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明治大学付属中野八王子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「明治大学付属中野八王子中学校の国語」
攻略のための学習方法

[問題構成]

大問は2題で各15問の計30問という構成が定型である。ここ数年は大問1に小説、大問2に論説文という順番になっている。

設問は「文中の言葉を使って」「書き抜いて」など言葉で答える問題と選択肢問題とがおおよそ各10問ずつ、漢字の読み書きは各大問で5問ずつの計10問という内訳である。いわゆる記述問題は出題されていない

素材文の文量は計10000~12000字とかなり多い分速600~700字くらいを目標に、速く読む練習を積んでおきたい
 

[小説の読解]

登場人物や舞台の設定が学生や学校である場合が多く、受験生にもなじみがあるので理解しやすいだろう。文中の言葉を使って答える問題が多いので、読解がしっかりできていれば得点しやすい。

ただし、選択肢問題は文中の細かな表現まで注意していないと惑わされる場合がある。一字一句、また全体に渡ってよく内容を吟味し、本文との一致・相違を見逃さないように注意しよう。

文学的文章の読解の技術を磨こう。

人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその
       言動の意味するところも違ってくる。

場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もあ
       る。

心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文
       章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれる
       テーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くこ
       とだろう。 

[論説文の読解]

ここ数年は人文科学分野からの文章が多い印象である。それほど難解な用語が出てくるわけでもなく、平易な言葉で書かれているので難しくは感じないだろう。2種類の文章を組み合わせたりして(2018年度)、読み易くする工夫をしてくれているようである。

説明的文章の読解の基礎をしっかり身に付けよう。 

段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやす
       い。

要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えな
       どは細部にあることが多い。

要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるとこ
       ろ、要旨を読み取るのが一番の目的である。

[漢字]

各大問の最後に漢字の問題がまとめられている。通常、漢字だけ最初に終えてしまうことが多いが、すべて文中にあるのでかえって時間がかかってしまうかもしれない。本校の試験では、読解を進めながら漢字の問題が出てきたところで答えを書き込んだほうが良いだろう。

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2023年度「明治大学付属中野八王子中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

2023年度は約10000字の文量で、昨年度と同じくらいだった。分速600~700字くらいで読めるようにして、問題を考える時間を確保したい。幸い、問題数は30問と控えめで記述問題も無いので、速読ができれば時間には余裕があるはずである。

【大問一】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:26分
  • ★必答問題

幼い頃に主人公を捨て現在は認知症を患っている母と、その母をママと呼んで慕う恵馬との三人での生活を通して、それぞれの心情が描かれる。

問一 母はグループホームに入りたがってたびたび空きがないか尋ねるが、なかなか空きがないことを伝えても信じようとせず、二人が「いじわるして」自分をホームに行けないようにしていると思い込んでいる。

問二 一瞬ママのこと叩こうとしてしまったことに罪悪感を覚えて「しんどい」と言っている。字数に合わせて「暴力衝動を覚えた」を抜き出す。

問三 傍線の少し後で、病気の「理不尽」に向き合う中でママの「人格を損ねる」ようなことをしてしまわないか、という話をしている。現実に一度そうなりかけたので、「怖い」のである。

問四 母自身が、認知症がいろんな「制御」を失っていく病気であることを過去に経験し、時に歩み寄りが「相手を傷つける」ことになると知っていた。だから自分が認知症になった今、そうならないようにホームに入ろうとしているのである。

問五 ア. 「苛つけばガチで喧嘩する」のだから、合わない。

問六 ハリネズミは相手を傷つけ、そのことで自分も苦しむものだ。自分は「そう」なりたくないのだろうと、恵馬さんは推測している→選択肢イが合う。

問七 幼い頃に母に捨てられた主人公は、グループホームに入りたがる母を「二度も(自分を)捨てる」なんて許さない、と断罪している。ホームに入って自分と離れることを「捨てる」と表現しているのである。

問八 母は娘(主人公)のためを思い「精一杯の誠意」でホームに入ると言っているのに、主人公はむしろ傷つける言葉を言ってしまうのである。

問九 主人公は恵馬のことを、自分が受けた痛みを「誰かのせい」にしないうつくしい子だと評価している。それに比べて自分は誠意を示してくれる母に「身勝手でひとを傷つける言葉」を投げてしまうと、自分を責めている。

問十 ウ. 母をホームに入れないことを自分の身勝手だと言っていることと合う。

問十一 ① 手間   半信半疑   いえもと   難題   罪悪感 

【大問二】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:24分

学校と会社における学習や失敗に対する考え方の違いが述べられている。

問一 少し後に「集団生活や社会性を身に付けさせることは副次的に捉えられているよう」だと述べられている。

問二 会社でも個人の仕事を数値化してその成果を重視する「能力主義」が増えてきた、とある。

問三 少し前に、会社や役所・店ではチームを作って「同じ目標」のもとに仕事をして、特定の従業員だけが「一人勝ち」することを是とするような仕組みはない、と書かれている。

問四 実社会に出ると「背景や利害が異なる人間を相手にする」のでベストの解法がわからない場面が多い、と説明されている。

問五 学校の試験とは違って、社会では人に聞いたり助けを求めたりするのも自由で、むしろ「上手に他人の頭脳に依存できる人」が優秀な人ということになるのである

問六 「職場全体が生き物のように」も内容は合っているが形が悪いので、少し前の「一つの生命体のようなもの」を抜き出す。

問七 学校では最初から失敗しないように「あらかじめ失敗を避ける」ことを教えたがる、とある。

問八 理解できない一割ほどの生徒は置き去りにされ、失敗は失敗のまま放置されてしまう。そうではなく「ていねいに扱う」ということだから、選択肢イが合う。

問九 「家庭環境の差がもたらす努力の量や質の差」が成績に反映される不公平があるのに、学校はそんなものは存在しないかのように一律に評価しようとするのである。

問十 ア. 文章中盤で述べられていることと合う。

問十一 ② 装置   活気   一丸   試行   改善

攻略のポイント

多い時には12000字にもなる文量に慣れること。速読が必要である上に、何度も読み返す時間はないので正確な読み取りが求められる。速く・正確に読めるように、同じように文量の多い女子校の過去問なども利用しながら、読解のスピードを上げていこう。
文中の要素を使った適語記入・書き抜きが多い点も意識して、重要点をマークしながら読むコツをつかんでおくとよい。
漢字が大問の最後にまとめられているという特徴にも、過去問を多くこなして効率良く解答できるように慣れておきたい。

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