栄東中学校 入試対策
2022年度「栄東中学校の社会」
攻略のための学習方法
スライド式学習
「栄東対策」としては当然、「地理」「歴史」「公民」全単元・全分野の「知識」を確実に定着させることが最優先となる。「基礎的事項」はもちろん、細部にわたる「深知り知識」や「背景の理解」も求められるので、テキストの「注」や「囲み説明」等のチェックも忘れずに。
完璧な「知識定着」が欠かせないのだが、悲しいことに人は忘れるもの。時が経てば経つほど忘れる。ここに落とし穴がある。
基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し定着させたのか、その時期が問題となる。塾では通常、本格的な受験勉強が始まる５年になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、６年の夏休み前には終える。その後は「復習」となるが、メインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。６年で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか？ 実質的に１年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。「地理」での「深知り知識」が求められる栄東ではなおさらだ。
そこで、独自の「復習」が必要となる。塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある５年の冬休みやその後の春休みを利用して徹底的に「地理」の「復習」をしておく。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用するといい。さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習を密かに続けておくことで、ライバルに差をつけておきたい。
いもづる式学習
全単元・全分野に共通だが、「暗記事項」はそれぞれ単独で(要は単なる「一問一答方式」)定着させていても無意味だ。バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられない。ましてや、栄東定番の「複雑な選択肢設問」など絶対に無理だ。
そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習法だ。１つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても「内容」があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ここでも「復習」できる)。また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。
その上で、それらが結びつく背景(＝「面」)をも理解するようにする。
このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても、「線」で結びつけて答えられることになる。無論、栄東で求められる「多角的思考」にも「いもづる式学習法」は力を発揮する。
手づくり式学習
特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。
塾での「歴史」の学習は通常、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。
しかし、栄東ではそんな単純な出題はない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。
それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」～「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。
さらに、その「年表」には「西暦」だけでなく、「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」も対応させて記入しておきたい。「西暦」と「世紀」や「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が栄東には多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。
細部へのこだわり式学習
「問題解説」でも指摘したが、「栄東対策」で欠かせないのが「細部へのこだわり」だ。
「多角的思考」をするに当たっての前提は無論、それぞれの「要素」をいかに正確に読み取るかということ。そこから「考えるヒント」を見つけ出す。そのためには「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。当然、トレーニングが欠かせない。
過去問や練習問題等を用いて、各「要素」の細かな「意味」「資料の数字」や「関連事項」などを全て材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する練習をしなくてはいけない。
導き出せることについては、過去問や問題集の「解説」に示されているはずなので活用する。
こうした「細部へのこだわり学習」を続けることで、次第に様々な「要素」から着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」とつなげて考えればいい。
意識継続式学習
どのような場合であっても、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。漫然と机に向っていても無意味だ。その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのか、具体的に「意識」し続けていることが大切。
そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。
栄東の入試本番では40分という制限時間の中で、様々な「要素」を考え「条件」をクリアして答えなくてはならない。だからこそ、「設問形態」を正しく理解しているか？ 「要素」は全て確認したか？ 「細部へのこだわり」や「他の設問」との「関連」は大丈夫か？ 「条件」を満たしているか？ つまらないミスはないか？ といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。
入試では見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。
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2022年度「栄東中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問１は｢地理｣(｢考察問題｣１問あり)。｢日本の国土や自然･産業･都市や人口｣などからの出題｡小問は全４問(解答数14)、｢選択肢｣(｢組み合わせ｣、｢不適切｣、｢複数完全解答｣あり)､｢自然地名記述｣(２問､ともに｢漢字指定｣)、｢考察論述｣(１問。｢字数指定｣なし、｢120字ほど｣の解答欄)。
大問２は｢歴史｣。｢弥生時代から昭和時代までのさまざまな歴史的事項｣についての出題。小問は全14問(解答数15)、｢選択肢｣(｢年代整序｣あり)､｢事項記述｣(｢漢字指定｣１問)、｢説明記述｣(２問。ともに｢字数指定｣なし、各｢60字ほど｣の解答欄)。
大問３は｢公民｣(｢世界地理｣１問あり)。｢日本の政治･経済、国際関係｣からの出題。小問は全８問(解答数８)、｢選択肢｣(｢位置整序｣あり)､｢事項記述｣(１問、｢空所補充｣で｢漢字指定｣)｡時間配分は、｢考察論述｣に６分、｢説明記述｣２問で６分､他は１問を１分弱で解くというペース。無論、メリハリのある｢戦術｣が求められる。
【大問１】｢地理｣(｢考察問題｣１問あり)
- 難度：やや難
- 時間配分：17分
日本の｢国土や自然｣･｢産業｣･｢都市や人口｣、｢地形図｣といった｢４つのテーマ｣からの出題｡９つの｢統計資料｣、そして、｢地形図｣の読み取りが出題されている。特に、｢統計資料｣では知っている事柄なのに、うまく読み取れない難解なものが含まれている。また、｢考察論述｣もあり、相当に手強い大問だ。心して解き進めたい。いくつかの｢設問｣を確認してみる。
[問１(１)-Ⅰ] ｢テーマについての自然地名記述設問｣(漢字指定)｡｢日本の国土｣について、｢南北に愛知用水が流れ、伊勢湾に突き出た半島｣の名称を｢漢字｣で答える。｢答え｣は｢知多半島｣だ。｢愛知用水｣は木曽川を水源として同半島の先端まで達していることは周知のはず。｢漢字｣にも要注意。｢天竜川｣を水源としている｢豊川用水｣が潤している｢渥美半島｣と絶対に混同しないこと。ちなみに、｢知多半島｣と｢渥美半島｣は｢三河湾｣をはさんで向かい合っている。尚、｢自然地名｣については頻出。｢漢字｣での定着は当然だが、それらの｢位置｣も地図上で確認しておきたい。
＜時間配分目安：30秒弱＞
[問１(２)] ｢テーマについての統計資料読み取り選択肢設問｣(４択)｡
｢日本の国土｣について示されている｢表｣(1970～2018年までの日本の国土利用の推移を表している)の中で、(ア)～(エ)は、｢原野等｣･｢森林｣･｢宅地｣･｢農地｣のいずれかだが、｢農地｣に｢あてはまるもの｣を答える。｢国土利用｣に関して誰もが知っている数字は、｢国土面積｣のうち｢山地｣が３/４、｢森林｣は２/３。
よって、面積が断トツで広い(ア)＝｢森林｣だと即決できる。そして、年を追って増加している(ウ)＝｢宅地｣、それよりも広い(イ)が｢答え｣の｢農地｣だと特定できるに違いない。｢統計資料読み取り｣では、｢資料｣の特徴的な項目に注目することが肝要で、｢経年推移｣では変化の要因と｢自らの知識｣とを結びつけて読み解きたい。
＜時間配分目安：１分弱＞
[問２(１)] ｢テーマについての統計資料読み取り組み合わせ選択肢設問｣(９択)｡
｢日本の産業｣について示されている｢表｣(｢パッションフルーツ｣と｢ほうれんそう｣の生産量上位３位までの都道府県を表したもの)と、それぞれの｢生産地域の特徴｣をまとめた｢文章｣に関して、表中の(Ａ)･(Ｂ)に｢あてはまる都道府県｣の｢組み合わせ｣を答える。｢組み合わせ｣の対象になっている｢都道府県｣は、｢長崎県｣･｢埼玉県｣･｢長野県｣･｢愛媛県｣･｢福島県｣･｢東京都｣。先ずは、バッサリと｢消去｣したい。 ｢パッションフルーツ｣の｢生産地域の特徴｣には｢熱帯から亜熱帯地域で栽培されている｣とあり、｢表｣の｢１位｣は｢鹿児島県｣、｢２位｣が｢沖縄県｣、｢３位｣が(Ａ)だ。｢南西諸島｣は｢亜熱帯｣、他に｢亜熱帯｣はといえば……、あるか？ ここで何かに気づかなくてはいけない。そうだ！ ｢小笠原諸島｣が｢亜熱帯｣で｢東京都｣ではないか。よって、(Ａ)＝｢東京都｣だ。この段階で、選択肢は(キ)(ク)(ケ)の３択になった。次に、｢ほうれんそう｣、｢大都市周辺での栽培がさかん｣と説明されており、｢１位｣が(Ｂ)で、｢２位｣は｢群馬県｣、｢３位｣が｢千葉県｣となっている。残りの選択肢の(Ｂ)は、｢埼玉県｣･｢長野県｣･｢福島県｣のどれかだ。であれば、｢埼玉県｣だと判別できるはず。したがって、その｢組み合わせ｣になっている(キ)が｢答え｣となる。｢組み合わせ選択肢｣では、自分が知っている｢項目｣で一気に絞り込むことが肝要だ。
＜時間配分目安：１分弱＞
[問３(３)] ｢テーマについての考察論述設問｣(｢字数指定｣なし、｢120字ほど｣の解答欄)｡｢日本の都市や人口｣について、｢ＮＩＭＢＹ(ニンビー)とは『自分の家の近くには存在してほしくない』という意味で、例えば、ごみ処理場のように私たちが生活するうえで欠かせないが、その建設についてさまざまな理由により行政と近隣住民との合意形成が難しい施設など｣のことだが、｢ＮＩＭＢＹ施設を『特定の地域に固定しよう』という意見と、『一定期間おきに移転するべきだ』という意見のどちらか一方を選んだ上で、考えられる『良い点』･『悪い点』｣をそれぞれ論述する。｢特定の地域に固定｣か｢一定期間おきに移転｣か、無論、あなたの考えなのでどちらでもよいが、自分自身がまとめやすい方で論述していきたい。たとえば、｢固定｣の場合、｢良い点｣として｢最初に十分に話し合っているので、建て直しの際に合意形成がしやすい点｣など、｢悪い点｣としては｢近隣以外の住民にとって身近ではないので、施設の重要性を認識しづらくなる点｣などが考えられる。また、｢移転｣の場合は、｢良い点｣として｢いくつかの地域に建設することになるので、住民の負担が平等になる点｣など、｢悪い点｣としては｢移転のたびに近隣住民の合意形成が必要となるので、時間がかかったり移転先がなかなか決まらなかったりする可能性がある点｣などが考察できるはずだ。尚、こうした｢考察論述｣では、あなた自身の問題として具体的に捉えていった方が考察しやすいと心得よ。
＜時間配分目安：全問で６分＞
※尚、[問４]は｢地形図｣の設問。｢地形図読み取り｣は本校に限らず｢地理単元｣での定番なので、｢地図記号｣｢等高線｣｢方位｣｢縮尺｣等の｢地形図｣に関連する基礎的事項を完全に定着させておくことが肝要だ。
【大問２】｢歴史｣(｢年代整序｣、｢説明記述｣あり)
- 難度：標準
- 時間配分：16分
- ★必答問題
｢弥生時代から昭和時代までの各時代のさまざまな歴史的事項｣についての出題。
｢正誤判別｣と｢年代整序｣の｢選択肢設問｣が、本校特有の目まぐるしさで転換し押し寄せてくる大問だ(｢事項記述｣と｢内容説明記述｣が各１問あり)。よほど注意しないと混乱してしまう。判別が紛らわしい問題もあるが、冷静に対処したい。本校としては標準レベルの難易度なので、落ち着いて得点をゲットしていきたい。以下、やや判別が悩ましい｢設問｣を検討してみよう。
[問３] ｢正誤判別選択肢設問｣(４択)｡
示されている｢平安時代に関する説明｣として、｢正しいもの｣を答える。それぞれの｢説明｣の｢キーワード｣で正誤判別する。
(ア)｢桓武天皇｣｢仏教の力で国を治める｣｢寺院の勢力が強い平安京｣⇒ことごとく誤っていると即断できなくてはいけない⇒｢仏教の力で国を治める｣＝｢聖武天皇｣、｢寺院の勢力が強い平安京｣⇒｢寺院の勢力が弱い平安京｣だ＝不適切。
(イ)｢藤原頼通｣｢娘が天皇の后｣｢生まれた子が天皇｣⇒｢摂関政治｣の全盛期の｢藤原道長･頼通父子｣なのでＯＫ、ではないので要注意⇒｢藤原頼通｣の娘には男子が生まれず⇒藤原氏と血縁関係が薄い｢後三条天皇｣が即位、結果として｢摂関政治｣は終わりへと向かう＝不適切。(ウ)｢不輸･不入の権｣｢国の収入減少｣⇒誰もが｢不輸の権｣＝｢荘園に対して課税されない権利｣だと知っている＝適切。
(エ)｢平氏一族｣｢朝廷の要職につかず｣⇒｢平清盛｣は武士としての最初の｢太政大臣｣だと周知のはず＝不適切。よって、｢答え｣は(ウ)だ。こうした｢解説｣を読んでいると｢易しいじゃん｣などと思いがちだが、受験本番ではあわてていることもあるので、｢正誤判別｣ではくれぐれも｢細部のチェック｣を怠らないこと。
＜時間配分目安：１分弱＞
[問６] ｢年代整序選択肢設問｣(複数完全解答/５択)。示されている｢室町時代におこった(ア)～(オ)のできごと｣を｢年代の古い順｣に並べかえ､｢２番目｣と｢４番目｣を答える。｢年代整序｣では、覚えているであろう｢年代｣で無理やり｢整序｣しようとすると、｢数字｣を取り違えて誤ってしまう可能性があるので、必ず｢できごと｣の｢背景｣や｢人物｣などの｢流れ｣で整理してつないでいくこと。各選択肢の｢要点｣で｢時期｣を特定していく。
(ア)｢南北朝合一｣⇒３代将軍｢足利義満｣の時だと知っているはず。
(イ)｢加賀の一向一揆｣⇒｢一向一揆｣は｢応仁の乱｣以降の混乱の中で多発し、その最大規模のものが｢加賀の一向一揆｣だと習得している。
(ウ)｢正長の土一揆｣⇒３代将軍｢足利義満｣の後の混乱した状況での｢(将軍の)代替わりの徳政｣を求めたということを知っているかどうか。
(エ)｢応仁の乱が起こった｣＝言わずと知れた｢1467年｣。
(オ)｢足利尊氏が征夷大将軍に｣＝無論、｢初代将軍｣。
であれば、(オ)→(ア)→(ウ)→(エ)→(イ)という｢流れ｣だ。したがって、｢答え｣は｢２番目｣＝(ア)、｢４番目｣＝(エ)となる。本問では｢将軍｣で｢流れ｣をつないでいった。
＜時間配分目安：１分弱＞
[問７] ｢事項記述設問｣(｢漢字｣指定)。｢江戸幕府が、キリシタンでないことを証明させるために、すべての人びとに対していずれかの寺院の信者になることを強制した制度の名称｣を｢漢字｣で答える。本問の｢答え｣を｢寺請(制度)｣だと即決できるかどうかが、本校が求めている｢知識レベル｣のひとつの｢メルクマール｣(指標)になる。この制度に基づいて、寺院にその檀徒であることを証明させた帳面｢宗門人別改帳(しゅうもんにんべつあらためちょう)｣が作成されたことも知っておきたい。このレベルが本校の求める｢深知り知識｣だと心得よ。
＜時間配分目安：１分弱＞
【大問３】｢公民｣(｢世界地理｣１問あり)
- 難度：標準
- 時間配分：7分
｢日本の国会･内閣｣･｢日本国憲法｣･｢地方自治｣･｢銀行や経済｣･｢紛争や戦争｣･｢国際機関や貿易｣に関する出題。｢公民｣単元の基本的事項を中心に問われている大問(ただし、｢世界地理｣１問あり)。｢国際関連｣の小問で若干悩ましいものがある。それらを含めていくつか検証する。
[問４] ｢正誤判別選択肢設問｣(４択)｡
示されている｢紛争や戦争に関する説明｣として、｢正しいもの｣を答える。それぞれの｢説明｣の｢要点｣で正誤判別する。
(ア)｢クウェートに侵攻したイラクに対し、アメリカ中心の国連軍が攻撃｣⇒｢湾岸戦争｣のことで、攻撃したのは｢アメリカ中心の多国籍軍｣だと定着しているはず＝不適切。
(イ)｢イスラム教徒が多数のインドと、ヒンドゥー教徒が多数のパキスタン……｣⇒この瞬間に宗教が逆だと気づかなくてはならない＝不適切。
(ウ)｢ベトナム戦争でアメリカは南ベトナムを支援し、北ベトナムを攻撃｣⇒東西冷戦のさなかに南北に分断されたベトナム、両者の間での｢ベトナム戦争｣は、｢米軍による北爆開始｣(1965年)以降に泥沼化していったことは知っているに違いない＝適切。
(エ)｢ユーゴスラビア｣｢分裂せず現在も国を維持｣⇒｢ユーゴスラビア紛争｣(1991～2001年)を経て、分裂したことは知らなくてはいけない＝不適切⇒ちなみに、現在は｢スロベニア｣｢クロアチア｣｢マケドニア｣｢ボスニア･ヘルツェゴビナ｣｢セルビア(コソボ自治州を含む)｣｢モンテネグロ｣の６つの共和国だ。
したがって、｢答え｣は(ウ)。｢冷戦後の国際紛争｣は頻出なので、整理して覚えておくこと。
＜時間配分目安：１分弱＞
[問５] ｢正誤判別選択肢設問｣(４択)｡
示されている｢銀行や経済に関する説明｣として、｢正しいもの｣を答える。それぞれの｢説明｣の｢キーワード｣で正誤判別する。
(ア)｢日本銀行｣｢大企業とも取引｣⇒｢日本の中央銀行｣で｢銀行の銀行｣｢国の銀行｣だということは常識＝不適切。
(イ)｢日本銀行｣｢紙幣や貨幣を発行｣⇒唯一の｢発券銀行｣(紙幣を発行)だが、｢貨幣｣の発行は｢財務省｣＝不適切。
(ウ)｢商品量一定｣｢通貨量増加｣｢物価上昇｣｢貨幣価値上昇｣⇒｢インフレ｣だとすぐ気づく⇒｢インフレ｣では｢貨幣価値下落｣だと理解しているに決まっている＝不適切。
(エ)｢不景気｣｢景気対策｣｢減税｣｢公共投資増やす｣⇒市場に出回る通貨量を増やす必要があるのは当然＝適切。よって、｢答え｣は(エ)になる。尚、｢インフレ｣｢デフレ｣、｢円高｣｢円安｣など、経済分野では正確に理解していないと真逆に覚えてしまうことがあるので要注意。
＜時間配分目安：１分弱＞
[問６] ｢空所補充の国名位置特定選択肢設問｣(４択)｡
｢世界地理｣。｢貿易｣に関する文章中の空所 Ｘ に｢あてはまる国｣の｢位置｣を、示されている【地図】(南アメリカの地図で国境線が記されている)の中の(ア)～(エ)から答える。空所前後を確認する。｢ Ｘ ラウンドとは、1986年に Ｘ で交渉開始が宣言されたＧＡＴＴの貿易交渉……｣となっている。すぐに｢ウルグアイラウンド｣だと分かるはず。では、｢ウルグアイ｣の位置はどうか？ 悩むに違いない。
(ウ)が｢ブラジル｣だということは誰にでも分かる。そして、太平洋側で南北に細長い(イ)も｢チリ｣だと特定できるはず。残りの(ア)は｢チリ｣の北で、(エ)は｢ブラジル｣の南。であれば、(エ)が｢答え｣だと判別したい。ちなみに、(ア)は｢ペルー｣だ。｢ウルグアイ｣は流石(さすが)に難問だが、｢主要国の位置｣は地図上で改めて確認しておく必要がある。
＜時間配分目安：１分強＞
[問８] ｢空所補充の事項記述設問｣(｢漢字｣指定)。
｢地方自治｣に関して示されている｢日本国憲法｣の条文中の空所( )に｢あてはまる語句｣を｢漢字｣で答える。条文は｢日本国憲法第95条｣で｢一(ひとつ)の地方公共団体のみに適用される( )は、……、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない｣となっている。いわゆる｢住民投票｣のことだ。無論、知っているに違いない。だが、この条文自体は定着しているか？ 抜け落ちてはいないか？ ｢答え｣は｢特別法｣だ。本条文は確かにエアポケットになりやすいだろうが、テキストに載っているような｢日本国憲法の条文｣は定着させておくことが肝要だと心得よ。
＜時間配分目安：１分弱＞
攻略のポイント
●本校の最大のネックは、あらゆる｢設問形式｣が複雑に混在しているので、頭が混乱し｢自滅｣する恐れがあるということだ。｢適切｣と｢不適切｣、｢単数｣と｢複数｣といった｢選択肢問題｣や､｢年代｣｢位置｣などの｢整序問題｣、様々な｢条件｣のある｢説明記述問題｣等が次々に出題されてくる。｢設問形式｣を正確に理解し判断することが最高の｢攻略法｣。それさえできれば、問題自体はさほど難しくない。過去８年間の｢受験者平均得点率｣は｢58.8%｣(本年度はやや下がって57.9%。ちなみに、本年度、４教科合計の｢３年間特待合格基準点｣は74.4%)｡受験生の中で｢自滅｣せずに得点を重ねた者が、本校の合格者になると心得よ。
●｢複数選択肢問題｣や｢完全解答問題｣でさらに求められるのは、｢細部へのこだわり｣と｢知らない問題｣への｢対処法｣。前者はいかに｢細部｣から｢正誤判別｣ができるかであり、後者はいかに｢知っていること｣に結びつけられるかということだ。｢深知り知識｣が定着していなくても、必ずどこかに｢手がかり･ヒント｣が隠されていると考えること。｢リード文｣｢問題文｣や｢設問条件｣、｢設問どうしの関連｣等々と｢自らの知識｣を多角的に結びつけて考察することで絶対に解くことができるのだ。したがって、｢多角的思考｣ができるよう、十分に訓練しておきたい。また、近年必出の｢考察問題｣についての練習も不可欠だ。
●｢地理｣では｢地図｣｢地形図｣｢統計資料｣等、｢歴史｣では｢年表｣｢歴史史料(｢図版｣含む)｣等がよく出題されるので、確実に覚え、繰り返し確認しておくこと。もちろん、｢統計資料｣は必ず最新版を使いたい。テキストとしては｢日本のすがた｣(矢野恒太記念会編集)が分かりやすくてオススメだ。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
栄東中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
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リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。