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青山学院横浜英和中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「青山学院横浜英和中学校の国語」
攻略のための学習方法

[問題構成]

大問は5つ。大問1・2が漢字の読み書きや熟語・慣用句など、大問3が文章を並べ替える文脈の問題、大問4が説明的文章の読解、大問5が文学的文章の読解、というのがここ数年の定型となっている。

説明的文章約5000字・文学的文章約7700字の計12700字ほどの文量(2021年度)があり、これに並べ替えの900字ほども加わるので、速読が求められる。
問題数は35問ほど。選択肢と書き抜きが中心で、記述問題は2~3問、説明的文章・文学的文章どちらの分野でも出題されている。字数は20~80字ほどの指定があるが、マス目が無い問題では多少の増減は許される。

[説明的文章の読解]

論説的随筆文や説明文がよく用いられている。分野は人文科学や社会科学が多い。内容はそれほど難解なものではないが、約5000字(2021年度)あり抜き出す箇所や要点・要旨を探すのにも範囲が広い。読解を進めながら重要点や答えになりそうな部分に目星をつけて傍線を引いておくなど、手際よく正解を見つける工夫が必要である

論説的文章の読解のこつをつかんでおこう。

段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやすい。

要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしてお
こう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。

要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。

[文学的文章の読解]

小説の出題が多い。主人公が小学生~高校生くらいに設定されている話がよく用いられており、受験生にもなじみのある舞台が描かれ、読みやすい内容になっている。
7000~9000字ほどもある本文は、場面の切り替えも多く読み取るべき人物の動きや心情も多くなる。素早く正確に読めるように、普段から読書量をなるべく多くするよう意識したい
小説の読解の技術を高めておこう

人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
 
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
 
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
 
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。

[文脈の問題]

ばらばらにした文章を正しく並べ替える問題が出されている。素材文は700~800字ほどあり、ここも文量に含める必要がある。文章の論理的な流れを読み取る能力を問うもので、題材として説明文が多く使われている。論理的な文章を多く読んで、文脈のつながりをよく見ておこう

[文量]

素材文が15000~16000字にもなる場合がある。かなりの速さになるが、分速700字程度で見落としなく正確に読めるように練習しよう

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2021年度「青山学院横浜英和中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は33問。読解問題では22問あるが、選択肢と書き抜きにそれほど時間は取られないだろう。やはり長文をいかにすばやく読み終えるかが大事になる。記述問題に少しでも多く時間を残せるよう、ペース配分に慣れておきたい。

【大問一】漢字の読み書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:【大問1~3】6分
  • ★必答問題

1. 移植 2. 総意  3. 刷(る) 4. じだん 5. ただ(ちに)――

【大問二】熟語

  • 難度:標準
  • 時間配分:【大問1~3】6分
  • ★必答問題

問一 指標
問二 1. ウ――星空は「訓訓」読み、正座は「音」読みである。
   2. イ――大失敗は「大」が失敗を修飾、不可能は「不」が失敗を打消している。
問三 1. 著名――有名
   2. 満潮――干潮

【大問三】文脈の理解

  • 難度:標準
  • 時間配分:【大問1~3】6分
  • ★必答問題

カタカナ外来語が非常に多く、いかに削減すべきかが論議の焦点になっている。→この点に関してわたしは、カタカナ変換が英語の直接侵入を阻止する防波堤になっていると考えている(イ)→英語の津波に対してカタカナ語が増えていくのは仕方がない。必要でなければカタカナ語は無視すればよい(ウ)→ちなみに、必要ならば漢語に翻訳するなどというのは時代錯誤である(ア)→さて、バイリンガルは……と話題が変わる(エ)

【大問四】説明文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:20分

知識だけでものごとを判断するのは危険である。人間社会は二元論的に単純に分けられないことが多い。そうした経験を踏まえ、長い時間をかけて熟成して残ったものが知恵・英知となるのである。
問一 この文の後からことわざの例を挙げて説明に入ると考えられるので、「犬も歩けば棒に当たる」を挙げた段落の直前に置けばよい。→「英知を蓄えたものが、古典として残っている。それをうまくあらわしているのが、ことわざである」
問二 ② 衛生状態がいちじるしく改善された。「ところが」ポリオが大流行してしまった。
   ④ 事実は、長い時間をかけて歴史になる。「したがって」現代史そのものはありえない。→選択肢エが合う。
問三 少し後で、勉強ばかりの知識偏重である環境を無菌状態に例えている。そのような環
境では「生活の中での経験」が不足し、知識で解決できないことへの免疫力がつかずに
「自分でものを考えること」のできない人間になってしまう、と危険性を指摘している。
問四 知識は、時間をかけてふるいにかけられ出てきたものが英知となる。歴史もそれと同じで、流行はすぐにすたれてしまうが、その中で時間をかけて人々の中に残ったものは古典となり不易となるのである。
問五 長い時間をかけて定着したのであるから、「普遍的」と言える。
問六 アメリカとイギリスで「ローリングストーン」の解釈が異なることを例にとって、ことわざも「背後にある生活が異なれば、意味は違ってくる」ことが示されている。
問七 ここはアメリカでの解釈のことであるから、「優秀な人はたえず活動しているので、
苔のようなよけいなものがつかず、いつも輝いている」という意味である。
問八 ア. 三度目の正直「一度や二度ではあてにならないが、三度目は確実であること」、仏の顔も三度「どんなに温厚な人でも度重なる無礼には腹を立てる」で、矛盾した関係にはなっていない。
問九 昔の人は社会には矛盾があることを「経験」から知っていた。現代は「知識」は増えているが、「経験」を通さず「知識」だけで決めつけるので、判断力が単純になってしまった。
問十 イ. 衛生環境の改善とポリオの流行の関連について、文中の説明と一致している。

【大問五】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:24分
  • ★必答問題

主人公は町で見かけた車椅子を使っている女性に心を惹かれ、車椅子を押してやりたいという気持ちを抑えられなくなり、ある日勇気を出して声をかけた。
問一 「わからないこと」とは、「実際に車椅子を押してみて初めて気づいたこと」で、心中のことばで(こんなこと)と言っている部分であるから、この直後=「あ、段差が……」の直前におけばうまくつながる。
問二 ① まず大げさに驚き、同じように「やはり」大げさな態度で道を開けた。
   ② 「いかにも」不良中学生です……という恰好の勇治たち。→選択肢ウ。
問三 『源氏物語』の作者が紫式部である。
問四 数行前に「町で見かけるたびに」「彼女の車椅子を、自分が押してやりたい」と思うようになった、とある。そして「町で見かけるたびに」をもう一度繰り返して「そんな気持ち」と代えている。
問五 「躊躇する」は「ためらう」ことである。「二の足を踏む」は「二歩目が出ない」という意味で一歩は踏み出しているので、まったく行動できていない時点では「ためらう」の方が合う。
問六 車椅子を押すのが難しそうな道路の状況(ウ)を、自分が手伝う「チャンス」だと思っている。
問七 勇気を振り絞って行動する例えで「清水の舞台から飛び降りる」という。
問八 車椅子の「前の車輪は小さい」ので、ちょっとした窪みにもはまってしまうのである。
問九 声をかけてはみたものの、自分が彼女の車椅子を押してやりたいと思った気持ちの動きまでは話せずにいた。しかし、彼女の目を見たことがきっかけとなり、彼女のことが以前から気になっていて、引っ越してしまう前に車椅子を押してあげたかったという正直な気持ちを告げる勇気がわいた。
問十 少し後で「やはり赤の他人に娘を任せるのが、心配なのであろう」とあるので、母親は車椅子を他人に任せるのを不安に思って難色を示したのだと思われる。
問十一 「私みたいな人を気にかけてあげてくださいね」には、「障碍者ならだれでもよか
ったのだろう」というニュアンスが感じられる。主人公は彼女のことを知りたいという
思いで押してあげたのだが、誰でもいいから押してあげて自己満足を得たかったのだ
ろうと思われていると感じ、「寂しくなった」のである。選択肢アとオが当てはまりそ
うである。

攻略のポイント

本校のように本文の文量が多い場合、読むのに時間がかかり過ぎて本来わかったはずの問題を解く時間が足りなくなってしまった、という事態は避けたいところである。速読は訓練で上達できる技術なので、早めに対応を進めておこう
また、読解の技術として、ポイントになる部分をすばやく見つけられるようにしておくことも大事なので、要点や重要部分をマークするコツをつかんでおきたい
言語事項も一定の配点を占めるので、基本的なレベルでよいのでひととおりは頭にいれておこう。

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