東邦大学付属東邦中学校 入試対策
2019年度「東邦大学付属東邦中学校の社会」
攻略のための学習方法
地理分野
日本地図・北海道・関東地方と長野県・さまざまな河川についてなど、テーマを設けてその中でさまざまな内容を問われる。地図やグラフ、図版なども多く用いられ、統計資料をもとにした質問も多い。
過去には歴史的行政区分・地形グラフ・人口増加率・模式図・農産物・気温・霧日数・降雪日数の月別平均値・全国に占める人口割合・人口密度・外国人人口・第2次産業就業者数などなど……多彩な地図・グラフ・統計資料で問題が作られている。
過去の問題では、緯度・経度で範囲を区切って面積を比べたり、2地点間の距離を比べたりといった設問もあった。
日本の各県や重要地点の位置などがよく頭に入っていないと厳しい。他分野と比べて、地理分野は難易度が高い傾向にある。
まずは日本の地名・地勢・気候や産業の特色など、基本事項をしっかり頭に入れることだが、地名を答えれば済むような単純な問題は出ない。いくつかの事項を組み合わせて問題が作られており、それぞれについての統計や関連事項も合わせて考えて正解を選ぶ必要がある。
地図もよく使われるので、日本地図や白地図も活用し、覚えた知識を地図上で結びつけておく。資料集で最新の数値も合わせて関連付けておこう。
テキスト・地図・資料集を総合的にまとめて、どの角度から質問されても答えを引き出せるように準備しておきたい。
歴史分野
干支や人口、国宝の建造物など、ある資料・テーマに沿って、各時代から幅広い内容の問題が出されている。この分野も、人名・事件名や年号を単純に答える問題にはなっていない。
特徴的なのは、正誤の組み合わせを選択肢で選ぶ形式が多いことである。訊かれている内容は歴史の基本的事項が多いのだが、選択肢一つ一つについて細部まで正しいか間違っているかを判断していかなければならないので、結果として相当な知識量が必要とされ難易度が高くなってしまう。正確な知識とともに集中力の持続も必要で時間もかかる。
地理分野と同様に、用語や年代を単純に暗記しただけでは正解を選べない。事件の背景や関連事項まで含めた細かい知識の統合が必要である。時代の前後が判断の決め手になる問題も多いので、年表などで流れを正確に覚えておくことも重要である。
政治経済分野
歴史分野と同じく正誤の組み合わせ選択問題が多いが、他の2分野と比べて難易度は低めである。政治の仕組みや憲法など、政治経済分野の重要事項をしっかり学習してあれば対応できるだろう。得点源にできる部分なので怠りなく勉強しておく。
問題量について
記号選択問題ばかりの試験ではあるが、前述のように特に地理分野では難問も目立つ。さらに、リード文・問題文・選択肢部分と使われている資料などを合わせると相当な分量の試験問題となる。計25問なので1問2分弱で答えていけばよい計算だが、考えるのにそれ以上に時間がかかる問題がある。
できる問題を速やかにこなすスピードと時間配分の工夫が必要である。
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2019年度「東邦大学付属東邦中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
適語記入は1問だけで残り24問はすべて記号選択問題であるが、正誤の組み合わせを選ぶものが多い。すべての選択肢を細かく吟味しなければならないので手間がかかる。
さらに、リード文や問題文、資料など全て合わせると相当な分量の試験となり、スピードが要求される。
1問に2分弱使える計算だが、資料やリード文の量が多いので、特に読むスピードはつけておきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:16分
- ★必答問題
各地のSLが走る路線とその周辺地域・県について訊かれている。
問1. ①新エネルギーは時代が進むごとに増えると考えられる。Yは原子力を表しており、東日本大震災以降の2015年では大きく減少している。
問2. 1月の平均気温が0度を下回る(い)は中央高地の気候であろう。太平洋側は冬に乾燥した晴天になることが多く、日照時間も長くなる。日本海側は逆に冬は曇天や雪が多い。
問3. ②100万人を超えているアとイはさいたま市と札幌市。面積では札幌の方が広い。
問4. 鍾乳洞は地下水などの働きにより形成される地形なのでイは誤り。
問5. (い)の説明は第二水俣が発生した阿賀野川のことである。
問6. 南アルプス=赤石山脈の東側には大井川が流れ、下流の牧ノ原台地では水はけのよい地質を利用して茶の栽培が盛んである。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:16分
- ★必答問題
日本とかかわりの深い、来日した外国人を話題とした問題。
問1. b 家柄や世襲ではなく、能力や実績を重視する冠位十二階を採ったので×。
問2. 古今和歌集は10世紀、薬師寺は7世紀末なので×。
問4. (あ)は唐招提寺、(い)は円覚寺のことで、bとaの写真がそれに当たる。c は東大寺大仏殿、dは銀閣=慈照寺である。
問5. bは織田信長の行った施策、c は柴田勝家とではなく徳川家康との戦いなので×。
問6. 新井白石は質を高めた正徳小判を作り、経済の安定を図ろうとした。
問7. ラクスマンが訪れたのは北海道・根室である。
問9. ア 農地改革では小作農から自作農への転換が図られたので×。
イ・ウ GHQの施策により戦後に財閥は解体され、労働組合が結成され労働者の権利も保護されるようになったので×。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:13分
政治の仕組みや経済について。
問1. a 国政についての意思決定とはつまり「主権」のことであり、主権は国民に存するのであるから×。
c 違憲立法審査は法律の制定前に行われるものではないから×。
問2. イ 内閣が最高裁長官を指名し、その他の判事を任命する。
問3. b 自民党とその他多くの野党という構成で、2大政党制とはなっていない。
c 首相は国会で選ばれるので、国民による直接の公選ではない。
問4. う 2001年9月のアメリカ同時多発テロを機に、米軍を支援できるテロ対策特別措置法が制定された。
問7. 仕入れが少なくなれば店としては売れる量が減り、供給量が減って価格が上がるという動きになるのでエが選べる。
攻略のポイント
ほとんどが記号選択式の問題というシンプルな問題構成だが、組み合わせ問題が多いので問題数以上の知識を要求され、けっして易しい試験ではない。
特に地理分野はポイントを絞った詳しい知識を問われる問題が多く、他ではあまり見ない種類の出題もあり、難しい。地理分野は重点的に実力アップを図りたい。
他方、歴史分野と政治経済分野は基本事項がしっかり頭に入っていれば得点源にできる。
100点満点で6割5分~7割の受験者平均点なので、皆ができるところではミスをしないよう、着実な実力をつけよう。
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