城北埼玉高等学校 入試対策
2020年度「城北埼玉高等学校の数学」
攻略のための学習方法
併願入試で城北埼玉高校を受ける受験生は、その後早稲田慶應やMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)などの難関私立を受験する生徒も多いことだろう。そうした学校を目指す生徒たちが学んだ知識を使えば、十分に対応できる問題だと思われる。
問題のレベルは基本中心、というわけではないが、難関高校受験の数学において必要とされる知識や技術がしっかり詰め込まれた典型問題が多いので、しっかり内容を確認することで自分の解法の技術がどれだけ定着しているかを確認するいい機会にもなる。
対策としては難関私立に向けた日頃の勉強を進めることによって、カバーすることも十分可能と思われるので、問題集でよく扱われている「典型問題」を多く演習し、今までの内容の復習と並行して解法の基本パターンを身につけておくことで、対応できる幅がかなり広がる。難関高校向けの塾のテキストや問題集をまんべんなく演習しながら、ほかの学校の入試対策と並行して進めていくと効率よく進められるだろう。
塾で取り扱いのある「新中学問題集」なら「発展編」を利用すると併願校も含めた入試対策として有用性が高いと思われる。
以下に城北埼玉を含めた難関高校に向けた数学のポイントをまとめておこう。
(1)苦手分野を作らない
方程式、関数、平面図形、空間図形と各単元がまんべんなく出題される。特に「関数と図形」を融合させた問題は近年よく出題されているので、そうした問題までしっかり対策しておきたい。中1や中2で学んだ三角形や四角形の性質、合同や相似、円の性質・定理、空間図形の切断や展開図など、幅広い図形の知識を要求されるので、覚えるだけでなく常に使えるように問題に触れておくこと。
「計算は得意だが図形は苦手で…」などの生徒の声をよく耳にするが、図形、計算とカテゴライズせず、「数学」として全体を通して学習することが何より大切なのである。
(2)図に落として考える
関数においても図形問題においても、情報を図に書き込んで、整理して考える習慣をつけておくこと。難易度が上がれば上がるほど、情報は図の奥深くに隠れているものだ。自分で図を使って作業をしながら考えることで答えを発見したり解法のメドを立てやすくなるというもの。失敗を恐れずにまず図に書き込んでみる、補助線を引いてみる、という習慣を大切にしてもらいたい。
(3)確実性を高めておくこと
難関な図形の問題も、簡単な計算問題も1問は1問。配点が極端に偏ることはないので、確実に得点できるところでいかに点数に結び付けられるか、だ。ミスで失点することはあまりにもったいないので、日頃からていねいに処理して確実に答えを出せるように練習を重ねてもらいたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2020年度「城北埼玉高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
極端な難問は少ないが問題量が多いので、基本をしっかり理解してできる問題から素早く正確に計算していくことが求められる。全体的に標準問題であるので、解法がすぐに思い浮かばない時は、違う問題に取り組んだほうが良いだろう。
【大問1】独立小問集合
- 時間配分:13分
(1)累乗を計算して文字を分子に持っていった後に乗法を除法にする。
(2)先に有理化すること。
(3)(a+a+3)×(-1/2)=6を利用すること。
(4)3枚の数字の積が奇数となるのは3枚とも奇数の1通りである。よって3枚の積が偶数になるのは19通り。
(5)∠EDB=90°より∠EBC=72°よって、∠DBE=36°
(6)①正四角推の高さを三平方の定理にて素早く求めること。②頂点Oから垂直に中央で切り取った平面で考えること。
(7)①14×整数となるように論証する。②中央の数をmとおいて、28mとなることを示す。
【大問2】独立小問集合
- 時間配分:7分
(1)<作図>点Dを通り線分ACに平行な直線を引き、直線BCとの交点をPとする。頂点A、D、Cともう一つの頂点で平行四辺形を作図すればよい。
(2)<二次方程式の応用>①一個の値段が1620+a円のとき、売れる個数は400-2a個となる。②①の二次方程式(1620+a)(400-2a)=561000を解く。
【大問3】二次関数と直線
- 時間配分:10分
(1)yの増加量/xの増加量=傾き
(2)<面積>底辺と高さをどこにするかがポイントになる。
(3)<直線の式>点Bを通り△OACの面積を2等分する直線とOAの交点をDとする。四角形BCODの面積=6であり、△OBCの面積=△BODの面積=3/2となる。よってOD:DA=1:2、A(2、6)よりD(2/3、2)である。B(-1、3/2)より2点を通る直線の式を求める。
【大問4】平面図形
- 時間配分:9分
(1)相似の証明が出題されたら”2角がそれぞれ等しい”から考えよう。
(2)AB=4であり、EA:EB=1:3となる。ED=XとするとEC=3X/5となる。よって1:X=3X/5:3よりED=√5となる。
(3)∠DOE=90°となるので、△DEBの面積=3。△AEC∽△DEBより面積比は1:5。よって△AEC=3/5㎠となる。
【大問5】平面図形-台形
- 時間配分:8分
(1)AE=Xとし、DE=BE=AB-AE=18-Xとなる。△AEDで三平方の定理を用いる。
(2)底面の半径が線分BF、高さが線分EFの円錐と、底面の半径が線分BF、高さが線分CFの円錐を合わせた立体である。△ABD∽△BCEより、ECの長さを求める。
攻略のポイント
全体的に典型問題が多いのでそれほど驚くことはないと思うが、処理が大変で時間がかかるものも出題されている。また、やや分量が多く感じるかもしれないが、時間配分に十分に気を付けて、テンポよく最後まで一気に解法できるようなスピードを磨いておきたい。
平面図形、空間図形の問題は、必ず図に描いて条件や条件から出てくる数字を使って線分や体積を計量できるようにしっかりと演習しておこう。標準問題集で繰り返し演習することで高得点が狙えるはずだ。論証問題、証明問題は独学では厳しいので家庭教師に解答をみてもらおう。