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東邦大学付属東邦中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「東邦大学付属東邦中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

論説文・小説の読解問題2題と、漢字・言葉の知識が数問という形式が定着している。

素材文の長さは各2500~3500字の2問で計5000~7000字ほど。平均的な文量と言えるが、時間は45分と少し短いので注意。

選択肢問題がほとんどで、短い記述問題が出される年度もある。

県下でも有数の高偏差値の学校であるが、国語の試験は非常にシンプルな構成になっている。

 

長文読解

論説文と小説の2問。同程度の難易度の学校では10000字を超える長文も多く見られる中、5000~7000字は文量としては少なめである。設問でも、長大な記述問題や答えを探すのに手間取りそうな書き抜き問題はほとんど出されない。

最新年度では書き抜きと適語記入の2問以外はすべて記号選択問題であった。選択肢は四択で文は少し長いのでここで多少時間を取られるが、内容は無理に迷わせるような意地悪なものではない。全体的にクセのないシンプルな試験である。

45分と少し時間は短いが、本校を志望するレベルの生徒であれば時間・難易度ともにさほどの困難は感じないであろう。

特別な対策は要らないので、長文読解の基本に沿って学習を進めればよい。

 

・論説文

段落の整理。形式段落→意味段落へとまとめ、各意味段落の内容を小見出しのようにつけてしまうとよい。

各段落の要点。段落の最初と最後に特に注意しながら、要点と思われる1文に傍線を引くなどしてマークしておく。細部でも、言い換えた部分などは手がかりになる場合も多いので、チェックしておく。

要旨の読み取り。どのような問題でも訊かれることが多いので、要旨の中でも特に重要な部分を目立つようにしておく。

 

・小説 

場面分け。時間・場所・人物の移動などに注目し、場面の変わり目をチェックしておく。だれのどんな場面なのか、他の場面との関連なども考えておく。登場人物の性格を把握し、言動や情景から心理を読み取る。気持ちに変化があった場面は問題にされやすいので、特に注意しておく。全体を見渡して、何が中心テーマとして描かれていたのかを考える。

漢字・その他

漢字はここ数年、同音異字の選択肢問題という形で3問程度出題されている。語句の意味も数問、出されている。標準的な難易度である。 

 

まとめ

選択肢問題が多いので、類似問題で慣れておくことは重要である。しかし、本校の高い偏差値からすると難易度は控えめであり、全体としても取り組みやすい試験になっている。

それだけに、合格者平均点は7~8割と高いことが予想され、高得点での争いになると思われる。確かな実力と、ミスのない答案作成が求められる。

 

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2020年度「東邦大学付属東邦中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

長文2問で計5900字ほどと、例年と同程度の文量であった。

時間のかかる記述問題が無い点でも、手間が少ない。ただし、選択肢の文は長めであり、45分の試験時間も、50分の学校が多い中、短く感じるだろう。

問題の難易度もさほど高くはないので、他の学校の過去問でスピードに慣れておけば、あまり苦労は感じないであろう。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:21分

機械技術の進歩によって道具やそれを扱う手技・感覚が失われていく現状を説明している。

 

問1. 参入 ――(参列)・(持参)

 

問2.  「正確さ」では負けるが、「木を愛する力」「木の生きた性質を読み分ける」という大工の力の大切さを高橋さんはわかっているはずなので、イが選べる。

 

問3. 「木は生きている」ので、「木の生きた性質を細かく読み分ける」必要がある。

 

問4. 「こういう世界」とは前段落までに延べられている「木を愛する力」を持ち「木の性質を読み分ける」ことのできる大工たちがいることを指していると考えられるから、ロが合っている。

 

問5. 「手の感覚」が「消滅」してしまうというのだから、「感覚が鈍くなる=鈍感」がよい。

 

問6. で迷うかもしれないが、では「道具を復元すれば自動的に手技も取り戻せ

る」ように読めてしまう。道具を「使い切る手技」が復活できるかどうかの難しさも含めて、ニが良い。

 

問7. 前段落までで書かれている「感覚」や「手技」も失われるということだろうから、

が良い。

 

問8. 手技が求められる場面は圧倒的に少ないという現在の状況が直前で述べられてい

るので、その意味での「劣勢」と読める。

 

問9. 手技が必要とされることが少ないと痛感しつつ、手技の性質を深く知り直すというのだから、「かえって手技の価値が自覚され」とあるハが合っている。

 

問10. 傍線(4)の前の段落に書かれている内容が、選択肢と合う。

【大問二】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:24分
  • ★必答問題

才能豊かで自由奔放な朱里にあこがれていた主人公だったが、人の気持ちを試すような朱里の行動に違和感を覚える。

 

問1. 「一目置く」は相手が優れていることを認める、の意。

 

問2. あえて全てを説明せずに相手の注意を引こうとしている様子が朱里の表情からも見て取れる。

 

問3. 例えの表現から、「学校をさぼる」という誘いが魅力的に感じられていることがわかる。「やってみたいと思っても」という事実は確認できないのでは選ばない。

 

問4. 自分が楽しいと思うことを自分の自由に行うという朱里の気質なので、周囲から求められるという制約・不自由さが嫌なのであろう。

 

問6. 「朱里の行動にあこがれる」こととそれを「朱里のように実行・実践」することには、まじめな主人公にとっては隔たりがあるのである。

 

問7. 「学校へ行くことで何かを失う気がした」が大きなヒントになる。「学校をさぼりたいわけではない」とも書かれている。

 

問8. Ⅱ. 朱里の誘いを振り切って、裏切るような気持ちになっているので「こびる」ような笑みを浮かべたのだと思われる。

 

問9. イ. その性格・行動から考えて、朱里がそもそも人の気持ちを慮(おもんばか)れる人間でないのは主人公も気づいていたであろうから、合わない。

    ロ. 「急にあまえるような言葉をかけてきて」は合わない。

    ニ. 「距離を取ろうとしている意図」は感じられない。

 

問10. 「知らない世界に連れ去られていく手応え」がの「心の不安」と合う。

攻略のポイント

高い偏差値のわりに、問題構成もシンプルで難易度も控えめである。ただし、年度によって難しさに多少のばらつきはあるので、過去問に多く当たり、年度による違いに慣れておきたい。

また、選択肢問題が多い傾向は今後も続くと予想されるので、類似問題で経験を積んでおくこと。漢字の選択肢形式の問題や45分という時間にも慣れが必要である。

当然、高得点での勝負となり不用意なミスは致命傷になりかねないので、最後まで集中を切らさない持久力をつけておきたい。

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