白百合学園中学校 入試対策
2019年度「白百合学園中学校の理科」
攻略のための学習方法
白百合学園中の満点は75点、合格者平均点は例年6割~7割である。標準的なレベルの問題が多いが、試験時間の30分に対して問題数が多いことが特徴である。また、過去には時事的な内容を含む出題が見られ、昨年度と今年度は地理的内容を含む出題も見られた。問題の形式としては、問題文・図・絵等を読み取った上で答える問題が中心であり、計算問題や簡単な記述問題も含まれる。本校攻略のためには、基本を早期に固め、過去問等時間を意識した問題演習に時間をかけたい。できる問題から回答欄を埋めていくといったテストテクニックも必要になるだろう。知識だけで答えられる問題は迷わずに解答できることが大きなポイントになるので、まずは何といっても基本をしっかり身につけることが最大の攻略法になる。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年度は動物の分類に関する出題であった。過去の出題では、プランクトンと顕微鏡の使い方、植物のつくりと働き、人のからだの働きなどに関する出題などが見られる。この分野の学習法としては、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物の分類など基本知識を確実に覚えることが第一である。また、光合成を確認するための実験方法、顕微鏡の使い方など実験・観察の進め方についても、覚えて頂きたい
地学分野
本年度は月の満ち欠けと月食に関する出題で、南半球で観測する月に関しても出題されている。また昨年は南極と北極について、および地球の動きに関する出題であった。日本だけでなく、地球上各地で見た天体の動きは今後も出題される可能性があり、準備をしておきたい。過去にはそれ以外に、火山や地震、飽和水蒸気量と湿度に関する出題などが見られた。また、時事的な内容を含む出題が見られる年度もあるので、注意が必要である。今後は、台風・大雨・フェーン現象など気象に関する出題や、星の動きや月の満ち欠けなど天体に関する出題も十分あり得るので、基本をしっかり固めて頂きたい。また、天体の動きについては、地球上各地で観察するとどう見えるかなどについても理解を深めておいて欲しい。
物理分野
本年は光の性質と音の速さに関する出題であった。近年を見ても光に関する出題が見られ、磁石について等の出題も見られる。今後は豆電球の明るさや電熱線の発熱など電気回路に関する問題や、ばね・てこ・滑車など力学に関する出題も考えられる。基本知識を身につけた上で、計算問題の練習もしっかり行って頂きたい。
化学分野
今年度は物体の状態変化およびものの溶け方に関する出題であった。物の溶け方に関しては計算問題が中心であった。近年では、水溶液の性質、中和、溶解度と濃さ、気体の発生に関する問題などが見られる。今後も、化学変化・溶解度・燃焼などに関する出題が予想される。この分野に関しても、基本的な知識事項を覚えることはもちろんのこと、計算を含む問題演習を数多く行うことが大切である。
模試や過去問はまだ仕上がって単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。失点の多かった単元については、知識の抜けが原因なのか、計算ミスが原因かなどしっかり分析を行い、同じ間違いを繰り返さないようにしっかり対処する必要がある。そのあたりの分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。白百合学園の理科は基本をしっかり固めることができれば対応可能であるので、あせることなくしっかり対策を行って欲しい。
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2019年度「白百合学園中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は6題、小問数は40題程度で75点満点。試験時間は30分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題が中心で、計算問題、簡単な記述問題、グラフを描く問題も含まれている。問題数に対して試験時間が30分と短いので、かなり素早い処理と、どの問題から手を付けるかといった判断力が求められる。過去問等での時間配分を意識した演習が不可欠である。極端な難問はないが、基本を確実に身につけておくことが必要である。
【大問1】生物分野 動物の分類
- 難度:標準
- 時間配分:5分
問1 背骨を持っていない動物を無セキツイ動物という。
バッタ・セミ・トンボは不完全変態の昆虫である。
問2 人・イルカ・ライオン・シマウマ・コウモリはほ乳類。
人の胎児は子宮内の胎盤につながるへその緒を通して、親から酸素や栄養を受け取る。
問3 記述問題。卵・子の世話をする鳥類のカラスに比べ、他の動物に食べられてしまう可能性の高い魚類のイワシは多くの卵を産む。
問4 鳥類は2心房2心室、は虫類は不完全な2心房2心室、両生類は2心房1心室、魚類は1心房1心室。
問5 卵生の恒温動物にあたるのは鳥類。
問6 ヤモリはは虫類なので、一生肺で呼吸をする。
動物の分類に関する知識問題。知っているであろう動物ばかりなので、知識がしっかりしていれば十分に正答可能な問題が並んでいる。
【大問2】化学分野 物質の状態変化
- 難度:標準
- 時間配分:5分
問1 グラフ作成問題。融点は0℃、沸点は100℃。
問2 氷が水に変化するためだけに熱が使われるため、この間には温度が変化しない。
問3 「吸湿発熱繊維」に関する記述問題。からだから出る水蒸気が水に変わる時に熱を放出することを利用している。
問4 一般的には、固体→液体→気体 と変化すると、体積は増える。
問5 状態変化が起こっても、重さは変化しない。
問6・問7 ドライアイスは二酸化炭素の固体。ドライアイスのように固体が直接気体に変化する状態変化を昇華と呼ぶ。
問8 記述問題。空気よりも重い二酸化炭素により、シャボン玉に大きな浮力が働く。
問3と問8の記述問題がやや難。現象を学んだことのある知識と結び付けて説明できるかどうかが問われる。知識問題については正答したい。
【大問3】化学分野 ものの溶け方
- 難度:標準
- 時間配分:6分
問1 ものを溶けるだけ溶かした水溶液を「飽和水溶液」という。
問2 12÷112×100 の結果を小数第2位で四捨五入する。12÷100でないことに注意。
問3・問4 表より、60℃の水100gに14.9gのホウ酸が溶ける。20℃での溶解度は4.9gなので、12-4.9 より7.1gの結晶が出てくる。
問5 80℃の水80gには、23.5×0.8 より18.8gのホウ酸が溶ける。従って、20-18.8 より1.2gのホウ酸が溶けずに出てくる。
ものの溶け方に関する計算を中心とした出題。いずれも標準的なものであり、濃さの計算や四捨五入の計算などを落ち着いて行って欲しい。
【大問4】地学分野 月の満ち欠け
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
問1 月は地球の衛星である。
問2・問3 月の位置と見え方、呼び方に関する問い。
問4 南半球での月の見え方に関する問い。上弦の月は月の西側が光って見える。東京では月の右側が西にあたるが、オーストラリアでは月の左側が西にあたる。
なお、満月の日は地球上どこで見ても満月、新月の日も同様にどこでも新月である。
月の満ち欠けに関する問題。問3までは易問。問4は月の満ち欠けの理屈を理解しているかどうかがポイント。
ここで得点できなかった場合は、何故満ち欠けが起こるかの理屈をしっかり理解して欲しい。また、南半球・赤道・北極・南極など地球各地で天体を観測した時にどう見えるのかについて学習しておきたい。
【大問5】地学分野 月食
- 難度:標準
- 時間配分:4分
問1・問2 図から、月が東の空から上ってきている様子であることがわかる。
問3 月の進行方向を考えると、月食では月の左側から欠けることがわかる。
問4 東京と同じ経度の南半球で月食を観測すると、その頃東から月が上ってきているので、北の空を向いて観測すると、右側から月が上ってきている状態と考えられる。
【大問4】に続いて月に関する出題。何故月食が起こるのかを理解しているかどうかがポイント。日食と違い、月食はその時間帯が夜であれば観測可能であることを理解しておきたい。
【大問6】物理分野 光と音
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 虫めがねとルーペの違いに関する問い。
問2・問3 問3は絵を描く問題。太陽光はレンズで屈折して焦点に集まる。焦点に光が集まるので、この部分が最も熱くなる。
問4 図を描く問題。ふくらみの大きいレンズの方が焦点距離が短い。
問5・問6 集まる光の量は、レンズの大きさによって決まる。
問7・問8 太陽光線とレンズの角度が90度に近いほど、光の集まったところの明るさは明るくなる。
問9 レンズで起こるのは光の「屈折」、鏡で起こるのは光の「反射」。
問10 音の速さ関する計算問題。 音が海底で反射して返ってくるまでに、465m×2の930m音が進むので、930÷1500 より0.62秒かかる。
問9までは光の性質に関して、問10は音の速さに関しての出題。難問は見られないが、小問数が多く、合否を分ける大問の1つになったであろう。ここで得点が伸びなかった場合は、光の性質(反射、屈折など)をしっかり復習して頂きたい。また、音に関する計算問題の練習にも時間をかけたい。
攻略のポイント
【大問1】から【大問6】まで際立った難問はなく、標準レベル程度の設問が並んでいる。小問の数が約40題と非常に多く、かなりの解答スピードが要求される。このような傾向が続いており、今後も同レベル・同程度の問題量の出題が予想される。本校の攻略のポイントとしては、苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を身につけることと、過去問等時間を意識した問題演習をしっかり行うことがあげられる。問題の形式は、問題文や図・表などが与えられ、それについて解き進めていくものが中心である。
今年の月に関する出題では、南半球で観測する月に関しての出題が見られた。昨年は北極と南極の地理的な位置関係等の特徴が問われる出題が見られた。今後も同様の傾向が見られる可能性もあるので、地学分野の学習においては、日本だけに限らず、世界各地に目を向けた学習が必要である。
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