国府台女子学院中学部 入試対策
2022年度「国府台女子学院中学部の国語」
攻略のための学習方法
大問は2つ。【大問1】はことばの知識、【大問2】は長文読解1題という形がここ数年続いている。総解答数は30~40問ほど。使われる素材文は年度により文学的文章の場合と説明的文章の場合とがある。文学的文章は約10000字(2022年度)・5000字(2017年度)、説明的文章は6800字・4600字ほど(2021年度・2020年度)の文量であった。
ことばの知識だけで4割ほどの配点がある点が大きな特徴となっている。
[ことばの知識]
大問1つを使って、ことばの知識が詳しく訊かれるのは他校にはあまりない特徴である。
漢字・ことわざ・慣用句・熟語・敬語・外来語など、ひととおりすべての内容が問われている。また、漢字は読解問題の中でも出題される場合がある。さらに、指定された語句を使っての短文作文も毎年出されている。言語事項重視の姿勢がはっきり表れている問題である。
内容もなかなかに難しい。曲学阿世・大同団結(2017年度)などのあまりなじみのない四字熟語が出されたり、意表に出る(2018年度)などめったに使われない表現も見られたりと、言語事項だからと言って通り一遍の楽な問題にはなっていない。
また、いくつかの正解を合わせて1つの得点となる問題も多く、正確な知識が求められる。地道に努力すれば得点できる分野なので、こつこつ勉強を重ねて得点を積み上げたい。中級程度の言語事項の教材をしっかり仕上げて、8~9割の正解を目指そう。
また、短文の作文は指定された語句の意味を知らなければ手もつけられないので、十分に語彙を増やした上で、20~30字で短文を作る練習をしておこう。
[長文読解]
年度により、小説などの年と論説文などの年があり、どちらにも対応しておく必要がある。
文量はさほど多くないので、時間は足りるだろう。設問は書き抜きと記号選択だが、2019年度では短いが自分で考えて書く1行程度の記述が出された。選択肢も紛らわしいものではなく、しっかり読解できていれば正解を選べるだろう。基本的な読解力を養おう。小説であれば、登場人物の整理・場面分け・心情の把握・主題の読み取りなど。論説文であれば、形式段落と意味段落の整理・要点と細部の区別・要旨と要約など。
長文読解の技術を磨いて、文学的文章・説明的文章のどちらが出されても苦手意識を持たずに取り組めるよう、十分な準備をしておかれたい。
[まとめ]
ここ数年の試験は一定の形式が続いている。なるべく多くの過去問に取り組んで、時間配分なども含めて、問題の配置や難易度、特徴のある出題分野などに十分に慣れておこう。
特に言語事項はしっかり得点できれば大きなアドバンテージになるので、十分な時間をかけて頭に入れておかれたい。
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2022年度「国府台女子学院中学部の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
今年度の素材文は論説文で10000字ほどであった。ことばの知識がしっかり出題されているのは例年通りである。特別に時間のかかる問題は見られないので、前半の知識問題を素早くこなせば、読解問題に余裕をもって取り組める。
【大問一】ことばの知識
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
問一 ① 秋分 ② 牧場 ③ 奏(でる) ④きょうど ⑤せきめん
問二 世間―間食 人間―間合
問三 感動―動物 物体―体育
問四 起死回生――危機的状況を一気に好転させること。
問五 八面六臂――多方面で目覚ましい活躍をすること・一人で何人分もの働きをすること。
問六 「とても優れていて感心する」という意味で、正しく使われている。
問七 イ. 「たっての」と混同して使われたのだと思われる。
問八 「うなだれる」も「うなずく」も「頭」の動きである。「頭」は「頂」の「いちばん上」という意味にも合致する。
問九 やすやすと――簡単に・容易に。
【大問二】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:35分
主人公は正義や親切を純粋に信じていたが、コロナ渦での世間や友人の家庭の事情について考え、母親とのやり取りで諭されて、自分が独りよがりの一方的なものの見方をしていたのではないかと気づく。
問一 おひや――主に飲食店などでサービスで出される水。
問二 (1) 施し――(時に憐みの気持ちで) 恵まれない人に物質的・金銭的な援助を与えること。
(2) 村社会――古くからのしきたりを厳格に守りよそ者を受け入れようとしない社会を村に例えた言い方。
問三 ア. この例で挙げられた行動に裏の意味はなく、完全な善意と言える。
問四 正義や親切についての両親の考え方に相いれないものを感じ、反発している。「半分の半分」であるから「全く聞かない」というわけではないので、選択肢エがよい。
問五 エ. 駿が家計を支えようとしているようすは描かれていない。
問六 別に同情してもらうつもりなどなかったのに主人公が涙まで流したので戸惑っている。選択肢ウの「どこまでも嫌悪する気持ち」は強すぎるので選ばない。
問七 「自分の生活が預けられている」という表現と、選択肢イの「他者の生活に頼らなければ生きていけない」が合致する。
問八 直後に挙げられている例からも、「他人のものがよく見える、ないものねだり」という内容のイが合う。駿の親に対する厳しい評価も同様であろうと、主人公は感じたのである。
問九 エ. 主人公は正確に丁寧に自分の行動の意図を駿に説明できているので、合わない。
問十 友人を連れて駿の実家の店に飲食に行くことが彼を傷つけることになるとは、主人公はまったく考えていなかったであろう。相手の状況によってはそのような可能性もあるかもしれないと思い至らなかった点を「浅はか」と言っているのだと思われる。
問十一 自分が良かれと思ってしたことでも人を傷つけてしまうことがある。社会では、理解し合えない人たちとも隣り合わせで生きていかなければならない。だから、自分が誰かの邪魔になるという可能性はゼロにはできない、というのが母の考えなのである。
問十二 ウ. 母が話している席取りの場面で、「人間らしい現実的な感情」は問題にされていないので、関係がない。
問十三 主人公は大人しい引っ込み思案な子たちに積極的に話しかけることを「よいこと・善意」と思っているが、当人たちからすれば「望んでいないこと」で「通り魔(のように自分を傷つけるもの)」と感じていたのかもしれない、ということであろう。
問十四 「自分が想像できない人ほど、思いやらなければならない」という結論から、母親は自分が独りよがりの一方的な価値観で相手を計っていたことに気づいたのだわかる。
問十五 「相手を思いやる」というのが母親の得た結論であった。相手の立場になり、相手の気持ちを想像してみる。つまるところ、母親の言いたいのは「しっかり考えろ」ということなのである。
問十六 ア. 「玲奈の考えをママが拒否し」ているわけではない。
エ. 「玲那の駿への好意を疑って冷やかしの表情を浮かべた」わけではない。
問十七 イ. 当初の主人公の正義や親切を無条件に信じることもまた自分だけの価値観に過ぎず、相手にとっては嫌なことかもしれない可能性がある、というのがこの物語のテーマであるから、合わない。
ウ. この意見で示されている「いとも簡単な解決策」のような単純なやり方は、現実の世界では通用しない単なる理想論であることが、物語中のエピソードで示されている。
攻略のポイント
ことばの知識については、専用の教材をしっかりこなしておくべきだろう。敬語・外来語なども出されているので油断できない。配点の大きさから、ここで点を稼いでおかないと損である。短文作文も練習を。
読解問題は文学・説明どちらのタイプの文章でも読めるように抜かりなく用意しておく。説明的文章のほうがやや難しい印象を受ける。ぜひ論理的文章を得意になっておいていただきたい。
漢字も熟字訓などがよく出されているので、間違いやすい漢字には特に注意して、語彙を増やしておこう。
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