「地下鉄というなじみ深い交通手段」を切り口として、「世界の歴史や人びとの生活、さらには、政治や産業等にまで及ぶリード文」からの出題。
「歴史」「地理」「公民」「時事」全てが融合した「総合形式問題」。
内容は、目まぐるしく「単元」が変転し、しかも、「平易な問題」でゆったり安心していると一気に急降下、「超難問」が出現する。
これぞ、「ジェットコースター大問」、まさに「横共の真骨頂」という大問。
以下、「超難問」をいくつか検討してみたい。

[問7] 空所補充の選択肢設問
下線部⑦の「横浜」で2013年６月に開催された「アフリカ開発会議」に関する「小問リード文」中の、「空所」２箇所に共通して当てはまる「言葉」を答える(４択)。「空所」は、「伸びるアフリカに[(空所)]すべきは今である」「アフリカ諸国はこれまで援助先だったが、この会議で[(空所)]先として認識されるようになった」。典型的な「時事問題」なのだが、安倍首相のこの「言葉」まで押さえているわけがない。確かに「超難問」だ。が、ここであきらめてはいけない。
「私が知らない」⇒「誰も知らない」⇒「知らなくても答えられるはず」と思いたい。「アフリカ諸国の経済成長を受け」とあるのだから、(ア)「協力」と(エ)「連合」は「消去」して、「援助(先)」に対応しているので、(ウ)「投資」が「答え」だと分かるはずだ。横共では、「知らないこと」であっても「細部」にこだわり、「知っていること」に結びつけて考えるという「多角的思考」が求められる。
＜時間配分目安:1分＞

[問10] 事項記述設問
下線部⑩の「輸出」に関連して、「先進国と発展途上国の間で行う貿易」を「何というか」を答える。「公民」単元。「先進国と発展途上国の間の経済格差」＝「南北問題」、これなら誰でも知っている「超平易な問題」。それが「貿易」となると、誰も知らない「超難問」に変身。だが、ここも考えられなくてはいけない。
「視点」を変換してみる。そもそも、「南北問題」の「南」と「北」とは何か？ これは知っていて当然。「南」＝「(南半球に多い)発展途上国」、「北」＝「(北半球に多い)先進国」ということ。であれば、「答え」は「南北貿易」でいいのではないか？
そう、それでいい。「視点変換」した上での「多角的思考」も必要ということ。
＜時間配分目安：1分＞

[問12] 都市名の条件付き記述設問
「リード文」中に出てくる「海外の都市」のうち、「西半球」に位置する「都市名」を答える。
「地理(世界地理)」単元。「条件」は「ロンドンは除く」こと。「西半球」？ なんじゃ、それゃ？ 聞いたことない。そう、ほとんどなじみがないはずだ。またまた「超難問」か？ いや、もう大丈夫、いけるに違いない。
「条件」の「ロンドンは除く」に着目、なぜ「除く」のか？ 無論、「経度０度」で「東」でも「西」でもないからだ。つまり、「西半球」とは「西経」に位置するということだ。従って、「答え」は「ニューヨーク」になる。「条件」は大いなる「ヒント」でもあると心得よ。
＜時間配分目安：2 分＞

「江戸時代の有力な７つの藩」について書かれた「朝日新聞の記事」という「単一テーマ」からの問題。
内容は、「人物史」「文化史」「経済史」「政治史」「外交史」等と多種。「基礎的事項」を問う問題が多いが、中には横共らしい「難問」や「クセのある設問」もある。
以下、２つだけ検証してみる。

[問1]人物についての不適切説明選択肢設問
示されている「和歌」を詠んだ「人物」に関しての「説明」で、「誤りのあるもの」を答える(４択)。「和歌」は「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の・・・」、御存知、藤原道長が詠んだものだ。従って、選択肢(ウ)の「この人物の子(＝頼通)は平等院鳳凰堂を建てた」は「正しい」とすぐに決められる。ここまでは順調にいく。だが、このあとの判別がやや難しい。
(ア)の「この人物の祖先」＝「孤児や病人を救う施設をつくった皇后」、これは何とか、「悲田院・施薬院」⇒「光明皇后」＝「藤原不比等の娘」と結びつけたい。続いて、「自分の知識」を総動員して考える。(イ)の「日本で最初の刑罰に関する法典」とは何か？ 「律令」の「律」は「刑罰」だと、思いついてほしい。そうなると、「大宝律令」が最初、奈良時代以前だ。であれば、道長の「父」ということはあり得ない。従って、これが明らかに「誤り」で「答え」になる。ちなみに、(エ)の「小倉百人一首の撰者」は鎌倉時代の「藤原定家」なので「正しい」。横共ではやはり、相当に「深知り知識」が必要になるということ。
＜時間配分目安：1分弱＞

[問9]年代整序の選択肢設問
下線部⑥の「板垣退助」について、「自由民権運動」に関連する「できごと」で「３番目のもの」を答える(４択)。「年代整序」の問題では、無理やり「年代」を思い出して並べようとしてもダメ。記憶があいまいなことが多いし、ほんの数年のズレで間違ってしまうこともあるからだ。「できごと」の「背景」を理解しておいて、「流れ」でとらえることが重要だ。
「民撰議院設立建白書」⇒「自由民権運動」の始まり⇒「運動」の「激化」に対して「弾圧」＝「集会条例」⇒「運動」収まらずに「国会開設の直喩」⇒「政党の結成」＝「自由党」⇒「内閣制度」と、結びつけていきたい。よって、「答え」は(ア)の「自由党の結成」。「点」ではなく「線」や「面」で理解しておくことが、横共の「歴史」では重要。
〈時間配分目安:１分〉

「自宅の構造や家の中の様子から様々なことを考えているリード文」からの問題。
内容は、「漁業」「環境」「鉱工業」「有害物質」「就業者割合」「農業」「都道府県の特色」等と多種多様。
ほとんどが「基本的事項」で、横共にしては「平易」な大問。一気に得点を稼いでおきたい。
若干、判断に迷うかも知れない１問だけ考えてみよう。

[問7] 都府県名の条件付き記述設問
「陶磁器生産」が盛んな「都府県名」を答える。「条件」は、示されている「特産品」がある「都府県」の「すべてに接している」こと。「陶磁器生産」が盛んな「都府県名」はいくつか思い浮かぶはずだ。「条件」の「特産品」と「都府県」もすぐに結びつかなくてはいけない。「清水焼」＝「京都府」、「越前がに」＝「福井県」、「美濃和紙」＝「岐阜県」、「松坂牛」＝「三重県」だ。問題はここから。これらに「すべて接している」？
「中部地方」「近畿地方」の「地図」が、頭にしっかりと入っているかが勝負だ。無論、「答え」は「信楽焼」で有名な「滋賀県」。「都道府県境」も含め「日本地図」は確実に覚えることが必要。
＜時間配分目安： 1分＞

「2012年12月に発足した第二次安倍晋三内閣」という「時事ネタ」の「単一テーマ」からの問題。基本的に「公民」単元で、一部「時事問題」がある。内容は、「三権の国家機関」「金融政策」「財政政策」「地方公共団体」「世界の経済」「税制度」「憲法改正」等と多様。「基礎的事項」を問う問題が多いが、例によって、「クセのある設問」もある。たとえば「問１」だ。「憲法違反を最終的に判断する国家機関」を答える。「国家機関」とあり、ハタと悩まないこと。「裁判所」も当然「国家機関」なのだから、「最高裁判所」でいいのだ。
単に「一問一答形式」で覚えているだけでは、横共には太刀打ちできないことを肝に銘じよ。
以下、他の「難問」を１つだけ考える。

[問6]人数の条件付き記述設問
「憲法改正」をする場合、「衆議院と参議院」を合わせて「最低何人の賛成が必要か」を答える。「条件」は「現在の定数」で計算し「算用数字」で記すこと。「憲法改正の手続き」は知っているはず。「衆議院と参議院」なのだから、「国会」の「発議」の「条件」になると分からなくてはいけない。
「両議院の総議員の３分の２以上の賛成」だ。ここで、「条件」に注意すること。「衆議院」の「議員定数」は「475人」になったが、実際には次の選挙から適用されるので、現在はまだ「480人」。「475人」とガチガチに覚えていてダメだ。あとは、計算するだけ。「答え」は「482(人)」。横共では、臨機応変な対応も求められる。
＜時間配分目安： 1分＞