立教女学院中学校 入試対策
2021年度「立教女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
出題分析
立教女学院の理科を取り上げる場合、まず頭に浮かぶのは、その題材のユニークさにあった。しかしそれも今では過去のものとなり,ここ数年間は難問・標準ラインを下に突破してかなり基礎的な設問を並べる学校に変化してしまった。
合格点は高めではあるものの,ほとんどの受験生にとっては手をつけやすいレベルである。もはや「立女の理科だから」と気合を入れる必要はない。
理科を苦手とする生徒にとっては福音であり,理科が得意な生徒はここで大幅に点数を稼ぐことが出来る。満点を取れる可能性もある。
では,大きく変わった理科に関してはどのように対策をしていけばよいかだが,それでも対策法に大きな変化はない。
基本的な知識を身につける
やはり、受験勉強の王道を貫くべし。
「基本的な知識を着実に身につけること」。これがなければ、先には進めない。
塾などで与えられる教材のうち,基本的な部分を厚く勉強し,誰もが正解できる知識をしっかりと自分のものにすること。そして知識を蓄えた上で、過去問をはじめ、いろいろな問題をやりながらその中で知識の出し方を練習しておこう。知識が正確かどうかは,まぎらわしい選択肢の問題で試されることになる。
さらに苦手な内容を作らないこと。オールラウンドにこたえられる力が必要だ。ただし,計算問題は出ない傾向にあるので暗記中心の勉強でよい。
総合的な問題への変化
2016年度からは,大問の傾向にも変化が見られ,テーマを絞った問題から総合的なものに変わっている。その分問われることもオーソドックスなものになっていて,とりたてて立女対策をする必要はなくなった。入試問題を扱う側としてはさびしい気持ちもするのだが受験生の負担は大幅に減ったといえるだろう。
ただし,学校自体の水準が下がったわけではないので高得点が要求される。
時間配分
30分で30問に当たるので,単純に1分で1問。問題文が長めの学校なのでスピードが要求されるのは間違いない。時間と解くスピードについては、過去問にあたりながらその分量に対して必要な時間を配分していこう。
その所要時間に対して自分の解くスピードが遅いときは、徐々にスピードを上げていかなくてはならない。
6年生も後半になればだいぶ問題を解く速さが増してくるものだ。それでも足りない場合は自分のほうから問題に合わせていくしかない。
速読即解の場合,こわいのは知識不足と言うよりは問題文を十分に読まないで答えてしまうといういわゆるケアレスミスだ。平易な分だけ基本で落とすわけにはいかない。最後まで集中力を切らさず持っているエネルギーを出し尽くして解ききるパワーが必要だ。
合格点が取れるようがんばってもらいたい。
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2021年度「立教女学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
30分で大問は4、小問は30前後と、時間に対し多めの分量になっているものの,その大半は基本的な設問になっている。したがって,全問に目をとする余裕は十分にあると思われる。
2015年度までの問題には、「立教女学院の理科はてごわい」という感触があったもののここ数年は平易な設問の出題がほとんどで、基本的な知識をしっかりと身につけていれば合格点までは十分に得点できる。
【大問1】生物(ヒトの心臓)
- 難度:標準
- 時間配分:8分
前半には、ヒトの心臓に関する基本的な知識問題、後半には計算問題が配してあり本年度の大問では唯一「標準」レベルとした(他の大問は「易」レベル)。
問1ではイの「足の甲」を抜かしやすく要注意である。
問2~問5は心臓の模式図を見ながら慎重に選択肢を選ぶ。こういう設問で、数字で答えるところを記号で答えたり、アルファベットで答えたりする生徒は注意力が足りない。
問6は、グラフを見ながらの解答となる。大きな波形が0.2秒と1.0秒のところで起きているのではく動が0.8秒ごとに起こっていると考えて、60÷0.8。
問7ヒトの心臓が1分間に送り出す血液の量を求めると、7200÷(60×24)×1000=5000mLとなる。これを62.5で割ればよい。
最後2つの計算問題が出来ていると先が明るい。
【大問2】物理(ものの浮き沈み)
- 難度:易
- 時間配分:7分
- ★必答問題
「ものの浮き沈み」に関する設問について、あまり使ったことがない「平均の密度」という考えを用いて解いていくわけだが、「密度」とはなにか、ということをはじめに実例を挙げて説明してくれているので学習してこなかった生徒にもハンディキャップにはならない親切な問題。
問1は、氷・水・アルコールの密度を比べて答えればよい。よく目にしてきた問題に「密度」をからませている。
問2~問4も図を見比べてみれば一目瞭然。問5では「体積が変化していなかった」という問題文にヒントがある。
問6はそれまでの考察から4つの物質の密度を比べることで大問は終了する。
とりたてて計算も不要であるしあまり迷うような選択しもないので「易」とした。
【大問3】地学(日本の天気)
- 難度:易
- 時間配分:7分
- ★必答問題
天気に関することがらのうち、雨・雲・台風などに関する設問が並んでおり、ほとんどが頭に入っている知識だけで解けてしまう「易」問題。
問1はひっかけ問題で、直径が変わったら底面積も大きくなるから雨の深さは変わらない。
問2~問4は何度もくり返し勉強した知識であろう。
問5では、長い間、ひこうき雲が残っていたと言うことは、雲にふくまれる水てきなどが水蒸気となってすぐに空気中に吸収されなかったことになる。すなわち、空気中の水蒸気量が多い状態、湿度が高いと考えればよいのでこのあと天気は悪化しやすいと言える。少し頭を働かせる問いになっている。
問6~8は、台風に関するスーパー基本問題。近年は気象の異常が続いているので特に勉強をしてきた内容だろう。
問9は少しユニークな出題で、台風の形を上から見た図にはよくお目にかかってもそれを見取り図風に考えるところは新しい。近い将来、CDを知らない受験生が登場するかもしれないが…
【大問4】化学(ものの溶け方)
- 難度:易
- 時間配分:8分
- ★必答問題
昨年度は最後の大問に多少の学校の意地を感じたが、本年度は【大問4】も平易な設問に終始している。
問1~問4までは、問題が素直すぎて逆に「はたしてこんな簡単な答えでいいのだろうか?」と疑心暗鬼になってしまうほど。学校は素直な気持ちの生徒を求めているのだ、と納得して素直に選択肢を選んでいこう。
問5は、全体の重さは変わらないことを使おう。計算わずかにふくむ。
問6はグラフを選ぶ問題なので、食塩とミョウバンのグラフの形と0℃のときに溶けている量に注意してきっちり選ぼう。
問7でラストであるがそれがこれ。問6のグラフもヒントになる、と言うほどのこともなく溶けるだろう…いや、解けるだろう。
攻略のポイント
テスト時間は30分で60点満点。
合格者平均点は「43.5点」と例年レベルの数値にもどった。
本年度の大問だと計算問題も難しくはなく、【大問1】の後半がやや頭をひねる程度であり、他は基本的な知識だけで対応できる平易な問題構成になっている。できれば50点台を目指したい問題だ。
また過去問をさかのぼっていくと「立教女学院の理科はこんなに難しかったんだ」という年度にもつきあたることと思うが、今後問題が突然難化することはないと思われる。基本的知識の定着を重点に置いて勉強を進めれば良い。ただし基本的知識を全分野で身につけていることが最低条件である。
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