成蹊高等学校 入試対策
2018年度「成蹊高等学校の英語」
攻略のための学習方法
(1)リスニング問題
リスニング問題としてはやや特徴的な設問形式のものもあるが、読まれる英文自体は標準的である。全体との兼ね合いで取りこぼしの許されない問題になることから、普段から音声学習を取り入れる必要がある。
英検3級・準2級の教材や類似過去問を繰り返しやり直すことで、ほとんどの問題で正解を導くことが出来るようになるだろう。余力があるのであれば、ラジオ講座などを利用することをお勧めする。後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。読解問題も音源付きのものを使えると効率が良い。
(2)長文読解問題
標準的なレベルの英文ではあるが、短時間で読みきらなくてはならないため、かなりの速読力を身につける必要がある。問われている問題の多くが内容把握であるため、いかに早く正確に、回答に必要な範囲での丁寧さをもって読めるかがポイントとなる。
速読能力を高めるための大きな方針としては、英文を前から句ごとに内容を取っていく読み方を身に付けることが必須だ。このためには、大学受験の勉強法としてはスタンダードになりつつある音読学習を勉強の中に取り入れることが効果的といえる。声に出して読む場合、前から内容を取らざるを得ないからだ。その際には、各文の内容のつながりをしっかり意識するようにしよう。文の形式的に主たる部分を意識的に取ろうと思いながら読むことで、修飾部分がかなりのスピードで読み下しても頭に残りやすいということを覚えておこう。
そして、パラグラフごとに一言で大意をまとめる訓練をすることで、読んでいる途中で話の流れを見失わずに無駄な2度読みを廃することができるようになる。成蹊高校と同レベルの過去問を用いて、速読のトレーニングを行うと良いだろう。
(3)文法・イディオム・語彙
細かい知識を問う問題はないことから、知識面の補充に関しては標準的な問題集や単語・熟語帳を一冊完璧にすればよいだろう。文法に関してはむしろ、前述のように英文読解のツールとしての意識を持って勉強することが大事だ。
(4)条件英作文
基本的な文法事項とイディオム・構文がわかっていれば解くことが出来る問題ではあるが、素早く対処するためには実際に手を動かして書く練習が必要だ。文法の勉強の際には必ず併せて英文を書く時間を取り入れよう。文法学習の際に、基本英文は口から出るようにしておくことで出力しやすくなるし、ひいてはそれがリスニング力の向上にも繋がる。まずは、基本的な構文を含んだ和文英訳からトレーニングを始めると良い。
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2018年度「成蹊高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
様々なジャンルの英文を大量に読まなくてはならないのが成蹊高校の特徴である。各長文で問われる内容は様々で、時間がかかるものと即座に処理すべきものとが混在している。したがって、タイムマネジメントも大きな鍵となる。
【大問１】リスニング問題
- 時間配分：
〈A〉80語程度の説明文を聞き、内容と一致するように5つの分の空所に適切な語を記述するというもの。与えられている空所付き英文を先読みしておくことで効果的なリスニングができる。
〈B〉150語程度の説明文を聞き、問題用紙に書かれた設問について本文の内容として正しいものを選択するというもの。今年からは選択肢も英文で書かれることになったが、前もって目を通して置くことで正誤のポイントを絞ることができることはかわらない。
【大問２】
- 時間配分：
〈A〉脱文挿入。60～80語程度の短い英文が3つ与えられ、それぞれの英文に与えられた一文を挿入するというもの。代名詞や定冠詞にも注目できると効率よく解ける〈8分〉
〈B〉伝記。450語程度の英文が与えられ、6つの英文の内容の正誤を答えるもの。英文自体は読みやすく注訳も多い。選択肢は英文だが、本文の流れと設問の英文の順序が同じなため、パラグラフごとに検討することで効率を上げることができる。〈4分〉
〈C〉説明文。本文を読んだうえで、その後に与えられた5つの文に各々続くべき適当な英文を選択するという問題。実質的には単なる内容一致問題である。本文の順番と設問の順番が共通であるため、まず設問リード文を1つ読み、それが解けるまで本文を読み解くというプロセスを重ねれば効率的に処理できる。〈5分〉
〈D〉要約文完成。英文を読んだうえでその内容と合うように要約文中の1～5に適切な1語を記述する問題。頭文字は与えられている。本文で用いられている単語が答えとして用いられるわけではないため思いつかないとやや厳しいかもしれない。考えすぎて手を止めてしまうよりは割り切って素早く次の設問に移るのが得策であろう。〈5分〉
〈E〉エッセーが素材となっている。英文全体にわたる内容一致問題があるわけではないため、下線の手前以外はおよその流れがわかる範囲でざっと読めればよい。同じ英文のなかでも設問の性質に応じて読みのスピードを変えていくのが重要だ。〈6分〉
【大問３】
- 時間配分：
〈A〉語句整序。100語程度の英文の中で2か所の語句整序を行う問題。ある程度は英文の内容を把握できていないと並びが確定しないため、下線部分のみでなく流れが分かる程度には前後も読んでおきたい。〈3分〉
〈B〉条件英作文。英文中の2か所について、与えられた語を用いて英作文をすることが求められている。与えられている語はそれぞれ3語であるが、書くべき英語の半分程度の語彙が与えられていることになるためそれほど難しくはない。時制などのミスにだけは気を付けて素早く処理してしまいたい。〈3分〉
〈C〉語形変化。英文中の6か所の動詞について必要に応じて適切な形に変える問題。容易な問題であるため素早く終えたい。〈2分〉
〈D〉条件英作文。面接における対話が素材となった英文が与えられており、面接官の発言が5か所空所になっているため、そこを英作文するという問題。受け手の直後の発言をしっかり読めば書くべき内容は明確である。〈4分〉
〈E〉条件付きテーマ英作文
書く内容の指示がなされている。いすれも基本的な構文を用いることでかける英文であるが、かけられる時間が少ないので普段から実際に手を動かして基本英文を出力することが出来るようにしておく必要がある。〈3分〉
攻略のポイント
ほとんど全ての問題が長文の中で問われていることから、読解力を鍛えるのが最優先だ。
扱っている英文の難易度はさほどではないものの、その量からするとかなりの読解力が必要である。基本的な文法事項については、文法問題を解くための知識というよりは、英文読解のツールとして利用できるようにならなくてはいけない。
そして、速読能力を身に付けよう。句ごとに前から読み下す事が出来るようにならないと、時間内に処理することが出来ないだろう。