慶應義塾大学 理工学部 英語
入試対策と勉強法
慶應義塾大学 理工学部 英語
ここでは、慶応義塾大学の理工学部を目指す方に対して、英語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
慶応義塾大学理工学部 英語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
2018年より大問構成は読解問題が2題、対話文が1題、空所補充問題が1題という形式となっています。ただ、2021年は内容面にやや変更があり、対話文のなかで問われていた条件付き英作文は出題されず、空所補充問題も単語の記述式から選択式短文空所補充となりました。発音またはアクセント問題が読解問題の中で問われています。
読解問題は500~600語前後の長さではあるが語彙レベルも高い上、内容もやや高度な論説文となっています。
会話文は口語表現を問うというよりも内容の流れがつかめていれば解けるものが多です。
出題量と時間配分
試験時間は90分。
読解問題は2題です。それほどの長さがあるわけではないが、語彙・内容のレベルが高いため思っている以上に時間がかかります。
2題で60分前後は必要でしょう。対話文に20分、空所補充問題は10分程度以内で処理してしまいたいところです。
出題形式
読解問題では内容把握の観点からの空所補充や内容一致が多いです。一部、空所補充で語彙や語法の知識も合わせて問われているものもあります。小問として発音アクセントも問われます。
対話文では内容の流れがつかめていれば空所が埋まると言えるが、ある程度の語彙の知識があることが全問の問題となっています。2021年は出題がなかったが、再び記述式の英作文が問われることもありえるため、基本的な英文は正確に素早く出力できるようにしておく必要があります。
解答形式
読解問題はすべてマーク式の問題ですが、上述のように2020年までは英作文や語を書かせる記述問題が出題されており、英作文には書き出し表現が解答用紙に記載されています。単語の記述が選択式となったため、語彙のレベルがかなり高くなっています。
攻略のための学習法
読解問題
英文量はそれほどではないものの、解答に必要な部分の精読に時間を確保するためにはそれ以外の部分を素早く把握していく必用があることから、速読能力を鍛える必要があります。
意味のかたまりごとに前から読み下していく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ないでしょう。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳し下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。
併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ます。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
文法
語法に関してはかなり正確な知識が必要です。文法のみのインプットにととどめず語法についての記載が充実したインプット教材を勉強の中に取り入れる必要があります。
年によっては正誤問題が出題されることもあるので、より正確な知識を身につけるため正誤問題の問題集を最後の仕上げに用いるとよりよいでしょう。
単語・イディオム
単熟語のレベルが高いのが理工学部の特徴です。常に語彙のレベルをあげる勉強をしておかなくてはならなりません。
ただ、同時に、意味を知らなくても前後の流れや語源からおよその意味を類推する力を身につけておきましょう。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを英文解釈編、長文読解編、単語・イディオム編、文法編、英作文編に分けてご紹介します。
英文解釈
(1)『英文解釈の技術100』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。(1)をやる時間がない人はこちらでも良いでしょう。
(3)『Rise構文解釈1・2』(Z会出版)
2までやれば英文解釈に不安はなくなりますが、どちらかと言うと、国立との併願者向けです。
長文読解
(1)『パラグラフリーディングのストラテジー1・2』(河合出版)
ある程度の英文解釈力が身についたら取りくむべきシリーズで、速読するためのエッセンスが詰まっています。パラグラフリーディングの基本を1で身につけ、2でトレーニングする形です。3もありますが難関国公立向けであるため、こちらについては国公立と併願する生徒向けです。
(2)『全レベル問題集:英語長文6』(旺文社)
『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)
いずれも音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立ちます。ある程度の長さと難易度に慣れるために夏には取り組み始めたい一冊です。
(3)『過去問』
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。近年の1年分については、レベル・形式を把握するために早い時期に解いておきましょう。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編・上級編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではあるが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はないでしょう。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはあるが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
文法
(1)『頻出英文法・語法問題1000』(桐原書店)
文法・語法系のインプット教材としては比較的説明が厚めなので自分で進めやすいでしょう。近年頻出の語法が充実しているところもオススメです。
(2)『英文法ファイナル問題集[標準編・難関編]』(桐原書店)
全10回のテスト形式です。範囲指定のない形で問題が作られているため、知識の定着度を図るのに良いでしょう。誤文訂正や語句整序なども各回に出題されているため、苦手な設問形式をピックアップして取り組むという使い方も可能です。
英作文
『英作文ハイパートレーニング和文英訳編』(桐原書店)
文法知識と英作文の橋渡しをしてくれる良書です。繰り返し何度も解くことで、どのような場面でどんな文法事項を利用すると英語として自然なのかが身につきます。
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