逗子開成中学校 入試対策
2022年度「逗子開成中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は3つ。ここ数年は漢字や言葉の知識・論説文の読解・随筆文の読解がそれぞれ割り当てられている。
素材文は2題で計5500~6000字と適度な文量である。総解答数は45問前後。選択肢・書き抜き・記述がバランスよく出題されている。
記述問題は30~70字ほど、あるいは字数指定無しで出されている。文中の適切な部分を用いてまとめられる場合が多い。
漢字・言葉の知識
漢字の読み書きで15問、その他、ことわざ・慣用句、品詞や文学史などが出されている。覚えていれば得点できる部分なので、ひととおりは頭に入れておこう。
論説文の読解
例年、3000字前後の文章が使われている。人文科学・社会科学などの分野が多い。
要点・要旨を穴埋め・書き抜きなどで訊く問題が多く出されている。記述問題は文中の重要点をまとめることで答えられる場合が多い。本文を読みながら要点等をマークして、効率よく答えを探せるように工夫しよう。
説明的文章の読解の技術を高めておこう。
・段落の整理
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
・要旨
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
文学的文章の読解
ここ数年は随筆文の出題が目立つ。外国を旅した際の異文化との交流で感じたことがテーマになっている文章が多い。文章を読んだ感想や解釈を述べた文を設問で示し、内容についての理解を確認する問題がよく出されている。
記述問題は筆者の心情・意見を問うものが多く、必ずしも文中にはっきり示されていない場合もあるので、読解力が求められる。
文学的文章、特に随筆文の読解のコツをつかんでおこう。
・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
・心情の把握
人物の言動などから、気持ち・考えを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
・主題の理解
作者が伝えたかったことは何か。異国での経験・文化の違い・考え方の違いなど、よく取り上げられるテーマがある。読書を通じて筆者それぞれの物事の捉え方の違いや多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
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2022年度「逗子開成中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は41問、そのうち20問は漢字と言葉の知識である。素材文は6000字ほどと例年どおりであった。文学的文章では2021年度は随筆文、2022年度は小説の読解が出題された。
記述問題は12~50字ほどで5問の出題。冒頭の知識問題を素早く終えて、その分を読解・記述に残せるようにペース配分しよう。
【大問一】漢字の読み書き・文法
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問一 ① 意外 ② 希望 ③ 祝福 ④ 達成 ⑤ 伸縮
⑥ 博覧 ⑦ 開放 ⑧ 悲劇 ⑨ 浴(びて) ⑩ 唱(えた)
⑪ はくじゃく ⑫ びんじょう ⑬ しわざ ⑭ かま(える)
⑮ こころざし
問二 ① 奇想天外
② 頭角を現す
③ 石の上にも三年
④ 義を見てせざるは勇無きなり
⑤ 栄枯盛衰
【大問二】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:23分
- ★必答問題
人里を例にとり、自然界では動物も植物も「賢く利己的」であり、人間も見習うべきではないかと問うている。
問一 a. 「人間の意図にもとづいて」「人間の論理にしたがって」と似た内容が並んでいるので、「そして」。
b. 「人里をつくる方法」へと話題が変わっているので、「さて」。
c. これまで人は浅はかに利己的であった、「しかし」これからは賢く利己的にふるまうべきではないか。
問二 「自然が押し戻してくる」のだから、選択肢エが合う。選択肢イはすべて人間のしたことの帰結であって、自然からの押し戻しとはいえない。
問三 次の段落の後半にうまくまとめられている。「予定調和的なバランスを目指して動いているようなもの」ではなく、「それぞれの個体が利己的にふるまって」「結果的にバランスが保たれている」のである。
問四 前段落と同じ趣旨で、人間が考えているような「お互いうまく生きていきましょう」的なことではないのだ、という皮肉が込められている。
問五 最小の労力で最大の利益を実現するための「進化」だったのである。
問六 利己的にふるまってしっぺ返しを受けた時にその「先を読んで」自然の生物はすぱっとその利己を止めてしまう、そのことを「賢く利己的」と言っている。人間は先を読まずに変わらずごり押しで利己を続けるので「浅はか」なのである。
問七 イ. 自然界の生物は「互いに連携し、協力し合う」ことなどない。
ウ. 本来の「人里」には「自然の押し戻し」があるので、合わない。
エ. 「自然への負担を考慮し」ているわけではない。
【大問三】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:17分
鼓の名手である主人公は、伝説となっていた鼓の名人と触れ合うなかで、他人と競うことの虚しさや音楽の本来の喜びに気づかされる。
問一 x. 躍起――焦ってむきになること。
y.思いあがる――いい気になる・うぬぼれる。
問二 弾くのを止めてしまったことで仁右衛門に詰め寄られている場面で、「誰が賞をもらったかということももう興味がなかった…」と、当初の鼓くらべで勝ちたいという欲はすっかりなくなっているようすが描かれている。
問三 自分は城主の前で弟子が演奏する緊張で「おろおろ」しているほどであるから、選
択肢イが合う。
問四 A. ライバルの顔にはかつての自分にもあった「他人を打ち負かしたい・一番になりたい」という必死の思いが表れていたのである。
B. お宇多の姿を見て市之亟と交わした会話が思い出されたとき、自分の今の演奏は「相手を打ち負かそうとする手段」になり下がり、人を楽しませるという本来の音楽の姿から離れてしまっていると気づいて、演奏を止めてしまったのである。
問五 エ. 仁右衛門は主人公が演奏を止めてしまった理由に気づいていない。ミスをしていないのも音楽の師匠としてわかっているため、なぜ勝ちを自ら捨てるような行動をとったのか、理解できないのである。
問六 このとき主人公は「芸術は人の心をたのしませ、清くし、高めるために役立つべき」であって、「誰かを負かそうとしたり、人を押し退けて自分だけの欲を満足させたりする道具にすべきではない」という市之亟の言葉を体感している。その演奏は「清浄な温かい心」のこもった、大事なことに気づかせてくれた市之亟への感謝を込めた演奏であったはずである。
攻略のポイント
素材文がそれほど長くないのはありがたい点である。知識問題と読解問題のペース配分など、過去問で慣れておきたい。
試験冒頭の漢字とことばの知識は問題数も多く配点も大きいので、しっかり得点しないと損である。難問ではないので、標準的な教材をしっかりこなせば対応できるだろう。
記述問題は文中の手掛かりをもとにまとめられる問題が多いので、読解力をつけて字数に収める練習をしておこう。書き抜き問題も多いので、文中の手掛かりをすぐ探せる工夫もしておこう。
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