日能研対策
男子Y君の場合:
毎週のテストから改善点を探り第一志望合格!
担当プロ家庭教師 | 片岡先生 |
---|---|
プロ家庭教師の指導期間 | 小学6年生5月~入試まで |
志望中学校(スタート時点) | 立教新座中学校 |
成績の推移 | 「全国公開模試」 算数 41→55 |
毎週のテストから改善点を探り第一志望合格!
スタート時
Y君とお母様に初めてお会いした、6年生5月時点における公開模試の成績は、国・理・社の偏差値がいずれも52前後に対して算数だけが45以下でした。お母様からは、算数以外の科目はサポートしようと思えばできるが、算数は上手く教えることができず、本人も相当悩んでいる状態で、プロの力を貸して欲しいというご相談を受けました。
初回授業時にY君は、立教新座中のスキー部に入って、将来的にスキーに関連する仕事をしたいと笑顔で語ってくれました。一方、算数のことを聞くと、少し顔色を曇らせるのが分かりました。そのときY君は、塾の先生に言われたことをこなしているはずなのに、テストになると解き方が思い浮かばず、苦しい状態であると明かしてくれました。
Y君との会話からは、彼がとても素直な性格であること、お母様以上にY君本人が「自分を変えたい」という強い意志を持っていることを感じました。
指導内容
初回授業後、Y君の授業時の学習姿勢の観察や聞き取りから、以下の点を課題として挙げました。
①少し難易度が高い問題において解法が思い浮かばない場合、考え込んでしまい手が動かない。
②テストにおいて、途中の問題に時間を費やしてしまい、最後まで到達していない。また、易しい問題の点検に手が回らず、易しい問題で失点をしている。
上の課題に対して次のような方針を提示し、実行してもらいました。
①まずは「解法を知ること」が重要で、次に「問題演習を繰り返すこと」が有効だと伝えました。そこで、夏休みまでの期間は、授業で習った解き方や模範解答の解き方が成り立つ理由について、少しでも曖昧な部分があれば解消し、およそ理解が進んだ段階で、自分の手だけで答案をつくる練習を多く積んでいこうという提案をしました。教材はY君の持っている日能研のテキストやテストを利用し、解いたことがある・ないに関わらず、適切と思われるタイミングで解くべき問題の指示をしました。
②テスト形式の演習の機会を設け、「効率的な時間配分」と「解くべき問題の選定」の仕方を習得してもらうことが重要だと伝えました。塾のテストや過去問を解いた後は、必ず問題用紙と答案用紙を用意してもらい、改善できそうな点を分析・共有するため、フィードバックの時間を設けることにしました。
家庭学習の改善
お母様からはY君の様子の変化として、「テストを受けることや点数を出されることへの恐怖心が薄くなっていった」ことと、「テストにおいてミスをした場合に、どうしてミスをしたのか、どの部分を改善すれば正解できるようになるのか、分析できるようになった」ことの2点をご報告して頂きました。
また、私がY君に常々声掛けをした「テストでは難しいと感じた問題は迷わず飛ばし、確実に解けそうな問題から解く」という方針を徐々に理解し、実行してくれたおかげで、テストや過去問において基本的な問題での失点が減っていきました。
学習姿勢の変化と成績の推移
指導開始して間もなくのY君は、算数のテスト結果を私に見せることに抵抗感を持っている様子でした。ところが、毎週のようにテスト結果を持参してもらい、どこに改善点があるのか、私とY君で話し合う習慣をつくったところ、テスト結果を私に見せることに対する抵抗は薄まっていき、最終的には楽しみながら改善点を探るようになってくれました。
また、夏前までは、基本問題を理解することにほとんどの時間を割いていましたが、夏休み以降は応用問題にチャレンジする時間が増えていきました。
A4クラスからの変動はなかったものの、指導開始時から夏までは40台だった算数の偏差値は、秋以降には50~55をキープすることができるようになりました。
結果、当初からの志望校である立教新座中の合格を、無事勝ち取ることが出来ました。
日能研生へのアドバイス
私は、Y君が第一志望校に合格できた一つの理由は、ほぼ毎週実施されるテストを分析し、様々な改善点を理解し、次のテストに活かすという作業をたんたんと行い続けたことだと思いました。
皆さんもテストとなると、なるべく高い点を取ろうと自然に脳みそをフル回転すると思います。私は自分の頭をフル回転させて取り組んだテストこそ、最も優れた学習材料かもしれないと思うことがあります。これは、本気で取り組んだ問題とそうではない問題を比べると、やはり本気で取り組んだ問題の方が、自分自身の体験として記憶に残りやすいと思うからです。また、本気で取り組んだ問題なのに、ミスをしてしまうことがあると思いますが、そのミスに対して落ち着いた気持ちで再度向き合うことは、まさに自分の体にメスを入れる外科手術に似ており、とても効率よく自分を改善させられる行為だと思うからです。
毎週実施されるテストで悔しい思いをしている人こそ、気持ちを落ち着かせて、受けたテスト問題を再度開いて解きなおして欲しいと思います。さらなる成長のための材料がその中に詰まっているはずです。