芝浦工業大学柏中学校 入試対策
2021年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」
攻略のための学習方法
芝浦工業大学柏中学校、算数の満点は100点。標準的な問題が多いが、ややレベルの高い問題も含まれる。試験時間は45分でやや短いが、慌てることなく、落ち着いて取り組んで欲しい。できる問題から解答欄を埋めていくことを心がけること。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
例年1~2題出題される。今年度は□を求める問題であった。工夫が必要な問題がよく出題されるので、日頃の計算練習の際には、少しでも簡単に計算するにはどうすればよいか?といった意識で取り組んで欲しい。また単位の計算問題が出題された年もあるので、面積や体積の単位変換についてはしっか覚えておきたい。
文章題
今年度は比の文章題および時計算が出題された。ここ何年かの出題傾向を見ると、速さ(旅人算、時計算など)、食塩水の濃さ、売買損益算、年齢算などの出題が見られた。今年度出題された時計算の出題がやや多いことには注意が必要。際立った難問は出題されないので、テキストや問題集での練習を行えば正答できる問題が中心である。速さに関する問題では、旅人算・時計算・流水算・通過算・ダイヤグラムの読み取りなど幅広く学習しておくこと。
数に関する問題
場合の数、数表や数列に関する問題、数の性質など毎年出題が見られる。今年度も場合の数と倍数の条件・図形の規則性・暦に関する問題と多くの出題があった。場合の数の出題がやや多いので、しっかり練習しておきたい。単に計算で求めるものだけでなく、場合分けや調べ上げといったタイプの問題の練習も行うこと。また、数列や数表、割り算のあまりに関する問題等もしっかり練習して欲しい。
平面図形
今年度は図形と規則性の出題が見られた。ここ数年の問題を見ると、30度-60度-90度の直角三角形、図形の移動、影に関する問題等、趣向を凝らした問題も見られる。
この分野の対策としては、まずは相似や高さの等しい三角形など、比を用いて解く問題の練習をしっかり行うこと。また、図形の移動についても出題の可能性が高いので、力を入れて学習して欲しい。日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形
今年度は水の深さの変化に関する出題であった。ここ数年では、図形の切断、回転体の求積等が出題されており、回転体の求積は出題頻度が高い。
この分野の学習法としては、立体の切断や回転体の求積については特に力を入れて欲しい。また、今回出題された水の深さの変化について、今後も出題されることが予想されるので、問題練習を行って欲しい。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい。
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2021年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
独立小問が2題、大問が6題で100点満点、試験時間は45分であった。合格者平均は例年5~6割程度である。すべての小問数は17で多くはないが、記述問題や思考力を必要とする問題も含まれており、時間的ゆとりはあまりない。できる問題から解答欄を埋めるよう心がけて欲しい。
【大問1】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
(1) 計算問題
整数・小数・分数混合の□を求める問題。落ち着いて計算して欲しい。
(2) 相当算
もとにする量が全体・残り、と変わることに注意すること。
計算問題・相当算の小問2題。(1)は□を求める問題で、式がやや長いので、落ち着いて計算すること。(2)は相当算で易問。
【大問2】比の文章題
- 難度:易
- 時間配分:4分
(1)昨年の児童数を28、今年の児童数を30とすると、昨年の女子は12、今年の女子は13になる。
(2)1にあたる人数が400人あたる。昨年の男子は16にあたるので、
400×16 より、6400人
比の文章題。昨年と今年、男子と女子、2つの比をそろえることがポイント。
【大問3】立体図形 水の深さの変化
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
(1) 全水の体積は60×40×20 より48000㎤。
直方体の物体を入れた後の底面積は、60×40-20×20 より2000㎠
48000÷2000 より24cm
(2) まずは、容器を回転させた後の図を描くこと
下の段には(40×40-20×35)20 より18000㎤の水が入る
上の段の水が入る部分の底面積は40×40-20×20 より1200㎠
(48000-18000)÷1200=25 20+25=45 となる。
水の深さの変化をテーマにした立体図形の出題。図を描いた上で丁寧な計算を心がけること。
【大問4】場合の数・倍数の条件
- 難度:標準
- 時間配分:6分
(1) 各位の数を足してできた数が9の倍数であれば、もとの数も9の倍数である。
(2) 6の倍数は2と3の公倍数である。2の倍数であるためには1の位は0または偶数であればよい。また、各位の数を足してできた数が3の倍数であれば、もとの数も3の倍数となる。
9の倍数と6の倍数の条件についての出題。3、4、9の倍数になる条件および今回出題された6の倍数については中学入試の基本知識として覚えておくこと。
【大問5】図形の規則性
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
(1) 30÷2 より縦方向に15枚、45÷2 より横方向に22枚 15×22よ り、計330枚。
(2) 図の三角形の辺の長さを参考にすると、1辺の長さが2cmの正三角形の高さは
1.73cm。1.73+1×2 より、3.73cm
(3) (45-2)÷1.73+1より、横方向には25列入る。奇数列には15枚、偶数列には14枚入るので、15×13+14×12 より、計363枚
(2)は与えられた図を参考に、(3)は(2)の解答がヒントになるが、(3)は偶
数列と奇数列の違いなど検討すべきことが多い。
【大問6】暦に関する問題
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)記述問題。31÷4=7あまり3より、5回ある曜日が3つ、4回しかない曜日は4つ。
(2)1月29日は金・土・日・月 のいずれかになる。
(3)1月の木曜日が4回、3月の月曜日は5回と考えられる。
1月に木曜日が4回であることから、1月1日は金・土・日・月のいずれか。
平年では1月1日から3月1日まで60日ある。60÷7=8あまり4より、
3月1日は月・火・水・木のいずれか。この中で月曜日が5回になるのは、3月1日が月曜日のときのみ。
なお、この年がうるう年として考えると、3月1日は火・水・木・金となり、月曜日が5回にはなりえない。
暦に関する出題。条件がやや複雑なので、慎重かつていねいに考えること。
暦の計算は苦手だという人は多く、明暗を分ける一題。
【大問7】時計算
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)1目盛りの間隔は15度。17時には長針は12、短針は17を指すので、15×(17-12)より75度。
(2)長針は1分間に3度、短針は1分間に0.25度動く。16時には両親針の作る角は240度なので、240-36×(3-0.25)より、141度。
(3)13時に両針の作る角は15度。(15+360×2)÷(3-0.25)より、3回目に両針が重なるまでの時間が計算できる。
時計算の出題で、解き方・式の記述問題。針の動く速さが変則的だが、考え方は普通の時計算と同じ。時計算の考え方をしっかり理解できているかが問われる。
攻略のポイント
【大問1】は計算問題と相当算2問の小問集合で、その後大問が6題の構成になっている。
大問のテーマは、比の文章題、水の深さの変化、場合の数、図形の規則性、暦、時計算であった。大問7は式や考え方の記述が指定されている。また、【大問6】の中にも記述問題が含まれている。
本校攻略のポイントとしてはまず、正確な計算力を身につけ、苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけることが大切である。その上で、速さ、数に関する問題(場合の数、規則性、数の性質)、立体図形については、ややレベルの高い問題についてもしっかり演習を積み重ねておきたい。
記述問題について特別な意識は必要ないが、日頃から式や図をしっかり残す習慣が大切である。
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