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出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「立教新座高等学校の英語」
攻略のための学習方法

ここで、受験英語における文法事項と同じ位に比重が高い単語の用法について何点か挙げてみる。

第1に「so~that…」及び「such~that…」である。
言うまでもなくsoは副詞であるので後ろ(修飾される語)には形容詞又は副詞がくる。一方、suchは形容詞であるので後ろ(修飾される語)には名詞がくる。意味は、「とても~なので…である」というのが原則である。

注意したいのは「not so~that…」という具合に、soの前に否定がある場合である。具体的には、以下のような英文を考えてみる。

He is not so busy that he can’t go for walk.

この英文を「とても~でないので…」という手法で訳出してみると変な訳文になってしまう。「彼はとても忙しくないので散歩に行くことはできない」では変である。上記の英文は正しくは「彼は散歩に行けないほど忙しい訳ではない」という具合に、「程度」を表すのである。

また、「such~that…」については、It was such a beautiful flower that I can’t forget it. (それは綺麗な花なので私は忘れることができなかった)となる。

「…,for~」にも気を付けよう。
このforは、前の文章を受けて理由を表す。したがって、このforの訳は「というのは~だからだ」となる。受験生になじみのあるforは『前置詞』である。ここで述べているのは『接続詞』としてのforである。

前置詞と接続詞との見分け方についていえば、前置詞は後に『名詞(単語)』がくるが、接続詞の場合には文章がくるのである。したがって、理由を表す『接続詞』としてのforであるか否かを見極めるには、後ろに文章が来ているか否かで決定するのである。

第2に、as(接続詞)である。
これには、いくつもの意味があるので混同しないようにしっかり覚えておくように。
代表的な意味と例文を以下に列挙する。

①「~のとき」(時を表す)
He came in just as I was going out of my house.
(私がちょうど家を出ようとしたとき、彼が入ってきた)
②「~につれ」(時の経過)
As we grow older, our memory becomes less active.
(私たちは年を取るにつれ、記憶力が徐々に鈍くなるのである)
③「~なので」(理由)
As the elevator was not working, we walked up the stairs.(
エレベーターが動いていなかったので階段を歩いて上がった

④「~のように」(態様)
You should see things as they are.
(あなたは物事をありのままのように見るべきである)
⑤「~だけれども」(譲歩)
Child as he is, he can think clearly. 
(彼は子供だけれども、はっきりと考えることができる)。

という具合に、asについては代表的な用法を挙げただけでも上記のような複数の紛らわしい用法がある。明確な見分け方をしっかり習得しておくべきである。

asと同じ位に紛らわしい単語にbutがあるので、ここで幾つか例を挙げておく。
①「しかし、~が」(等位接続詞)
I got up early this morning but I could not catch the first train.
(私は今朝早く起きた。しかし、始発電車に乗ることはできなかった)。次に、相関語句と一緒に使う例文を挙げる。
②not A but B「AではなくB」He is not a teacher, but a student.
(彼は先生ではなく生徒である)
③not only A but (also) B―しばしばalsoは省略される場合あり―「AのみではなくBも」
A pet would be not only expensive but also troublesome.
(ペットは金がかかるだけではなく、手もかかる)。
そのほかにも、but(=except)「~を除いて」、nothing but(=only)「~しか(しかない)」。
④it is true ~ but「なるほど~であるが」
It is true that road travel those days was difficult, but it was safe.
(当時、陸路の旅は困難であったが、安全であった)。

以上、気になる単語の用法について見てきた。
ともかく、大量に英文を読みこなすことで英文を右から左へ流れるように黙読できるようになって欲しい。英文を読みこなすためには、上記以外にも沢山覚えなければならない事項や知識が山ほどある。少しずつ、焦らずに覚えてゆき英語の力を付けて行ってもらいたい。

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2019年度「立教新座高等学校の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1・2・3のリスニングは15分程度。

大問4は長文読解総合問題(説明文)<11分>。臓器移植に関する長文。

大問5は長文読解総合問題(物語)<12分>。3人の兄弟に関する物語。

大問6は適語補充問題<4分>。口語表現や基本的イディオムの知識をフルに活用。

大問7は整序問題<6分>。比較、関係代名詞などの文法事項がカギ。

大問8は適所選択問題<6分>。英文の意味を確実に把握すること。

大問9は自由英作問題<6分>。与えられた日本語を自分が英訳できる日本語に翻訳する。

【大問4】長文読解総合問題(説明文)

  • 時間配分:11分

日本の運転免許証の裏面の書式が「臓器移植」とどのような関係性があるかを考えることをきっかけに、日本における「臓器移植」の事情を考察する。

(問1)適語選択問題<1分>。
本文の流れをしっかり把握して、適切な組み合わせを選択する。直前に、‘This is different from countries’とあるので、1は容易に解答できるであろう。

(問2)英文並び替え問題<2分>。
選択肢の英文にある指示語や具体的な数字を手掛かりに、本文の要旨を踏まえて英文を並び替える。

(問3)英文解釈問題<1分>。
standstillが初見の受験生も英文の前後関係から英文訳を類推する。

(問4)適語句補充問題<2分>。
直後の英文に‘its back’とあるので、‘its’とは「その」という指示語であるので、文脈を考えると「運転免許証」のことである。

(問5)適切英文選択問題<2分>。
Aは、直後の英文に‘circle “1” or “2”…’とあることより、2も1と同様に臓器提供をするとわかることより判断する。

(問6)適切語句記述問題<1分>。
文脈から判断すると、‘your time’とは「あなたが死ぬとき」である。

(問7)内容正誤問題<2分>。
英文本文の内容と選択肢の表現をよく吟味すること。微妙に表現などを変えている場合もあるので、十分な注意が必要である。

【大問5】長文読解総合問題(物語)

  • 時間配分:12分

森の近くの家に住んでいた正直で働き者であった3人の兄弟に関する物語文である。ある日、兄弟は森の中で顔色の悪い老女に出会い、老女が背負っていた大きなバックを代わりに運んだのである。そして、老女はそのお礼にといって、兄弟に「何かあなた方のお役に立てることがありませんか」と尋ねるのである。

(問1)適切個所選択問題<2分>。
挿入するべき英文に‘unhappy again’という表現がある。「再び、不幸になった」のであるから、それをヒントに適切な場所を選択する。

(問2)適文選択問題<2分>。
Aは、彼ら(兄弟)がいい暮らしを送っていたにも拘わらず不幸であったと書かれている。

(問3)英文解釈選択問題<1分>。
該当下線部に‘selfless’とある。つまり、「無私(私心がない)」ということである。

(問4)英文解釈選択問題<1分>。
傍線部の‘them’が何を指すのかを考えること。兄弟たちが望んだこと、それが‘them’である。

(問5)適語句選択問題<3分>。
(ア)については、関係代名詞から判断する。
(イ)については、老女の考え方を考えると‘happiness’となる。

(問6)内容正誤問題<3分>。
本文の流れを十分に理解すること。また、本文は物語であるため人物間における関係性や心情変化なども十分考慮することが重要である。

【大問6】適語補充問題

  • 時間配分:4分

頻出出題形式である。2つの英文の内容を正確に捉えて、イディオムや構文の知識を駆使して解答する。

. 窓を閉めないで外出したのであるから、「~することなしで」という意味の前置詞を考える<1分>。

. 相手に対する「申し出」を表す表現で書き換える<1分>。

. To不定詞の副詞的用法をあてはめる<1分>。

. 過去分詞の形容詞用法の後置修飾である<1分>。

【大問7】整序問題

  • 時間配分:6分

整序(並び替え)問題である。この類の問題は頻出である。イディオムなどの知識をしっかりあてはめることができるように、事前の準備を万全にすること。

.「お久しぶり」とは、「最後にあってから長い時間が経過した」ということであり、主語はitである<2分>。

.「~の半分」という表現がポイント。比較の原級構文を用いること<2分>。

.先行詞を「君」とし、「だけ=only」という形容詞で修飾されているので関係代名詞はthatを使用する<2分>。

【大問8】適所選択問題

  • 時間配分:6分

基本的文法事項を押さえて、的確に解答すること。

. thatが関係代名詞であり、「祖父の誕生日に『買われた』花びん」という内容にしたい<3分>。

. thatが関係代名詞であり、「他の街に移転する『予定』である」という文章にするために、“be going to”=予定を使う<3分>。

【大問9】部分的和文英作問題

  • 時間配分:6分

基本的な英作であるので、完答を目指したい。

.「9番目の月」という表現の英訳がポイントである<3分>。

.「分かりません」という英訳は「have no idea」である<3分>。

攻略のポイント

全体的に見れば、標準的な問題であろう。長文もそれほど難解ではないが、初見の英単語も相当数散見される(これらの単語には本文後に『注釈』が付けられてはいるが)ので、単語力は最低でも英検準2級レベルは必要である。

その他の設問についても、整序問題、適語補充問題など標準的設問が多い。事前準備としては、標準的問題集を何度も演習することが大事であろう。

また、長文に関しては、500~700単語の英文総合問題を月に20題のペースで取り組んで欲しい。英語の最大の得点源は長文であるので、長文を読めないと英語における安定的な得点は望めないであろう。また、そのような長文読解を通じて、習得している文法事項が適切かつ迅速に知識の引出しから取り出せるようになる訓練にもなることは間違いない。

そのような長文読解を経て、英語を目で追う速度で読み進めることが可能になってくるのである。1分間で90単語程度読めればベストであろう。

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