筑波大学附属駒場中学校 入試対策
2014年度「筑波大学附属駒場中学校の理科」
攻略のための学習方法
[知識]
知識の暗記は、「ものの名前」だけではなく、「ものの関係」を含めて覚えるようにしたい。
例えば【大問3】の(設問4)は、「火山」と「温泉」の、ひとつひとつの「ものの名前」を問うのではなく、「地熱があるので、火山と温泉は近くにある」という「ものの関係」を問うている。こういった出題形式の背景には、少ない設問数でより多くの内容を問いたいという、難関校の出題意図が読み取れる。
過去問を解いてみて、知識問題の正答率が、普段の模試と異なっていた志望者は、特に注意が必要だ。
一問一答式の暗記を終えた志望者は、次に知識の体系的な理解へと進んでいきたい。その際には、図版や資料集などの副教材で、言葉だけではなく絵でも知識を補強しておこう。
[推論]
論理的な推論を強化しておこう。
推論にはさまざま形式があるが、例えば【大問1】の(設問1)は「演繹(えんえき)」を用いている。
志望者は小学生なので、「演繹」という専門的な言葉は、なじみが薄いはずだ。そこで、訓練として、「演繹」と教えるかわりに「法則を教え、その具体例を挙げさせる」やり方が有効だ。
問題を解く時には、結果だけではなく、推論まで含めて解答する習慣をつけることが大事だ。
[分析力]
分析力を身につけよう。
身近にある自然現象がなぜ起こるのか、志望者は普段から観察する機会を持ちたい。
筑駒の求める「頭の良さ」とは、観察したものを「分析」し、「論理的」に思考できる能力のことだ。
目の前で自然現象を観察して、すでに学習した理科のさまざまな法則を当てはめて、運用できることが求められている。
その典型的なものが【大問2】や【大問6】になる。
例えば【大問6】では、設問文に、「てこの知識を当てはめ」て、「法則を発見」し、その「法則を運用」できることが求められている。
このような法則のあらたまった記述での回答は求められていない。しかし、志望者の頭の中で、きちんとした法則を構築できるかが、正答率に影響を与えている。
物理分野のような、いわゆる「仕組みの問題」を、形式的に丸暗記している志望者は歯が立たない。
志望者の日頃からの勉強の質が求められている。
[まとめ]
筑駒の理科の学習においては、できるだけ早くカリキュラムの基礎を終えておきたい。
知識の定着が確認できたら、そのうえで、演習の際に上記の三点に気をつけ、演習量を計画的に確保していくと良いだろう。
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2014年度「筑波大学附属駒場中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は7問で、設問数は35問ある。いずれの設問も、読んですぐに解答できるものではなく、いったん手を休め、思考させるようになっている。
したがって設問数は多くはないが、余裕のある試験とはいえない。
受験者はひとつひとつの設問に、じっくりと取り組むべきだ。しかしその反面、わからない設問にこだわりすぎて時間を浪費してしまうことも避けたい。
過去問の演習を通して、筑駒の理科の時間配分に慣れておくとよいだろう。
【大問1】動物のしくみ
- 時間配分:2分
生物分野から「動物のしくみ」単元の出題となる。
(設問1)思考問題で、脊椎動物の骨についての知識から、具体例を思考させる。
【大問2】食物連鎖
- 時間配分:4分
生物分野から「食物連鎖」単元の出題となる。
(設問1)身近な自然現象に、理科の法則を当てはめて解答させる。「イ」は物理変化で、「ウ」、「エ」が化学変化になる。
(設問3)筑駒の理科を象徴するような思考問題だ。受験者は正答で満足せずに、その理由まで述べられるようになっておくと理想的だ。思考の前提となる理科の知識は、「密閉された空間では、物質の状態変化があっても、その質量は変わらない」という法則だ。
【大問3】地学分野
- 時間配分:8分
地学分野からさまざま単元の組合せの出題となる。
(設問4)知識問題で、火山と温泉の関係を知っておきたい。
(設問5)知識問題で、ただ単に星の名前が求められているのではなく、まわりの星の位置関係を知っていることが求められている。
【大問4】水溶液と中和
- 時間配分:6分
化学分野から「水溶液と中和」単元の出題となる。目安時間は6分だ。
【大問5】熱の伝わり方
- 時間配分:4分
物理分野から「熱の伝わり方」単元の出題となる。
(設問2)思考問題で、熱は試験管の中の空気に伝わるので、空気の流れの影響を受けることに気づきたい。
【大問6】てこと振り子
- 時間配分:7分
物理分野から「てことふりこ」単元の出題となる。
まずは設問文からルールを読み取ろう。与えられたルールから、思考する能力を受験者は求められている。
【大問7】電気と回路
- 時間配分:3分
物理から「電気と回路」単元の出題となる。
受験者は手書きで回路図を書けるようになっておきたい。
攻略のポイント
筑駒の理科で合否を分けるのは、思考問題の演習量だろう。
知識の暗記で差がつくことはまずないので、理科の思考問題をどれくらい演習したかによって、差がついていく。
演習を通して、分析力と論理的な思考力を身につけていきたい。
思考力は長い時間をかけて養われる。
したがって受験者は、模試や過去問を解くにあたって、設問が結果的に正答であっても、さらに一歩踏みこんで学習したい。
正答である理由を、理科の言葉で説明できる能力を、日頃から磨いておきたい。
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