東京大学 前期日程−文科(一~三類) 国語
入試対策と勉強法
東京大学 前期日程−文科(一~三類) 国語
ここでは、東京大学の前期日程-文科(一~三類)を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
※「個別学力試験」の「第1次選抜」は2021年度より「大学入学共通テスト」となり、「出題内容」が改定されました。しかし、「2次試験」の内容は以前と何ら変わりありません。以下の「入試傾向」は、2021年度までの「入学試験」に準拠しています。
東京大学前期日程-文科(一~三類) 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
「出題科目」は「国語総合」「国語表現」「現代文B」「古典B」です。
「現代文」は2題で、「論説文(評論文)」と「随筆」(稀に「小説」)という組み合わせが多いです。
共に様々なジャンルの文章内容で、特に「論説文」は抽象語や専門用語が多用され硬質なものが中心となっていて、文章の論理構造を的確に把握する高度な読解力が必要です。「古典」は「古文」(中世~近世までの幅広い題材で、「和歌」が含まれることが多い)と「漢文」(「漢詩」が頻出)が各1題です。「現代語訳」や「内容解釈」「人物関係」、「漢文の基本句法」等、そして、多様な「古典常識」や「漢文」の背景なども問われます。
「漢字の書きとり」は近年3問(2014年度までは5問)で、「国語表現」は「論述力」として問われます。
出題量と時間配分
本文の文章量は年度によってバラツキがありますが、「現代文」は2題合わせて5000~6000字程度で他校と比較しても少なめです。
「古文」は700~1000字弱、「漢文」が200字程度です。
150分の試験時間なので、先に「古典」を50分以内で仕上げ、「長文説明記述」のある「現代文」に100分強の時間を割いてしっかりと解いていきましょう。
出題形式
大問4題が定着しています。例年、大問一(小問5問、「漢字の書きとり」を含めて解答数は7。2016年度までは小問が6問だった)と大問四(小問・解答数ともに4ほど)が「現代文」、大問二は「古文」(小問5問、解答数は7ほど)、大問三が「漢文」(小問・解答数ともに4~6)となっています。
解答形式
全ての設問が「記述」形式です。「現代文」では、「漢字の書きとり」の他は全て「説明記述」で、内容は「換言説明」と「理由説明」がほとんどで、ときおり「心情説明」が問われます。「古文」「漢文」では、「現代語訳」と「内容説明」が半々です。
尚、毎年大問一の最後の小問で「100~120字指定」の「長文説明記述」が出題され、東大「国語」の最大の難関となっています。
東京大学前期日程-文科(一~三類) 国語試験を攻略するための勉強法
知識
直接的な出題である「漢字の書きとり」はそれほど難しくはないですが(つまり誤答は許されない)、東大「国語」特有の硬質な「本文内容」を理解し咀嚼する為には、難解な語句や頻出テーマに関する「キーワード」を読み解く「知識」が当然ながら必要となります。
そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。
「センター試験」の「漢字問題」(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)がひとつの目安となります。最低10年分以上の過去問をこなしましょう。
その結果次第で、具体的な学習を進めていきましょう。尚、以下のサイトは「漢字問題」だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
解法
「論説文(評論文)」「随筆」に特有の「解法」です。そして、全てに共通する「解法」です。それらを体系的に理解し定着させ、応用するために肝要なのは「復習」の仕方です。
「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須です。特に「間違った問題」が重要です。誤ってしまった「分岐点」をしっかりと確認しておきましょう。
さらに、いくつもの練習問題や過去問を通じて、同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが「解法」となります。
尚、「具体的解法」は本HPの別サイト「大学入試”王道現代文”」をご覧ください。
説明記述
「長文説明記述」(例年100~120字指定)以外は字数指定がなく、解答欄は縦13.5㎝、横8㎜が1行の枠です。これはほぼ30~35字相当になります。「現代文」では「2行指定」がほとんどなので、「60~70字前後」ということになります。
「記述」で必要なひとつの「要素」は、「20~30字程度」です。正否の分かれ目となる「最重要な要素」を「文末」として他に「必要な要素」を1~2つ積み上げていく(積上げ方式)という手法を完璧にマスターすることが肝要です。「内容」から必要度の優先順位を特定し、優先度の高いものから積み上げていきましょう。
最難関の「長文説明記述」では4~5つ程度の「要素」でまとめることに慣れましょう。また、「100字程度」の「要約問題」を数多くこなすことがいい練習になるでしょう。
古典
「古文」は「古文単語」を完全に定着させた上で、「文法」を徹底的に習得しましょう。
特に、「助動詞」「助詞」の「意味・用法・接続」、そして「敬語」は完全に定着させることが重要です。その上で、多様な分野の文章に触れ、「人物関係」に注意して読み解く練習を重ねましょう。
また、「歴史的背景」「和歌修辞」等の「古典常識」習得も必須です。「漢文」は「文の構造」「句法」などの基礎知識を習得した上で、「漢文」の背景となる「思想」や「歴史」についても理解しておきましょう。練習問題を通じて読解力を培うことが重要です。「白文対策」も忘れずにしましょう。また頻出の「漢詩」に対する備えも必要になります。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識編、現代文編、古文編、漢文編に分けてご紹介します。
知識編
(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句(暗記いらずの)らくらく練習帳―熟語・慣用句・評論語句・外来語』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 三訂版』(ピアソン桐原)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)
前項の「センター試験(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのが目安です。反復練習して完全習得させましょう。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解しましょう。
現代文
(1)『現代文読解力の開発講座<新装版>』(駿台文庫)
中級レベルです。文章を客観的に捉える術が説明されており、難関私大から国公立へのステップアップ段階の一冊です。
(2)『現代文と格闘する[三訂版]』(河合出版)
上級レベルです。「文章を読み繋ぐ」ことを主眼として、そのためのシンプルな「視点」を提案しています。難関国公立合格を確実にする一冊です。
(3)『[記述篇]現代文のトレーニング[改訂版]』(Z会出版)
上級レベルです。頻出テーマに沿った問題構成で、「完成度」を自己採点で把握できます。東大の「記述」に習熟するための一冊です。
(4)『得点奪取 現代文[三訂版]』(河合出版)
最上級レベルです。「採点基準」が明確に示されています。採点の厳しさで知られる東大「現代文」で失点・減点を防ぎ合格を固める一冊です。
※尚、(1)(2)(3)には「要約問題」があるので必ずこなしましょう(「長文説明記述」の練習になる)。
(5)『上級現代文Ⅰ・Ⅱ』(ピアソン桐原)
最終レベルです。自らの「解答の欠点」を「採点者の視点」でチェックできます。「段落要旨」や「全文要約」の他に「参考図書」も紹介されています。「東大合格」への安心感を高める二冊です。
(6)『東京大学(過去問)』
実践レベルです。しっかりと解いて、「解法」を繰り返しトレースしましょう。
古文編
(1)『重要古文単語315[三訂版]』
(2)『標準古文単語650(完全征服21) [三訂版]』(共に桐原書店)
前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しておきましょう。それで「語彙」はほぼ心配ないでしょう。
(3)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル[三訂版]』(河合出版)
「文法」の基本が分かりやすくまとめられています。「例文」は「品詞分解」し「現代語訳」も行っておきましょう。
(4)『古文上達 読解と演習56』
(5)『最強の古文 読解と演習50』(共にZ会出版)
前者は「入試古文」の全てを凝縮し、後者はその応用篇です。「古文」への自信がみなぎる二冊です。
(6)『得点奪取 古文 記述対策[改訂版]』(河合出版)
「内容解釈」「内容説明」「要約」などといった、「古文」の「説明記述」の典型問題を網羅した対策ができます。東大「古文」を確実に攻略するための一冊です。
漢文編
(1)『漢文道場[基礎編]』(Z会出版)
「送りがな・返り点」といった基本ルールから重要な「句法」まで、基礎力養成の一冊です。
(2)『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習(河合塾シリーズ)』(河合出版)
基礎定着確認用です。
(3)『漢文(河合塾シリーズ)入試精選問題集9[改訂版]』(河合出版)
「読解力」アップへの道標です。
(4)『得点奪取 漢文―記述対策(河合塾シリーズ)[改訂版]』(河合出版)
東大「漢文」の「記述式設問」に対応するための一冊です。
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