慶應義塾大学 看護医療学部 英語
入試対策と勉強法
慶應義塾大学 看護医療学部 英語
ここでは、慶応義塾大学の看護医療学部を目指す方に対して、英語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
慶応義塾大学看護医療学部 英語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
2014年以降は、大問7題の構成が続いています。
基本的には、文法問題が1題、読解系の問題が4題、単語記述問題が1題、自由英作文が1題ですが、2021年は自由英作文ではなく整序問題の出題となりました。読解系の問題については、語法を中心とした知識も併せて問われるものや、脱文挿入、パラグラフ整序、文意から不適切な語を選び訂正するものなど、様々な形式を出題するのが看護医療学部の特徴です。
英文の長さは200語前後から500語前後まで様々な長さのものが用いられています。
出題量と時間配分
試験時間は90分です。
一つ一つの英文にそれほどの長さはありませんが、差のつきやすい自由英作文にある程度の時間を確保する必要があることからすると全体としては時間に余裕はないでしょう。もっとも、2021年のように自由英作文がないのであれば時間配分が変わるため、2本柱で時間配分を作っておくのが良いでしょう。
基本的には自由英作文の出題がなければ90分を大問7題で割る形でよいが、自由英作文が出題される場合は差がつきやすいため、ここに15分は残しておき、自分の得意不得意の形式にあわせて他を圧縮する必要があります。難易度の高い設問も含まれるため、設定した時間配分を厳守し、答えが出にくいと思ったら次に進むという割り切りも必要な出題となっています。
出題形式
読解問題については、脱文挿入とパラグラフ整序が大問として出題されるのが特徴的です。
国語的な運用能力の高さが問われるところでもありますが、効率的な解き方を確立することでそれほど時間をかけずに処理することも可能です。自由英作文が出題される場合は100~150語の記述が要求されています。
解答形式
2021年はすべてが選択式の問題の出題でしたが、それまでは英文和訳と自由英作文という形で記述問題が出題されています。英文和訳は代名詞を補って和訳させるなど指示がかかっているものもあり、やや長めの記述が要求される問題です。
慶応義塾大学看護医療学部 英語試験を攻略するための勉強法
読解問題
英文量が2000語程度である上にパラグラフ整序などやや時間がかかる設問や自由英作文に必要な時間を確保する必要性を考慮すると、速読能力を鍛える必要があります。
意味のかたまりごとに前から読み下していく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ないでしょう。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳し下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から訳し下していくことができるようになります。
併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ます。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。
音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
自由英作文問題
2021年の出題はありませんでしたが、今後の出題可能性がないとまでは言い切れないため対策しておく必要があるでしょう。まずは英文エッセイの基本的な構成・書き方を身に付けるところからはじめましょう。
Introduction(導入・主旨)→Body(内容)→Conclusion(結論)という3部構成をおさえ、それぞれのPartの内容を書くにあたっての典型的なフレーズを身につけておくことで、現場では純粋に内容面のみを考えることが出来ます。書きたい英語ではなく、書ける英語、論理を一貫させられる内容を選択するのも重要です。
いずれにしても実際に手を動かして書くトレーニングを重ねましょう。
単語・イディオム
難解な単熟語が頻繁に用いられた英文が素材になっているわけではありませんが、知っていたほうが類推する箇所を減らせるのもまた事実です。
このレベルの大学を目指す以上は多くの受験生も高いレベルの単語を身につけているため、余力があれば上級レベルの単熟語に対応できる教材を利用しましょう。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを英文解釈編、長文読解編、単語・イディオム編、英作文編に分けてご紹介します。
英文解釈
(1)『英文解釈の技術70』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来きます。
(1)をやる時間がない人はこちらでも良いでしょう。
(3)『Rise構文解釈1・2』(Z会出版)
(2)までやれば英文解釈に不安はなくなりますが、どちらかと言うと、国立との併願者向けです。
長文読解
(1)『パラグラフリーディングのストラテジー1・2』(河合出版)
ある程度の英文解釈力が身についたら取りくむべきシリーズで、速読するためのエッセンスが詰まっています。パラグラフリーディングの基本を1で身につけ、2でトレーニングする形です。3もありますが難関国公立向けであるため、こちらについては国公立と併願する生徒向けです。
(2)『全レベル問題集:英語長文5』(旺文社)
『イチから鍛える英語長文500』(Gakken)
『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)
いずれも音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立ちます。ある程度の長さと難易度に慣れるために夏には取り組み始めたい一冊です。
(3)『過去問』
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。看護医療はかなり特徴的な問題形式となっているので、近年の1年分については、レベル・形式を把握するために早い時期に解いておきましょう。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編・上級編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はありません。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いのですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
英作文
(1)『英作文ハイパートレーニング自由英作文編』(桐原書店)
自由英作文の構成の仕方、基本フレーズを修得することが出来ます。看護学部受験者であるならぜひ取り組んで欲しい一冊です。
(2)『英作文のトレーニング[自由英作文篇]』(Z会出版)
やや②と説明の仕方が異なるところがあるものの、学習した手順をさらにこちらで深めることが出来ます。
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