淑徳与野中学校 入試対策
2018年度「淑徳与野中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問4つに小説の読解・論説文の読解・漢字の書き取り・記述問題が割り当てられるのが定型となっている。素材文は計7000~9000字程度で総解答数は20~25問ほど。記号選択・書き抜きと計6問ほどの記述問題が出される。記述問題は「説明しなさい」という自分で考えて書くタイプで、特に最後に出される記述問題は示された材料からわかることを読み取り、それに対する自分の意見や解決策を答えるという小論文形式になっている。記述問題に対する対策を怠りなくしておきたい。
[小説の読解]
4000~5000字ほどの文量で、大人が主人公の設定が多い。その分、内容も一般社会を舞台にした話が多く、生徒・学生があまり知らない分野・職業が出てくる。難しい小説でなくてよいので、一般向けの小説も読み慣れておいた方がよさそうである。
選択肢の問題は紛らわしい文章ではなく、選びやすい。記述問題も、傍線部の周辺を読めば書くことが見つかるようになっている。ただ「説明しなさい」という指示なのでそのまま書き抜いてはいけない。自分なりにかみ砕いて、表現を変えるなり短くまとめるなりのちょっとした工夫が求められる。過去問で慣れておこう。
場面分け・登場人物の整理・心情把握といった読解の基本の技を磨き、類似問題で記述問題も多くこなしておこう。
[論説文の読解]
3000~4000字くらいで、ここ数年は自然科学的な内容の文章が多く使われている。理科の好きな人は楽しく読めそうな内容である。こちらの選択肢の問題も無理に迷わせるような意地悪なものではない。記述問題は、論理的文章なので文中の適切な部分をまとめれば答えになる場合が多い。要点・要旨を見つけて目立つようにしておけば、スムーズに解答できる。
形式段落と意味段落の整理・要点と細部の区別・要旨と要約のまとめといった読解の基本を身に着け、大事な部分を短くまとめるなどして記述問題の練習もしておこう。
[小論文的記述問題]
試験の最後に置かれている記述問題の対策が必要である。
2018年度・2017年度共に、新聞の投書を題材とした問題が出された。投書を送った人の意見やそれに対する自分の意見、投書に書かれた事柄が発生した理由やその解決策などが訊かれている。
①与えられた材料を分析し、さらに②自分の考えを述べるという2点を訊かれる小論文のような記述問題になっている。普段から自分でも同様の文章を書き慣れていないとうまくまとめられないだろう。
小説であれば、主人公の心情を書き出してみる。それに対して自分だったらどう感じるだろうかと想像し、文にしてみる。論説文であれば、要旨をまとめてみる。それに対する自分なりの意見や対処法を考え、文にしてみる。大事なのは頭で考えるだけでなく、実際に書いてみることである。求められる字数は50~80字程度でそれほど長くない。同じような字数で、読んだものに対して自分の意見を書いてみるのである。読解の練習にも、記述の練習にもなるので実行してみてほしい。
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2018年度「淑徳与野中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
7200字ほどの素材文で総解答数は25問。記述問題は計6問、そのうち2問は小論文形式で難しい。
その他の選択肢問題や書き抜き問題はさほど時間はかからない。時間は60分あるので、読解問題と漢字を早めに済ませ、最後の記述2問に10~15分くらいは残したい。
【大問1】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:24分
- ★必答問題
両親が不仲だったことで結婚に懐疑的な主人公の弟。主人公は人と関わる仕事を通じて、帰ってきた人が心地よく感じられる家庭を作りたいと思うようになると同時に、母への認識も新しくする。
問一 A.話題を相手に向ける。
B.お気に入りとしてかわいがる。
問二 傍線の後に書かれている。たき火に似た色(あとで金色とも表現されている)で、人がそこにいる→自分は
誰かに会いたかったのか、という人恋しい気持ちがあったのだろうと考えている。
問三 直前の「私は誰かに会いたかったのだろうか」から、人と触れ合う職業を望んでいたことを読み取る。
「遠くに行ける」は今の自分を変えられることの比喩だろう。
問四 「お気に入りの場所があるのは良いことだ」と素直に喜んでいるので、アのような皮肉の意味は無い。
問五 両親のけんかにおびえて暮らしていた二人の様子があとの場面で描かれている。また、「自分の一部のよ
うに感じる」という距離の近さを自分でも「いびつ」だと感じているので、ウが選べる。
問六 傍線の直後で自分の気持ちを述べている。育った家庭環境のせいで、家庭を持つことに懐疑的になってい
る。同じ家庭で育ったはずの姉が、合コン(男女の出会いの場)を繰り返して相手を探している、その真意
を知りたかったのだと思われる。
問七 イは後半は悪くないが、「帰省前は(必ず)故郷に帰りたくないと思うもの」とは主人公は言っていないの
で選ばない。
問八 「重ね着した金色の羽衣」は結婚前には持っていて、結婚したことで「脱いだ(捨てた)」ものなので、一
人で生きていた時の価値あるもの――自由・気楽さ・わがまま――などの比喩であると考えられる。
問九 ウとエは似た内容だが、「女性として母から受け継いだものだと称賛する柊二」とは描かれていないの
で、ウを選ぶ。
問十 傍線の後で「派手なのを一発」といっている、そのことである。その原因は「子供の~無駄遣いについて
とか、とびきりくだらないやつがいい」とある。両親の不仲のせいで姉弟らしいけんかもできずに育って
しまったが、大人になった今、屈託なく喧嘩することで自分たちを縛ってきた過去の経験(両親の不仲→
家庭というものへの不信感)を払拭できると考えているのである。
<時間配分目安:24分>
【大問2】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:24分
- ★必答問題
生物同士の共生という話から、生物と自然との関係へと展開している。
問一 A.異なる意見を言う。
B.威勢を張る・威張る。
問二 「運命共同体」は、複数のモノが運命を共にするということである。シロアリとアメーバは共生関係にあ
り、片方が死ねばもう片方も生きられない。
問三 共生は互いに利点が無いと意味が無い。ウではモズに何の得もなく、カッコウにとっての利点しかないの
で共生ではない。
問五 傍線のすぐ前に「自分を周囲から独立した存在として立てて、関係を切っていく」と良い内容があるが、
字数が少ない。また、「~な考え方」で終われば設問にも合うのでもう少しさかのぼってみると、4段落
前に「個性を持って~考え方」とあり、字数も適当である。
問六 田んぼからの収穫が巡り巡って人間を作ってくれていることを説明する。
問八 文章後半で述べられている、生物(人間)はあくまで自然の一部であるということが、筆者の言いたいこと
である。
<時間配分目安:24分>
【大問3】漢字の聞き取り
- 難度:標準
- 時間配分:2分
例年5問出されている。難問ではないので、全問正解を狙いたい。
<時間配分目安:2分>
【大問4】小論文的記述問題
- 難度:難
- 時間配分:10分
新聞の投書がよく取り上げられている。
問一 相手はなぜ切り取らずに送り返してきたのか。はがきに書かれている差出人向けの指示を、自分に向けら
れたものと思って従ってしまったのである。
問二 はがきの指示を塗りつぶしてから出す・文面で「切り取って送り返してください」とはっきりお願いす
る、などが考えられる。
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
選択肢問題でしっかり得点できるよう、記述問題でうまくまとめられるよう、過去問を中心にしっかり場数を踏んで十分に練習しておこう。
そのうえで、最後の小論文的記述文に対応できるよう、50~80字程度で物語の主題や自分の意見を簡潔にまとめてみる。あるいは同様の記述問題が出される学校の過去問で練習してみるなど、こちらも経験値を上げておきたい。面倒くさがらずに実際に書いてみることが重要である。また、内容も大事だが、文章としておかしくないか・誤字脱字はないかも見られているので、丁寧に書くことも意識していただきたい。
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