鷗友学園女子中学校 入試対策
2022年度「鷗友学園女子中学校の国語」
攻略のための学習方法
長文読解
例年、文学的文章・説明的文章1題ずつの計2題。出題形式は記述のみ6~7問。過去には選択肢問題の出題もあったが、近年は見られない。記述しなければならない文量は、およそ500字。文字を書く時間が相応に必要となるので、読む時間と合わせてその時間も考慮する必要がある。
文章量については文学的文章の字数が多い分、説明的文章の字数は少なめになっている。模擬試験等で出題される文章量と比べて特に多くはないので、大手学習塾等での通常の学習(教材・模擬試験等)を行っていれば、極端に文章量が多く感じることは無いだろう。設問数にも言えることだが、文学的文章の比重がやや大きくなっているので、その点は意識して準備しておかれたい。
素材文は受験生の年齢を考慮した読みやすい内容・設定のものが多いので、特別に国語が苦手な人でなければ苦労はしないはずである。
記述式問題
漢字以外は全て記述問題という本校の特徴的な出題に、慣れていない人や苦手な人は尻込みしてしまうかもしれない。
しかし、過度に心配する必要はない。
まず、上で述べたように素材文が適切な難しさであること。内容を理解するのはさほど難しくはない。
また、設問自体に書くべきポイントを示してくれている点。「~な点もふくめて」・「A・B・Cの関係もふくめて」といったように、答えるべき最重要点に付け加えて書くべきポイントをはっきり述べてくれている。このあたりは過去問を多くこなして、設問の指示に素直かつ忠実に記述できるように練習しておいていただきたい。
また、訊かれる内容も「自分の言葉で答えなさい」・「あなたはどう思いますか」といった自分の言葉で論じる形のものではない。素材文の中の適切な部分・文章を使ってまとめられるものが多い。小説などは人物の心情を説明しなければならない場面もあるが、論説文は要点をうまく編集して解答できる場合が多いのである。
以上のようなことから、試験にあたってはまず設問にざっと目を通し、書くべきポイントとその数をおおまかに把握するのが良いだろう。読み進めながら必要な部分に傍線なりマークなりをつけておけば後でまとめやすい。
記述だけで500字ほども書かなければならないのは確かに大変ではあるが、難易度としては超難問というほどでもないので、まずは素材文をしっかり理解する読解力をつけて、さらに類似の問題で記述の分量に慣れておくこと。臆せずに記述問題に向かい合っていただきたい。
漢字・知識
例年、漢字の問題が5問(配点10点)出題される。漢字だけを先に済ませて長文読解に集中できるのはありがたい。難易度も中級レベルなので、塾等での漢字学習に油断なく取り組んでおけば心配する必要はない。
また、言語事項の出題が無いのも大きな特徴である。この点で特別な対策が要らないのは助かるが、そもそもは言葉の知識が十分にないと正確な読解が期待できないという事実を忘れてはならないのであって、この分野で手を抜いても良いということではない。漢字同様、普段使用している教材をしっかり学習しておいていただきたい。
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2022年度「鷗友学園女子中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
長文記述が6問・漢字の書き取り5問という潔いとも言える問題構成である。漢字は1~2分で終え、残りは読解と記述に充てることになる。
素材文は計10000字超にもなるが、受験生の年齢を考慮した読みやすい内容が多いので、さほど苦労せず読めるだろう。設問に先に目を通して必要な部分にチェックを入れながら読めば、後で解答をまとめやすい。
【大問一】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:30分
- ★必答問題
幼なじみである主人公と一平・湯太郎。家族を亡くし一人きりになってしまった湯太郎が別府を離れ大阪の叔父のところへ行くかもしれないと聞き、一平は湯太郎のために画策し、三人である誓いを立てる。
問一 主人公は高校へは行かず父親の仕事を継ぐ=キョーリンで調査員として働くことを望んでいた。しかし父親はどうしても高校へは行かせたいと考えており、一平の父親は「本人の希望を優先してやれ」と自らの会社で働かせてもよいと考えている。そこで意見が食い違い、口論になったのである。
問二 母親の葬式後、湯太郎は悲しみをこらえて気丈に振る舞っていた。しかし、主人公に「家族を亡くして一人きりになってしまって、本当の気持ちはどうなんだ」と聞かれたことで押さえていた気持ちが噴き出して、こらえきれずに母が死んだ不条理を泣きながら叫んだのである。
問三 湯太郎の進学や生活の面倒を一平の家がみるという話は、葬式の直後にはすでに出ていた。しかし、それをいきなり湯太郎にもちかけては遠慮して申し訳ないと感じるだろうと予測し、終業式のあとに三人で誓いを立てたのである。この誓いがあったおかげで湯太郎は一平の申し出を受ける気になったのであり、一平はこの点を含めて最初からすべて考えていたことになる。このような一平の思慮深さを主人公は「策士」だと舌を巻いたのであろう。
問四 中学を卒業したこの日、一年前に誓いを立てたクスノキに集まり、父親たちの名前の横に自分たちの名を新たに刻んだ。卒業にあたって、これからもずっと三つの誓いを守っていこうと意を新たに確認したのである。
【大問二】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
変化の激しい現代社会において、不確定な未来を見通すために、正しい情報や自分に必要な情報を適切に判断するメディアリテラシーを身につけることが重要であり、新聞はそのための効率的なメディアなのだと説いている。
問一 続く二つの段落で説明されている。世の中の出来事について自分なりに考えるためには、世の中の動きに関する基本的な知識が必要なのだが、そのベースになる情報をニュースのプロが無駄なくざっくり選んでくれて、効率的に集められるメディアが新聞なのである。プロがかいつまんで選んでくれるという点で「初心者向け」なわけである。
問二 傍線部②以降の要点をまとめれば解答となる。現代社会は急激な変化の波にさらされている。対応するには、正解のない問題に取り組んで答えを導き出すための材料が必要であり、その材料探しの基盤になるものがメディアリテラシー(正しい情報や自分に必要な情報を適切に取捨選択できる能力)である。メディアリテラシーは複雑に変化する社会を生きていくために必要な能力なのである。
【大問三】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
(1) 寄宿 (2) 博覧(会) (3) 均整 (4) 護身(術)
(5) 同工異曲――芸術などで、その技量が同じでも味わいや趣はさまざまであること。
攻略のポイント
記述の分量が多いのは確かだが、特別な難問にはなっていない。素材文がわかりやすい内容であるし、「あなたはどう思いますか」といった自分で論説するような記述問題でもない。
特に論説文の方は文中の手がかりや適切な箇所を利用してまとめられる問題が多い。
ただし、小説のほうは心情を説明しなければならなかったり問題数が多かったりと、やや比重が重い点は意識しておこう。
同じように記述問題が多い他の学校の過去問なども利用して、書くことへの抵抗感を無くせるように経験を積んでいただきたい。
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