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開智中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「開智中学校の理科」
攻略のための学習方法

[理科知識]
まずは入試の基本として、確実な理解のもとの理科知識が重要である。
今年度は、食物連鎖・中和などのびっくりするような基本用語を聞く問題から、また、アンモニアの性質、地球から真夜中に観測できない惑星とつづき、知識としてはここが分かれ目になるかと思われる節足動物の分類が聞かれている。全て必答だ。
そして、単純な知識とは言い切れないのが、【大問4】の金星だ。当然丸暗記では対応できない。その動きについての「理解」が求められる。
天体の動きについては、まず最初に太陽と月と星、そしてその次に金星である。さらに言うと内惑星である火星になるのであるが、金星までは飽きるくらいやってほしい。問5を除けば典型問題である。いつかどこかでやった問題だ。単純に言うと、基礎知識と金星の動きと実験の読み取りができれば今回は合格したと言えるかもしれない。
ところで、知識の丸暗記ではなく「理解」であるが、これはつまり、説明できるかどうかということである。
なぜその答えになるかという説明。これができて初めて入試に耐えうる知識といえる。今回の金星は典型的なものであろう。
家庭では、あやしい知識については一問一答の問題集などで、答えから、逆にその言葉を説明させるようにしてほしい。また、なぜその答えになるのかも説明させてほしい。自信を持って説明できなければ、それは入試では使えない丸暗記をしているということになる。
 
[実験観察問題]
 これは時間との勝負だ。【大問2】のミジンコの実験はいいとしても、【大問1】の熱と【大問3】の中和反応は時間がかかってしまうであろう。
問題文が理解でき、文章的に読み取れれば出来るという問題は、上記の分類では「必答」にした。「必答」の問題は、男子の合格者平均点を基準にした。必答が全てできれば、男子合格者平均点に届く計算である。したがって、他の難易度を勘案すると、国語的に普通の読み取りは出来てほしいのである。
実験観察問題が薄めになる受験カリキュラムの場合は、過去問を中心に読み取りになれておかないといけない。とはいっても他の学校の過去問にまで手を広げる必要はない。まずはこの開智の過去問を使うのが一番効率的だ。時間がなければ、実験観察の大問だけを拾ってやってもいいだろう。
 
[まとめ]
 まずは、一問一答的な問題集を使い、今までの理科知識を定着させること。
理科は意外かも知れないが、上位校であってもここで差がつく。なかなか理科の基本知識というものは頭に定着していないのが大多数の受験生だ。ここは強調したい。
そして、上記のように丸暗記にならないように注意したい。しっかりと理解しながら進めているかどうかを確認してほしい。暗記モノだからといって一人でやらせるのは小学生にはリスクを伴う。
次には過去問を中心に実験観察問題の読み取りだ。ある程度数をこなして慣れておいてほしい。

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2014年度「開智中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

実験・観察の読み取りと計算で、時間が不足する。
当然、実験観察の読み取り問題には慣れておく必要はあるのだが、合格者平均点を考えると、いかに時間のかかる問題をとばせるかが合否に大きくかかわっている。
基本的に時間のかかる問題は、合格ラインを超える上では不必要だ。いつも受けている模試以上に割り切ってしまわないといけない。
また、必ず実験・観察以外から取り掛かってほしい。つまり、今年度は【大問4】から始めた方が良いということである。見たことのある金星の図だ。一目でやさしいとわかる。他と比べると時間は短縮できるうえ、問5を除けばやさしい。
最後に【大問4】で時間がなくなる、というパターンだけは避けたい。

【大問1】物理分野(熱)

  • 時間配分: 10分

実験・観察の問題。データの読み取りはなく、文章を読み取り、実験を理解できるかどうかが問われる。
理科の選択肢の問題は「なんとなく」で正解してしまうことが多いもの。そこで、選択肢の理由まで答えさせるという形になっている。

問1 特に難しさはないであろう。必答。
問2 選択肢・理由ともに実験の解説文が普通に理解できれば問題はなし。必答。
問3 きちんと表面積と体積の計算ができれば大丈夫。算数的には典型問題。しかし、間違えても難易度的に合格者平均は届くであろうと思われ、ミスも考え、必答からは外す。ただ、算数的には必答であろう。
問4 これも算数でいつか見た問題であろう。「箱型」のように組めば、表面積が小さくなるというものだ。必答。
問5 これもまた算数の「相似比が10倍になれば、体積比はその三乗で1000倍になる」で、算数では典型問題。ただ、問3で体積を間違えているとこちらも間違えてしまう。ミスも考え、必答からは外す。
問6 記号は必答。しかし、理由のほうは、計算がこれも問4が間違えていると連鎖的に間違えてしまうもの。必答と言いたいところであるが、難易度的に間違えても合格には到達するので、必答からは外す。
問7 ここまでの実験の理解で、立体の相似形になっているAとBは、大きいBよりもAのほうが凍りやすい。またBとCは、同じ体積だが、表面積の大きいCのほうがBよりも凍りやすい。ここまではわかる。つまりBが一番凍りにくい。だが、AとCは水の量と表面積を計算しないと、説明はできない。時間的には計算していると厳しい。よく考えると少し難しい。とばすほうが賢明。

【大問2】生物分野(実験・観察)

  • 時間配分:5分

 実験・観察問題ではあるが、さほど難しいものではないであろう。
問1 基本。必答。
問2 ミジンコが節足動物であることは知っておいてほしい。必答。理科知識でいうとこれができるかどうかは合否の境目になると思う。
問3 読みとってほしい。必答。
問4 特に何か難しい目的があるわけではない。必答。
問5 さほど難しいことを聞いているわけでなないが、わかる生徒とわからない生徒とにわかれてしまうかもしれない。難易度的にはできなくとも合格者平均に届くので必答とはしない。

【大問3】化学分野(中和反応)

  • 時間配分:10分

基本的に聞いているのは中和反応の計算であるが、少しひねって、まず、硫酸水溶液をアンモニアで中和させて、その後水酸化ナトリウム水溶液で中和させるということにしてある。ただ、図2の図中の説明文中の「水溶液Aの中の硫酸を全て」は実際はアンモニアで中和させた残りの硫酸のことなので、混乱を招く表現になってしまっている。
問1 基本中の基本。必答。
問2 同じく基本中の基本。必答。
問3 これは、解説をされていないと難しいかもしれない。完全中和が、フェノールフタレインが赤色を示したとき、というのは選びずらいであろう。
問4 すこし、文章的に難しさを感じるかもしれないが、やる計算は化学分野特有の比例計算をするだけである。そして、実は実験の読み取りもいらない、問4の文章だけでできる。これは必答とする。
問5・問6 上記のように少し読み取りに難があり、結果難しくしてしまっている。また、比例計算なのだが、必答からは外す。

【大問4】地学分野(金星)

  • 時間配分:5分

天体の動きは、まず「太陽と月」、そして「星座」。その次が「金星」。金星の動きまではマスターしないといけない。問4までは典型問題である。

問1 典型問題。必答。暗記ではない。キチンと金星の軌道の図を書いて説明できないと入試では役に立たない。
問2 軌道の図をかく力があればできるはず。必答。
問3 結局、聞いている内容は問1と同じ。必答。
問4 やはり軌道の図を使って説明できる力が問われているのみ。必答。
問5 算数の旅人算の追いつきである。旅人算の学習のとき、解法の暗記ではなく、理解して問題を解いているかどうかが問われている。
旅人算の解法が説明できれば理解は簡単。しかし難易度から必答からは外してよい。

攻略ポイント

やさしいというつもりはないが、偏差値的に考えると、難しい問題とはいえないはずだ。しかし、合格者平均点は低い。なぜか。時間が短いのだ。
実験観察は読まないといけない。今年度で言うと、【大問3】は読み取りに時間がかかると思う。また、【大問1】の問7は真面目に計算していると、時間オーバーであろう。合格者平均点から考えると、ボーダーラインに近い点数の生徒は、「難しい」「時間がかかる」問題はほとんどできていないように思われる。時間がかかる(端的に言ってしまうと、「めんどくさい」と感じる)問題は思い切ってとばしていかないといけない。
例年の合格者平均点を参考にしながら、取れる問題を確実に取っていく姿勢が重要となる。けっして、やみくもに頑張って解答用紙を埋めようとするのは失敗のもとだ。

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