攻玉社中学校 入試対策
2020年度「攻玉社中学校の理科」
攻略のための学習方法
攻玉社中の理科の満点は50点(算数・国語は100点)、合格者平均は例年7割程度であるが、今年度は約8割となり、問題がやや易化している。知識だけで解ける問題が意外と多く、ここを確実に正答して高得点を狙いたい。
知識不足は大きなマイナス材料となる。ここ数年の問題レベルを見ても同様の傾向にあり、塾のテキストなどで学習する内容を理解してしっかり身につけていれば、概ね得点できるレベルのものが中心となっている。特定の分野のみを学習するのではなく、どの分野から出題されても大丈夫なように、すべての分野の基本をしっかり固めて欲しい。
夏休みが終わる頃までには各単元の基本知識を固め、秋からの模試・総合的な演習・過去問演習に備えられればベストであろう。テストや模試でできなかった問題については、基本に立ち返ってしっかり復習して欲しい。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年度は昆虫を中心とした出題であった。ここ数年を見ると、動物の誕生と成長、人のからだの働き、植物に関する出題が見られる。
この分野の学習法としては、基本知識をしっかり身につける、ということが第一である。「ヒトのからだの働き」「動物の分類」「昆虫」「光合成、呼吸、蒸散といった植物のはたらき」は出題される可能性が高い。決して難問は出題されないが、細かい知識を問う問題もあるので、とにかく知識を固めることに重点をおいて欲しい。また、実験や観察を通して考える問題の練習も行って頂きたい。
地学分野
本年度は地震、津波、その他自然に関する知識問題が出題された。
近年の出題傾向を見ると、天体に関する出題が多く、気象・岩石等に関する出題も見られる。
この分野の学習法についても、基本知識をしっかり固めることが第一である。天体、岩石や地層、気象、どの単元からも出題される可能性があるので、山をかけて学習するよりは、すべての単元の基本を固めるということに重点をおいて欲しい。台風、フェーン現象、火山噴火、地震、日食や月食など細かい知識もしっかり学習して頂きたい。
物理分野
本年は電流と磁界に関する出題であった。
過去の出題傾向を見ると、力のつりあい(てこのつりあいなど)と電気に関する出題が多く見られる。
この分野の学習方法としては、てこ、滑車・輪軸、ばねののび、浮力に関する基本的な計算ができるように練習を行って欲しい。電気、光、音などの単元についても出題される可能性があるので手を抜くことなく学習して欲しい。決して対応できないような難問は出題されないので、基本をしっかり身につけるとともに、練習を積み重ねて欲しい。
化学分野
本年度は水の三態変化およびものの溶け方に関する問題であった。
ここ数年ではものの溶け方、中和の計算、二酸化炭素の発生等について出題されているが、難問ではなく、テキスト等で学習していれば十分に正答できるレベルの問題であった。
この分野の学習方法としては、まずは気体の性質・水溶液の性質・指示薬の色の変化等の知識を覚えること、そして、中和・金属と水溶液の反応・溶解度・燃焼等に関する計算問題の練習をしっかり行うことがあげられる。
また、実験器具の使い方についても確認を行って欲しい。
攻玉社中の入試で合格点を取れる力を身につけるためには、とにかく基本知識を確実に固めて欲しい。直前期には過去問など時間配分を意識した演習をしっかり行うことも大切である。
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2020年度「攻玉社中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は40題程度で50点満点。試験時間は40分で例年通りであった。記号選択問題・適語記入問題・計算問題が中心で、記述問題も見られた。試験時間の40分をいかに使うかがポイントになる。
出来る問題から解答欄を確実に埋めていくことが大切で、過去問等時間の使い方を意識した演習をしっかり行って欲しい。
【大問1】生物 昆虫・節足動物
- 難度:標準
- 時間配分:8分
(1)昆虫の特徴についての基本知識問題。
(2)昆虫の冬越しについて。ナナホシテントウは成虫の姿で冬越しする。
(3)セミの仲間、トンボの仲間は不完全変態をする昆虫である。
(4)(5)クモの仲間は足の数が8本であり、昆虫ではない。
(6)ダンゴムシやミジンコは節足動物・甲殻類である。
(7)土の中の生物の性質についての問い。光が当たって土が乾燥すると、乾燥していない方向に移動する性質がある。
(8)「ボロボロの落ち葉が混ざっている」などの表現から、雑木林と考えられる。
(9)顕微鏡の使い方に関する問い。
(10)土の固まりと固まりの間のすき間に水や空気を含むことができる。
昆虫を中心とした節足動物に関する知識問題。
顕微鏡の使い方も含めて、知識がしっかり定着しているかどうかが試される出題内容となっている。
【大問2】地学 地学の知識・地震と津波
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)地動説を唱えたのはガリレオ・ガリレイ。
(2)海の水の満ち干きは月の引力が原因。
(3)気圧の変化が原因で起こる現象を選択すればよい。
(4)化石燃料の燃焼により、地球温暖化の原因となる二酸化炭素が発生する。
(5)20万年で100回の地震、平均すると2000年に1回起きたことになる。
(6)海底が盛り上がることを「隆起」という。
(7)リアス式海岸では、津波が高くなりやすい。
(8)地震波の速度を計算する問題。単位の変換に注意すること。
(9)海底火山の噴火により津波が起こる可能性もある。
前半は天体・気象などの地学に関する知識小問。後半は地震と津波に関する出題。
計算問題も含まれるが、知識で解答できるものが中心。
ここでの間違いが多かった時は、地震・津波・火山などについて、テキスト等を使ってしっかり復習すること。また、地球温暖化など様々な自然現象に日頃から興味を持って欲しい。
【大問3】化学 水の三態変化・ものの溶け方
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
(1) 氷の密度が0.9g/㎤なので、氷100gの体積は、100÷0.9 より小数第1位を四捨五入して、111㎤
(2)(3)グラフの各点における状態に関する問い。
(4)水が「沸騰」している間、温度は100℃で一定である。
(5)1gの氷が水蒸気になると、0.9÷0.0007 より、小数第1位を四捨五入して、体積は1286倍になる。
(6)記述問題。コップのまわりの空気が冷やされ露点に達するために、水蒸気が水になり、コップの表面につく。
(7)物質Aは50℃の水100gに85g溶けて185gの飽和水溶液になる。飽和水溶液が150gあるので、150×85÷185 より、四捨五入して69gの物質Aが溶けている。水の重さが150gなのではないことに注意。
(8)水の重さは81gなので、81g30℃の水に溶ける物質Aの重さを求め、69から引けばよい。
(9)水を20g蒸発させたことにより、水の重さは61gになる。61g10℃の水にとける物質Aの重さを求め、69から引けばよい。
(10)80g10℃の水に溶ける重さを計算すると、物質Aは20gより小さくなり結晶が出てくるが、物質Bは20gより大きいので、結晶は出てこない。
前半は水の三態変化に関する出題で、記述問題も含めていずれも易問。後半はものの溶け方に関する出題で計算問題が中心。
日頃の演習の成果が発揮できる内容で、今回の入試では一番得点差が出やすいと思われる。計算がやや複雑なので、四捨五入を含めて慌てずに処理して欲しい。
【大問4】物理 電流と磁界
- 難度:標準
- 時間配分:10分
(1)金属は電気を通す。木材は通さない。
(2)鉄は磁石につく。
(3)コイルに鉄心を入れて電流を流すと磁石として働く。これを電磁石という。
(4)電流計とリニアモーターカーは電磁石の働きを利用している。
(5)右手を使って確認する。親指以外の4本の指を、電流の流れる方向に向けて手のひらを方位磁針の側にした時に、親指の向いた方向にN極が振れる。
(6)電流計のつなぎ方に関する問い。
(7)(8)電磁石の強さを増すには、コイルの巻き数を多くする、電流を大きくする(電池を直列に増やす)。
(9)(10)コイルで作ったモーターの仕組みに関する問い。
方位磁針の振れ・電磁石など電流と磁界に関する問い。標準的な問いが並び、難問は見られない。
攻略のポイント
ここ何年かの出題分野を見ると、生物・地学・物理・化学の4分野からまんべんなく出題されている。今年度の化学分野のように、1分野2単元以上の出題も見られるので、幅広い単元に対応できる学力が求められている。特定の単元に的を絞るのではなく、苦手単元を作ることのないように、すべての単元をしっかり学習して欲しい。
多くが基本を身につけていれば十分対応できる問題で、知識のみで解答できる問題も多く含まれている。まずは、各単元の基本知識をしっかり固めることを目標にして頂きたい。また、化学分野および力学の計算問題については、練習量をしっかり確保して欲しい。
また、多少難しそうに見える問題でも、問題文をよく読めば十分に解答可能な問題が多いので、しっかり問題に向き合うことが攻略の大きなポイントになるであろう。
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