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鷗友学園女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「鷗友学園女子中学校の国語」
攻略のための学習方法

長文読解

例年、文学的文章・説明的文章1題ずつの計2題。出題形式は記述のみ6~7問。過去には選択肢問題の出題もあったが、近年は見られない。記述しなければならない文量は、およそ500字。文字を書く時間が相応に必要となるので、読む時間と合わせてその時間も考慮する必要がある。

文章量については文学的文章の字数が多い分、説明的文章の字数は少なめになっている。模擬試験等で出題される文章量と比べて特に多くはないので、大手学習塾等での通常の学習(教材・模擬試験等)を行っていれば、極端に文章量が多く感じることは無いだろう。設問数にも言えることだが、文学的文章の比重がやや大きくなっているので、その点は意識して準備しておかれたい。

素材文は受験生の年齢を考慮した読みやすい内容・設定のものが多いので、特別に国語が苦手な人でなければ苦労はしないはずである。

記述式問

字以外は全て記述問題という本校の特徴的な出題に、慣れていない人や苦手な人は尻込みしてしまうかもしれない。

しかし、過度に心配する必要はない。

まず、上で述べたように素材文が適切な難しさであること。内容を理解するのはさほど難しくはない。

また、設問自体に書くべきポイントを示してくれている点。「~な点もふくめて」・「A・B・Cの関係もふくめて」といったように、答えるべき最重要点に付け加えて書くべきポイントをはっきり述べてくれている。このあたりは過去問を多くこなして、設問の指示に素直かつ忠実に記述できるように練習しておいていただきたい。

また、訊かれる内容も「自分の言葉で答えなさい」・「あなたはどう思いますか」といった自分の言葉で論じる形のものではない。素材文の中の適切な部分・文章を使ってまとめられるものが多い。小説などは人物の心情を説明しなければならない場面もあるが、論説文は要点をうまく編集して解答できる場合が多いのである。

以上のようなことから、試験にあたってはまず設問にざっと目を通し、書くべきポイントとその数をおおまかに把握するのが良いだろう。読み進めながら必要な部分に傍線なりマークなりをつけておけば後でまとめやすい。

記述だけで500字ほども書かなければならないのは確かに大変ではあるが、難易度としては超難問というほどでもないので、まずは素材文をしっかり理解する読解力をつけて、さらに類似の問題で記述の分量に慣れておくこと。臆せずに記述問題に向かい合っていただきたい。

漢字・知識

例年、漢字の問題が5問(配点10点)出題される。漢字だけを先に済ませて長文読解に集中できるのはありがたい。難易度も中級レベルなので、塾等での漢字学習に油断なく取り組んでおけば心配する必要はない。

また、言語事項の出題が無いのも大きな特徴である。この点で特別な対策が要らないのは助かるが、そもそもは言葉の知識が十分にないと正確な読解が期待できないという事実を忘れてはならないのであって、この分野で手を抜いても良いということではない。漢字同様、普段使用している教材をしっかり学習しておいていただきたい。

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2018年度「鷗友学園女子中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

長文記述が7問・漢字の書き取り5問という潔いとも言える問題構成である。漢字は1~2分で終え、残りは読解と記述に充てることになる。

素材文は計10000字ほどにもなるが、受験生の年齢を考慮した読みやすい内容が多いので、さほど苦労せず読めるだろう。設問に先に目を通して必要な部分にチェックを入れながら読めば後で解答をまとめやすい。

【大問1】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:33分
  • ★必答問題

あらすじや速読法で効率的に楽に読めるようにすることで読まれない本を救おうとする学者と、本を好きな主人公との対峙を描いたファンタジー。

問一 学者の考える本の「命」とは、「読まれること」である。難しくて読むのに時間のかかる本は読まれずに消えてしまい「足跡を現代にとどめること」ができない。あらすじだけにして速読できるようにすれば、「短い時間で手軽に傑作に触れたいと願う人々の期待」に応えられると述べている。

問二 「本」と「音楽」の違いを傍線の後で述べているのでそこをまとめる。音楽はいつでもどこでも手軽に楽しむことができるが、本は「手軽さ」において制約がある。

問三 「山を登ること」は「苦しい読書」の例えである。行を吟味し同じ文を読み直し、頭を抱えることもある。その「苦しい作業」の結果、理解や発見がもたらされた時の喜びが、「山頂の絶景」に例えられている。あらすじや速読では味わえない読書の醍醐味が存在するのである。

問四 「音楽を早送りすること」が「あらすじだけの速読法」にあたる。早送りした音楽は量は聴けても元の作品とはもはや別物で、その魅力や味わいは無くなってしまう。あらすじや速読だけの読書も同じだと学者に気づいてほしいのである。

問五 本が好きであるという主人公の素直な感情が、学者の心に響いたのであろう。本が好きで純粋に読むことが楽しかった本来の気持ちを思い出し、時間をかけてゆっくりと本を味わいたいという気持ちになっている。脱ぎ捨てた「白衣」は極端に偏ってしまった学者の研究結果(あらすじだけにして原本は切り刻む)の象徴のようである。

【大問2】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:15分

物事を真に「わかる」ことの意味を論じている。

問一 丁さんの語りの後に筆者がその内容を説明している部分があるのでそこを使えばわかりやすい。
対象に向き合い、幾つもの型も覚え、それを繰り返し修練する。無意識にいろんな動作ができるようになってくると余計な感覚器官による知覚がやんできて、対象の自然が姿を現す。無理なく、理想的に包丁を動かせるようになるのである。
丁さんの語りの部分をまとめても同じ内容は書けるのでそちらを使っても良い。

問二 丁さんの包丁さばきと茶道を並べて論じている箇所があるのでそこを使う。
「すっかり身に付き、型があることさえ忘れる境地」とある。
中途半端に学ぶと「型」を意識しすぎて、相手によっては居心地を悪くさせてしまう。「真の理解の境地」に達すると「とにかく相手に喜んでもらおう」という茶道の原点を「自然に」行えてしまうので、どのような相手でも心地よくなるようにもてなすことができるのである。

【大問3】漢字の書き取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:2分

送り仮名の問題も出されている。しっかり意識しておかないと迷ってしまう場合があるので気をつけよう。

攻略のポイント

記述の分量が多いのは確かだが、特別な難問にはなっていない。素材文がわかりやすい内容であるし、「あなたはどう思いますか」といった自分で論説するような記述問題でもない。

特に論説文の方は文中の手がかりや適切な箇所を利用してまとめられる問題が多い。
ただし、小説のほうは心情を説明しなければならなかったり問題数が多かったりと、やや比重が重い点は意識しておこう。

同じように記述問題が多い他の学校の過去問なども利用して、書くことへの抵抗感を無くせるように経験を積んでいただきたい。

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