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青山学院中等部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「青山学院中等部の理科」
攻略のための学習方法

青山学院中理科の満点は50点、塾のテキスト等を使って学習していれば、十分に得点できる問題が中心であるが、やや細かい知識問題や計算問題も含まれる。過去問の出題領域にあまりこだわることなく、全分野まんべんなく学習し基本を固めることが必要である。

<分野毎の学習法>

生物分野 本年は食物連鎖に関する出題であった。ここ数年を見ると、コスモスの開花条件、植物の働き、季節と生物、昆虫、生物の系統樹、人のからだの働き等幅広い単元からの出題が見られる。この分野の対策としては、植物・動物・昆虫・人のからだの働き等についての基本知識もしっかり身につけておきたい。植物については、花の名前を数多く覚えるよりも、光合成や呼吸などの働きおよび花・茎・葉などのつくりについて理解することを優先させたい。実験や観察に関する問題も出題されるので、知識を固めた上でテキスト等の問題演習も行って欲しい。環境問題との関連にも興味を持って学習して欲しい

地学分野 本年度は太陽の動きに関する出題であった。この何年かを見ると、天体および気象に関する出題が多く、次いで岩石や地層・化石に関しての出題が多い。何が出されても大丈夫なように学習しておこう。天体については、単なる丸暗記ではなく、太陽・星・月の動きに関してなぜそのように動いて見えるのかの原理を含めて理解して欲しい。また、日食や月食など近年起こった現象に関する出題も多く、注意が必要である。気象に関しては、雲のでき方や台風について、さらに最近の異常気象などニュースで取り上げられている話題についても興味を持って欲しい。今後は火山噴火や地震に関して出題されることも想定されるので、ここも注意が必要である。

物理分野 本年は浮力に関する出題であった。過去の出題内容を見ても、てこや振り子、浮力など力のつり合いに関する出題頻度が高い。力学の計算問題の練習を最優先に学習し、電気・光・音に関する学習もしっかり行おう

化学分野 今年度は気体の発生と性質に関する出題であった。例年、水溶液や気体の性質に関する出題が多く、その他には水の三態変化、熱についての計算問題も出題されている。この分野の対策としては、気体や水溶液の性質・指示薬の色の変化といった基本知識を固めるとともに、溶解度・中和反応・金属と水溶液の反応・燃焼・熱量などについては、基本的な計算問題の練習もしっかり行おう。 

青山学院中入試で合格点を取れる力を身につけるためには、まずは夏休み中までに各分野の基本の学習を終えておきたい。そのうえで、まだ苦手な単元に関しては9月以降で攻略できるよう徹底的に学習して欲しい。9月以降の模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスである。単に得点だけを見て一喜一憂するのでなく、どの分野の間違いが多いのかなどをしっかり分析して欲しい。その際には、家庭教師のアドバイスを得ながら進めるのも有効になると思う。

過去問演習は25分という短い時間の使い方を確認しながら進めて欲しい。短い時間の使い方で特に大切なのは、できる問題を素早く仕上げ、わからない問題は後に回すという判断を素早く行うことである

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2022年度「青山学院中等部の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は5題、小問数は25題程度で50点満点。試験時間は25分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心であり、記述問題は見られない。基本的な知識を問う問題が中心であるが、やや細かい知識を問う問題も含まれる。計算問題は複雑なものではない。テスト時間が25分と短いので、できる問題からてきぱきと素早く処理していくという判断が求められる。

【大問1】小問集合

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分

(1) 火山ガスに最も多く含まれる気体は水蒸気。

(2) 昆虫のからだは頭部・胸部・腹部に分かれ、6本の足が胸部についている。

(3) ヒトの胎児は羊水を飲み、尿を出している。息はせず、便も出さない。

(4) 使い捨てカイロの中の活性炭はには、表面の小さな穴に酸素をためて、鉄粉と酸素の反応を助ける働きがある。

(5) ニュートンは太陽光の屈折に関する発見をした。

毎年出題される時事問題を含む知識問題や簡単な計算問題の集合。(1)(2)は易問だが、(3)以降は知らない人が多いと思われる。

【大問2】生物 食物連鎖

  • 難度:やや難
  • 時間配分:5分

(1)西表島の自然の特徴である海水にひたった木による林は「マングローブ」光合成で栄養を作り出す植物は、食物連鎖における「生産者」と呼ばれる。

(2)かなり細かい知識問題。カニは足を失っても脱皮の時に再生できる。

(3)消費者が自分の重さの5倍のえさ(消費者)を必要とすることから、消費者は消費者の重さの5倍よりはるかに大きくないと生き残っていけない。

(4)水中の食物連鎖における「マイクロプラスチック」の影響についての選択肢問題。

食物連鎖を中心とした出題であるが、マングローブ・カニの特徴・マイクロプラスチックの影響など、かなり細かい知識問題も含まれており、やや難度が高くなっている。

【大問3】地学 太陽の動き

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)各地点の太陽の南中時刻を、(日の出の時刻+日の入りの時刻)÷2 で計算する。東の地点ほど南中時刻が早い。

(2)X月8日と15日の昼の長さを、日の入りの時刻-日の出の時刻で計算する。

8日が9時間57分、15日が9時間53分。12時間よりかなり短く、8日より15日の方が短いことから、12月であると考えられる。

(3)12月の2か月後なので2月になる。昼の長さは12月よりは長いが、春分の日よりも前なので、12時間よりは短い。

(4)12月の日影曲線を選ぶ問題。

確実な基本知識に基づく計算力と考察力が必要な問題。(2)で誤答すると(3)以降に影響するので、前半は確実に正答しておきたい。

【大問4】化学 気体の発生と性質

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
    • (1)  BTB液の色に関する問い。アルカリ性で青、酸性で黄、中性で緑色。

      (2)  炭酸アンモニウムを加熱することにより、アンモニアと二酸化炭素が発生する。フラスコAでは二酸化炭素よりもアンモニアが多く溶けるので、アルカリ性を示す。フラスコBは二酸化炭素が溶けて酸性を示す。

      (3)  二酸化炭素の性質に関する問い。

      (4)  石灰水と二酸化炭素が反応すると炭酸カルシウムが生じて白く濁るが、さらに二酸化炭素を通すと、水に溶けやすい炭酸水素カルシウムが生じて、濁りはなくなって透明になる。

      (5)  完全に中和したの温度が最も高くなる。

      (6)  加熱を止めたことにより、発生した水蒸気が冷えて水に戻る。寒い日に息が白くなるのも同様の現象である。

      炭酸アンモニウムの加熱による気体の発生をテーマにした出題。指示薬の色の変化・二酸化炭素とアンモニアの性質などの基本知識と考察力が必要となる。

【大問5】物理 浮力

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題
  • (1)140㎤の物体をすべて水に沈めると、140gの浮力が働くので、ばねばかりは150-140 より10gを示す。
  • (2)表より、物体を10㎤沈めると12gの浮力が働いているので、この食塩水の密度は1.2gとわかる。食塩水に沈めた部分の体積×1.2=150 となるのは、150÷1.2 より、125㎤水に沈めたとき。この時、浮力と重さが等しくなり、これ以上沈めると物体が浮いてしまう。
  • (3)  ①126-21 より、この模型の体積は105㎤。

   126÷105 より、この模型の密度は、1.2g/㎤。

   「スケール1:40」より、実際の恐竜の重さは、105×40×40×40より6720000g 単位を変換して、6.72t 。

浮力に関する出題。問題文の流れに従って解き進めれば決して難しい問題ではないが、浮力の得意/不得意、日頃の演習量によって差のつきやすい1題。

攻略のポイント

ここ何年かの出題分野を見ると、生物・地学・物理・化学の4分野からまんべんなく出題されている。難問はほとんどなく、基本~標準レベルの問題が中心であるが、今年度は昨年度に比べてやや難化している。本校理科の特徴として、毎年時事的な内容を含む出題が見られることがあげられる。攻略のポイントとしては、まずは各分野の基本をしっかりと固め、苦手分野を作らないこと。そして、日頃から科学的要素を含んだニュースや身の回りの現象に注意を払うことがあげられる。

試験時間が25分と短いので、できる問題から素早く解答欄を埋めていくという姿勢が非常に大事になる。入試直前期の過去問演習においては、時間の使い方を十分意識して取り組みたい。

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