豊島岡女子学園中学校 入試対策
2019年度「豊島岡女子学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
分析
時間は理科と合わせて50分。大問数2~3問、総解答数は近年では25問で固定されているようである。
解答形式は、記号選択と用語記入がほぼ半々の割合、そこに1~2問の短文記述が混じるというのがほぼ定型となっている。大問ごとに分野が大別されてはいるが、そこに他分野からの問題も織り込まれる事が多い、緩やかな融合問題となっている。
あるテーマに沿って問題が出されるのも特徴で、「様々なものの境界について」「高齢社会と社会保障」「女性の権利」・・・など多様な話題のリード文が見られる。内容は中学入試で訊かれる基本的な事柄で、教科書の範囲を超えた特殊・難解な内容までは出されない。しかし、語句を覚えていれば済むような単純な設問は少ない。正確で体系的な知識がないと正解出来ないような、やや高難度の問題となっている。
分野別対策
まずは基礎をがっちり固めておく。
地理分野については、地名・地形・気候・産業や地域の特色など、基本事項をひとまず覚える。地形図の読み取りや、位置を訊かれる問題もよく出るので地図・白地図で練習しておく。また、世界地理の問題も多く見られるので、アジアや中東など、日本とつながりのある地域については確認しておきたい。
歴史分野も各時代から広く出題されるので、時代順に人物や出来事の基本事項を覚える。図版などの資料が示される年もあるので、資料集も活用したい。
政治分野では、やはり「憲法」と「三権の仕組みとはたらき」について、しっかり理解しておきたい。図表でそれぞれの関連を視覚的に把握するとわかりやすい。
以上のように、まずはテキストや副教材で基礎を身につける。豊島岡女子を受験する生徒のレベルからして、基本問題をミスするようではとても合格は覚束ない。
知識
その上で、覚えた知識を統合し、さらに理解を深めておく必要がある。
基本事項をマスターしたら、復習と同時に知識を整理しまとめていく。断片的だった知識を、関連事項もまとめて筋道をたてて頭に入れておく。
本校は、選択問題でも紛らわしい選択肢が多く、正確な関連知識がないと手がかりを見つけられない場合が多い。
例えば、歴史なら、年表で政治の流れ、文化の流れ、戦争の流れと項目ごとにたどっておけば、同時代の他の出来事も思い出しやすい。ぶつ切れの単純な知識では十分な得点に結びつかない試験なのである。
数問出される短文記述もポイントとなる。
図表から数値を読み取り、比べる問題、関連知識が必要な問題、キーワードを素に自分で推理する問題、など。
いろいろなパターンで出題されているが、基本的に、問題文の中の事実と、自分の持っている知識を結びつけて答えを考え出すという能力を問われているようである。ここでも、先に述べたような体系的に整理された知識が大きな武器となる。
また、用語記入の問題もそうだが、特に指定が無い限りは漢字で書く、ひらがな・誤字は×という条件があるので、用語は漢字で書けるようにしておく。
まとめ
・基礎的な知識を、確実に覚える
・その知識と周辺事項を関連づけて、すぐに引き出せるようにする
・その知識を使って、原因や結果を想像する習慣をつける
このような態度で広い範囲の正確な知識と思考力を身につけられるよう学習に取り組もう。
また、試験時間にあまり余裕は無いので、普段からスピードも意識して、問題集等に取り組むようにして欲しい。
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2019年度「豊島岡女子学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問2つにそれぞれ地理・歴史と政治経済が割り当てられており、地理・歴史16問、政治経済9問という割合になっている。総問題数は25問、リード文の合計は約2100字ほどだが、時間がなければ下線部付近だけ読んで済ますのも手である。
適語記入9問・記号選択15問と選択問題が多いが、選択肢を選ぶのに細部まで正確な知識が求められるので、決して楽な問題ではない。
【大問1】歴史分野・地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
ごみを話題に、歴史分野と地理分野の混合問題になっている。
問1 1は機械類が1位なのでアメリカ、2は石炭・鉄鉱石などからオーストラリア、3は自動車が多いことからドイツである。ロシアからは主に原料・燃料類の輸入が多い。
問2 緯度は赤道からの距離なので、北緯と南緯は同じ数字になる。経度は標準時子午線を境に足して180度になるはずであるから、ブラジルは西経40度となる。
問3 1は大陸と日本が地続きだった旧石器時代のことである。
問4 政府からの高額の給与で招かれたため、「お雇い外国人」と呼ばれた。
問5 表面を削って文字を消し、再利用された。
問6 1は1333年、3は805年のできごとで当てはまらない。
問7「丸」は城を囲む城郭のことで、「丸の内」はその内側の意味。かつて城下町であったことがその名にのこっている。
問8 (あ)は今川氏の勢力が強かった駿河(静岡県)。
問10 い. 天皇に直訴を試みたが失敗したので×。
問12 フィリピンからの輸入が多いのはバナナ。
問13 1は自動車。輸送量に比べてエネルギー消費が少ない2が海運。
問14 パソコンもリサイクルが必要だが、パソコンリサイクル法という別の法律による。
問15 商・工業の額が少なく漁業が多い(う)が鳥取県。商・工業が多い(あ)は岡山県と考えられる。
問16 資源やエネルギーを無駄なく利用し環境への影響を少なくする「循環型社会」。
【大問2】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
日本国憲法と、主に司法制度についての問題。
問1 三審制は通常、地方裁判所→高等裁判所→最高裁判所と上級の裁判所へと審理が進む。第一審から第二審を控訴、第二審から第三審を上告という。
問2 条約を締結するのは内閣の仕事で、選択肢5が正解。2は衆議院、3は国会、4は裁判所の仕事で、1については指名は内閣総理大臣だが、任命するのは天皇である。
問4 2016年の法改正で選挙権の年齢が18歳以上とされたが、裁判員については当面20歳以上から選任されることになっている。
問5 四審制は検討されていないので3は×。
問6 重大な議案(予算の議決・総理大臣の指名・条約の承認など)で異なる議決が出た場合には両院協議会が必ず開かれるが、一般の法律案の場合には開かなくてもよい。
問7 日本にも合法的なカジノや国際会議場などを作って来日客を呼び込もうと計画されている。
問8 景気が良いときには商品が売れて物価が上昇し、労働者の収入が増えてさらに商品が売れて価格が上がるという、インフレーションが起こる。
問9 選択肢4は職業選択(経済活動)の自由に含まれる。
攻略のポイント
全般的に中学入試の基本的な問題で、特別に難解な知識は必要とされていない。
しかし、単純な用語の暗記ではなく、細かい部分まで正確に、関連事項と結びつけて理解しているか、その知識を使って理由や原因まで考えを発展させられるかという点を問われている。
基本事項はしっかり復習し確実に身につける。白地図やグラフにも親しみ、地図を身近に置いて常に場所を確認する。
記述対策としては、新聞やニュースで時事問題に触れ、その背景や理由を自分の知識を使って考えてみる。また、短く簡潔にまとめる練習をしておく。
そして、25分の試験時間で最後まで解き進められるよう、普段の学習も漫然とせず、スピードもつけられるように意識しておくことも重要である。
正確な知識でミスのない答案を作れるよう、テストに向けて努力を重ねたい。
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