医大・医学部受験プロ家庭教師 久留米大学 物理の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

久留米大学 物理
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

力学及び電磁気は毎年出題されます。残りは熱力学か波動です。近年では原子物理は出題されていません。しかし、これから傾向が変わる可能性もあるので、原子物理の学習はしておきましょう。問題は平易で計算もそれほど複雑ではありません。しかしこの学校の最大の特色は、文字計算では通常は要求されない単位をほぼすべての解答につけなければならないことです。普段の学習から常に解答に単位を書き込む習慣をつけておきましょう。

出題量と時間配分

理科2科目120分です。すべての小問を合わせても12~13題なので時間的にはやや余裕があります。標準問題レベルの設問が並ぶので、落ち着いてじっくり計算していきましょう。単位の記入に時間をとられるのを避けるため、基本的な物理量の単位はすべて覚えて試験に臨みましょう。

出題形式

大問は3題です。最新年度では第1問は力学、第2問が熱力学、第3問が電磁気という構成で、大問そのもので一つの問題になっています。問われる内容は、数式を求めさせる問題が多いですが、具体的な数値を計算させる問題、定性的な分析をさせる問題や、グラフを書かせる問題もあります。

解答形式

全問記述式です。解答欄に計算結果の数式や数値を記入します。計算過程は書かなくてよいでしょう。ほとんどの問題の解答欄に単位を記入する欄があります。忘れずに記入していくようにしましょう。グラフを書く問題では座標軸に目盛りを記入させられることもあるので要注意です。

攻略のポイント

まずは基礎を固めることである
そのためには、まずは定義や公式を理解した上で、しっかりと覚えることです。これがなかなか難しいです。理解するというのは、「自分の言葉で説明する」、「図で表す」、「他の公式同士のつながりを考える」など、様々な方法で公式を「考える」ということです。公式を覚えて、問題をただただ解きまくるといった学習ではなかなか物理の点数を上げることは難しいでしょう。一見、面倒だと思う作業を地道にやっておくことが、物理攻略の重要な出発点となります。

次に問題演習
物理で登場する公式や概念はそれほど膨大ではありません。それらを、完全に理解したら、次は、問題演習に入ります。問題をやることで、基礎が理解できているかが確認できるからです。基礎の新たな面の発見につながることもあります。そういった意味で、問題演習も重要な作業となります。問題演習はただただ多くの問題を解くのではなく、1冊の問題に絞り、1つの問題を解いたら、他の方法で解いてみる、問題の現れる現象を深く調べてみるなど、多角的に検討します。その作業が、新たな問題を解くためのカギとなっていきます。問題を見たときに、どのようなプロセスで解いていくか、いわゆる問題解決能力を身につけないと、いつまでたっても新たな問題が解けるようにはなりません。何度も強調しますが、ともかく1冊の問題集に絞ることです。それを徹底的にやりこむことが物理の得点力を伸ばすのに非常に重要となります。

計算力がないと時間制限内に自分で正解にたどり着けない
立式だけを行い、解き方がわかったら細かな計算を最後までしないといった受験生を多く見かけます。必ず最後まで答えを出しましょう。そうしないと、あっという間に計算力が落ち、試験になったとき、一向に点数がとれなくなります。どのように工夫すれば、より効率よく計算できるかを自分なりに研究することも大切です。しかし、自分ではなかなか効率よい計算にたどりつかないこともあるでしょう。そのときは、いつも習っている先生に、自分の解き方を客観的に見てもらい、アドバイスをもらうのが一番の方法です。

過去問演習
標準レベルの単元別の問題集を解き終えた後は、過去問演習を行います。ペース配分や回答形式に慣れることが重要です。本学の問題では、解答の過程も書かなければならない問題が多いので、答えの正否だけではなく、解答を書く練習も忘れてはなりません。この学校は問題自体、平易で問題数も少なく、医学部としては取り組みやすい部類に入ります。しかし上でも述べましたが、通常では数式の解答には要求されない単位の記入をほぼすべての問題で行わなければなりません。問題文の冒頭にSI国際単位系による単位を解答欄に記入するよう指示があります。SI国際単位系とは基本単位としてm(メートル)、kg(キログラム)、s(秒)、A(アンペア),mol(モル)およびK(ケルビン)を用い、組立単位としてN(ニュートン)やJ(ジュール)やV(ボルト)を用いる単位系のことです。要するに、教科書に出てくる単位をすべて覚えておけばよいわけで、恐れることはないでしょう。なお、他の同レベルの私立医学部の過去問を解いておくのもよいでしょう。解いていく過程で忘れていた問題があれば、関連問題は問題集を用いて何問かといておくのも忘れずにしましょう。

推奨テキスト

(1)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
定番の教科書傍用の問題集です。基礎事項の定着に向いているので、はじめにやるテキストとして最適です。まずは基本問題をしっかり解いていきましょう。基本問題をきっちり解けるようになったら、発展問題に進みましょう。

(2)『物理のエッセンス(力学・波動)』(河合出版)
(3)『物理のエッセンス(熱・電磁気・原子)』(河合出版)
こちらも基礎事項の定着に用いる問題集です。問題を解く前の説明が詳しいので、読み物として読みながら問題を解いていきましょう。物理的なものの見方・思考法を身に着けるのに、とてもよい。独学の人はセミナーよりも、こちらの方が使いやすいかもしれません。最低でも2~3周は解いてみましょう。

(4)『良門の風』(河合出版)
一通りの基礎が定着したら、この問題集に進みましょう。問題数が比較的少なく典型問題が網羅されているので、使いやすく、達成感を得られます。問題編と回答編が分かれているので一気に解いていくのによいでしょう。最低2周は解くとよいでしょう。
余力のある人は同じ出版社の『名門の森』(河合出版)に進むとよいでしょう。
こちらは手ごたえのある難問がそろっています。じっくり考えながら解いていきましょう。

(5)『物理重要問題集−物理基礎・物理』(数研出版)
基本から難問まで幅広く扱われている定番問題集です。典型的な問題はすべて入っていると考えてよいでしょう。この問題集の最大の特徴は、初見ならば絶対引っかかるトラップ問題がすべて網羅されていることです。一度引っかかっておけば本番で引っかかることがないので安心です。問題演習の仕上げとして使っていきましょう。まずはA問題だけを1~2周やり、B問題に進むとよいでしょう。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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