東工大附属科学技術高等学校 入試対策
2020年度「東工大附属科学技術高等学校の英語」
攻略のための学習方法
長文読解
問われているのはほぼすべて実質的には内容把握であるため、いかに早く正確に、解答に必要な範囲での丁寧さで読めるかがポイントとなる。
普段の勉強としては、説明文と物語文をバランスよく素材とした上で、精読と速読のトレーニングを意識して分けることが大事だ。
まず、精読に関しては、英文構造をある程度正確に分析できるようにするため、解説の詳しい問題集を進めていく必要がある。むろん、英文構造はそれほど複雑な英文は出てこないものの、立ち止まって丁寧に訳さなければ訳がつかみにくいという部分が必ずあり、そしてその部分こそが英語力の有無を試すことが出来ることから、設問に絡みやすいのだ。
したがって、どのような英文でもやろうと思えば英文解釈することが出来る力を身につけなくてはならない。文法事項の一通りの学習を早急に終わらせ、英文法を英文を読むためのツールとして捉え直す必要がある。
次に速読に関してだが、やはり前から句・節ごとに訳し下していく練習が必要になる。きれいな日本語を作ろうとすると、いったん英文の後ろまで目を通して後ろから訳を作ることになり、結果的に一文を二度読むことになってしまい時間がかかりすぎてしまうからだ。
普段の勉強から音読学習を取り入れるのが効果的だ。声に出して読むことで前から読み下す力を身に付けることが出来る。
また、かなりのスピードで読み下していくことになるため、途中で話の流れを見失わないように、各パラグラフを読み終えるたび、そこではどのようなことが述べられていたのかをしっかり確認する習慣を身に付けよう。漫然と目を通していると目が上滑りしてしまうので注意が必要だ。そうすることで、次の段落の内容が頭に入って来やすくなるのだ。
さらに、当校に特徴的な文整序や脱文挿入などを含んだ類似過去問・問題集を必ずやるようにしよう。
過去問の限られた年数分だけでは問題に完全に慣れることが出来ない。同じ学力でも設問形式に慣れているのとそうでないのでは、結果として出てくる点数が全く異なるということを分かっておこう。
自由英作文
自由英作文最大のポイントは「間違った英語を書かない」ということだ。
当たり前のことのように思えるかもしれないが、慣れていないと自分の書きたいことを無理やり英語化して、英語としては不自然な文を書いてしまい大幅に減点されてしまうことになる。
あくまでも書きたいことではなく、書けることを書くように意識しよう。
もっとも、普段から英文を書き慣れていないと、ほんの数分の限られた時間の中で40語以上を書くのは不可能だ。基本英文については普段から実際に手を動かして書く練習を学習に取り入れていこう。書く英文に関しては、あるテーマについて自分の意見を述べるタイプのものと、ある事柄について説明するタイプのものの両方を扱っておこう。本校ではどちらの出題もある。
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2020年度「東工大附属科学技術高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
空所補充問題1題・語句整序問題1題・長文読解問題3題・自由英作文1題の出題。読解問題については、注訳がかなり多めに用意されているため、要求される単語レベルはそれほどではないが、英文量がかなり多いため、時間内に処理するには高度な読解力が必要だ。語句整序や脱文挿入、文整序など効率的な解き方の手順を確立しておかないと時間がかかりすぎてしまう設問もある。時間をかけるべき問題と、即座に答えていく問題の選択眼を養うことも重要だ。
【大問1】適語補充問題
- 時間配分:2分
短い英文が3つ与えられ、それぞれの空所に適切な語を記述するというもの。話の流れから書くべき単語は明確であり、かつ書くべき単語も基本的なもののみであるため、時間をかけず完答を目指したい。
【大問2】語句整序問題
- 時間配分:3分
去年からの出題形式を引き継ぎ、今年も一語不要という形の語句整序問題として出題された。語数は補う語を含めても4~5語であるためそれほど難しいものではなく、一問あたりで問われる文法・語法は実質一つのみであるため時間をかけずに終えたい。
【大問3】長文読解問題
- 時間配分:15分
物語の読み取り。去年と同様、内容一致問題だけの出題となった。内容一致は英文で書かれた14の選択肢の中から本文と一致するものを5つ選ぶというもの。全体としての英文は長くなるため時間配分に気を付けたい。本文の流れと選択肢の順番が同じであるため、数パラグラフごとに選択肢を検討することができると、記憶の鮮明なうちに肢を検討することができるため効率が良い。
【大問4】長文読解問題
- 時間配分:10分
説明文の読み取り。去年は出題されなかったパラグラフ内の文整序が再び出題され、やや処理に時間がかかる問題に戻った。代名詞や接続詞を積極的に利用する方法をすることで効率的に解くことができる。英文自体も読みやすく、長さもないため本文と照らし合わせながら解きやすい問題である。問3の適文挿入は本文を読む前に目を通しておくことで処理の効率が上がる。
【大問5】長文読解問題
- 時間配分:15分
説明文の読み取り。去年は8か所の適文挿入を大問一つの文章群の中から選択し変えればならなかったため、やりづらさを感じる問題であったが、今年は9か所の適文挿入を大問3つに分け、各問、英文3つずつの割り振りになったためかなり解きやすくなった。もっとも、手順を確立しておくことは有効であるため、文章群・語群からの選択問題では入りやすいところから確定し、少しでも不安なところがあれば留保して先に進めるようにするのがよいだろう。空所補充は前後の流れを照らし合わせれば容易に取れる。
問4の内容一致は広い範囲から正誤の根拠を見つけなくてはならないため、一番時間を書けるべき問題だ。もっとも、出来るだけ無駄な二度読みを排するために、一読目の際に本文に事後的な検索を容易にするための手がかりを残しておくことで効率的に処理することが出来る。選択肢の順番と英文の内容の流れがほぼ一致しているので、1パラグラフ読むごとに正誤を少しずつ確定しておくほうが効率は良いだろう。内容に関する記憶が鮮明なうちに設問に取り掛かれるようにするのが読解問題の解き方のコツだ。
【大問6】自由英作文
- 時間配分:5分
自由英作文は、今年も大問として出題されることとなった。指示された状況・条件を踏まえ、40語以上の英語で表現させる点も同様である。ある程度書き慣れていないと時間内に内容の一貫した40語以上の英文を書くことは出来ないため、早い段階からトレーニングをしておこう。
攻略のポイント
短い時間で長文を読み切らなければ、思考力の問われる設問に取り組むだけの余裕がなくなる。そこで、まずは速読力の向上が大きな攻略のポイントとなる。英文を前から句・節ごとに訳し下す読み方を身に付ける必要がある。さらに、各文の内容のつながり、パラグラフ間の内容のつながりを意識した読解力の向上を目指さなくてはならない。
また、脱文挿入問題など、特徴的な問題に強くなることも重要だ。当校類似の設問形式を含んだ他の学校の過去問を演習に取り入れると良いだろう。
自由英作文についても書き慣れていないとかなり時間がかかってしまう。まずは基本的な英文を、実際に手を動かして書く学習を取り入れよう。