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慶應義塾女子高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「慶應義塾女子高等学校の英語」
攻略のための学習方法

慶應女子の英語で、合格点を取るためには、志望者は、最低でも英検の準2級の水準の語彙力と文法力を身につけておきたい。そのうえで、志望者の学力水準を考えれば、差がつくのは3点になる。

1点めは、「リスニングの技術」だ。リスニングについては、朗読が速く、解答に記述が加わったため、より実践的な訓練を積んでおく必要がある。ただ英文を聴きとることではなく、英文を聞きながら、解答のための作業を同時に行なえるようになりたい。

2点めは、「速読力」だ。英文を読む時に、頭の中で逐一、日本語に翻訳していては間に合わない。文や熟語を、固まりでまとめて読めるようになりたい。そのためには、英語の長文を繰りかえし読む訓練が必要だ。
さらに、さまざまな英文に触れておこう。説明文、物語文、会話文などは、同じ英語で書かれていても、それぞれに英語独特のクセを持っているので、読み慣れをしておきたい。特に、【大問3】の(設問4)や、【大問4】の(設問1)のような、日常の慣用表現にはひととおり精通しておきたい。

3点めは、「記述力」だ。慶應女子の英語は、志望者に積極的に英文を書かせようとする。
英文をそのまま和訳するものから、空欄に入る英文を和訳して解答させるものもある。こういった傾向が頂点に達したものが、【大問5】のいわゆる「自由英作文」と呼ばれる設問だ。
和訳する英文が一文である場合(ピリオドからピリオドまで)なら、中学生の標準的なカリキュラムに含まれているので、志望者は経験を積むことができる。しかし、それだけでは足りない。特別な対策が必要になる。志望者は「自分の言葉で表現」できるようになりたい。
「自分の言葉で表現」するためには、日頃からささいな日本語を英訳する習慣を身につけておきたい。
例えば、「(ご飯などの)おかわり」という言いまわしが、すぐにひらめくだろうか。志望者に有効な考えは、「知っている英文に手を加えて」、英文を完成させる技術だ。出題されそうな英文を全て暗記しようとしても途方に暮れるはずだ。「おかわり」を英訳して「refill」という英単語に置き換えるのではなく、中学の範囲の英文法を駆使して、「can I have another plate/bowl of rice?」と書けるようになりたい。端的に言って、ここでは「知識の量」ではなく「知識を組みあわせる力」が問われている。これを「思考力」という言葉で呼んでいる。漠然と、「どうやって英訳しよう」と悩むのをやめ、「どの構文を用いよう」と実践的に頭を悩ませよう。

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2014年度「慶應義塾女子高等学校の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は60分だが、【大問1】からリスニングが始まる。【大問2】から【大問4】までの長文に、細かな設問が組み込まれており、最後の【大問5】は例年、「英作文」となっている。長文の文章量を考えれば「速読力」は必須だ。受験者は「英作文」にかかる時間を確認しておこう。

解答の順番については、特に意識する必要はないが、それぞれの大問にどれくらいの時間がかかるのか、受験者は知っておきたい。設問のうちには、解答するために作業量が多めの設問があり、余裕のある試験構成ではない。

【大問1】リスニング

  • 時間配分:

リスニングで、特徴的な形式なので慣れておきたい。英文を聴いて、「択一」を選び部分と、「記述」を埋める部分に分かれている。目安は、放送文の長さに準じる。

【大問2】長文読解(説明文)

  • 時間配分:15分

長文読解で、科学を題材にした説明文だ。読解には理科の基礎知識が求められる。
(設問1)適語補充の設問だ。(イ)の解答は、(ア)と対比されることを見抜きたい。
(設問2)整序作文の設問だ。まずは動詞から考えよう。
(設問5)不定詞の構文を、動名詞で書きかえよう。
(設問7)英作文の設問で、最低でも10語は用いたい。

【大問3】長文読解(随筆文)

  • 時間配分:15分

長文読解で、コミュニケーションを題材にした随筆文だ。
(設問4)適文補充の設問だ。英語の慣用表現に慣れておきたい。
(設問6)指示された部分を英文和訳させる設問だ
(設問7)英文和訳の設問で、文の区切れを意識したい。
(設問8)英作文の設問で、内容を含めて自分の言葉でうまく説明することが求められる。最低でも10語は用いたい。

【大問4】長文読解(会話文)

  • 時間配分:8分

長文読解で、教育を題材にした会話文だ。
(設問1)適文補充の設問だ。英語の慣用表現に慣れておきたい。ひととおり問題文に目を通してから選んだ方が、混乱を防げるだろう。
(設問2)抜き出しの設問だ。問題文を読みながら、目ぼしいものには印をつけ、候補を絞りこんでおこう。
(設問4)文章読解の設問だ。選択肢に確認したら、問題文を精読していこう。

【大問5】英作文

  • 時間配分:10分

英作文で、特徴的な形式だ。受験者が、自分の言葉で文章を構成する本格的なものだ。単文を繰りかえすのではなく、接続詞を用いた文章の論理的な構成に慣れておきたい。今年は50語前後で、目安は10分だ。

攻略ポイント

慶應女子の英語は、志望者が、本格的な英語力を培える習慣を身につけられているかが勝負になる。修得するために長い時間がかかる能力である「リスニング力」と「思考力」と「作文力」の三つの点で、はっきりと得点に差が開くはずだ。型通りの英単語の暗記や、文法の演習だけでは補いきれない「頭の良さ」が正面から問われている。志望者は、あらかじめ過去問を解いてみて、自身の適正を考えたうえで、挑戦を決めたほうがよいだろう。

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