーション)
指導開始時点での英語の成績自体は高くなかったものの、英語自体は出来るようになりたいという気持ちがあったことと、真面目な性格が相まって、授業で説明し強調したことなどはその都度ほぼ完ぺきにした状態で次の授業に来てくれ、また自習として課しているものもきっちり消化してくれました。基礎固めの高2後半までは外部模試の成績としての成果は出なかったものの、全体が一通り終了したのちの学力の伸びは目を見張るものがあり、高3の5月河合全統記述①でも偏差値は62まで上がり、本人も英語に自信を持てるようになってきました。また、高2段階では苦戦していた英検準1級に関しては、高3の第1回は残念ながら不合格だったものの、CSEは2200を超え、合格が射程に入っていました。開始は高2の5月で、週1回のペースでの授業でしたが、夏休みなどの長期休暇では週2~3回の授業を設定させていただくことができました。学校の授業の進行が止まっている間に集中的に時間をとることができたことも、短い間に地力を高められた要因の一つだと思います。
高3の夏休みが終わるころには本人も英語は得点源に出来ると胸を張れるくらいにはなっており、第2回の河合全統記述②では偏差値68、8月実施の英検S-CBT準1級でも無事合格を勝ち取ることができました(河合全統記述③では偏差値72に到達)。
その後、英語に関しては過去問を中心にしながら実践力を高めました。英語の仕上がりが早かったことで、世界史と苦手だった国語に時間を大幅にかけることが出来たのも合格につながった大きな理由だったと思います。