市川高等学校 入試対策
2018年度「市川高等学校の英語」
攻略のための学習方法
国語的な運用力
復活した誤文訂正問題にも読解的な要素が加わるなど、長文問題の配点が大きい。大問あたりの小問数も多いことから、設問を丁寧に吟味出来るだけの時間を確保するために、英文をどれだけ早く読めるかが大きなポイントである。
語彙に関しては、注訳が多く与えられていることから、単語レベルで難易度が高いわけではない。
英文を読ませて「国語的な運用力」を問うという色合いが強いことから、普段の勉強から思考力を問う設問に取り組む必要があるだろう。
以下、市川高校の英語克服のための具体的な学習方法を見ていこう。
リスニング問題
リスニング問題としてはやや難易度が高い問題と言えるが、全体との兼ね合いで取りこぼしの許されない問題になる。
普段から音声学習を取り入れたい。英検3級・準2級の教材や類似過去問を繰り返しやり直すことで、ほとんどの問題で正解を導くことが出来るようになるだろう。
余力があるのであれば、ラジオ講座などを利用することをお勧めする。
後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。
長文読解
問われているのは、ほぼすべて実質的には内容把握であるため、いかに早く正確に、解答に必要な範囲での丁寧さで読めるかがポイントとなる。
普段の勉強としては、精読と速読のトレーニングを意識して分けることが大事だ。また、説明文と物語文をバランスよく素材として選択して欲しい。
まず、精読に関しては、英文構造をある程度正確に分析できるようにするため、解説の詳しい問題集を進めていく必要がある。
むろん、本番では全ての英文を丁寧に構造分析しながら読むのは時間的に不可能ではあるが、立ち止まって丁寧に訳さなければ訳がつかみにくいという部分が必ずあり、そしてその部分こそが英語力の有無を試すことが出来ることから、設問に絡みやすいのだ。
したがって、どのような英文でもやろうと思えば英文解釈することが出来る力をみにつけなくてはならない。
文法事項の一通りの学習を早急に終わらせ、英文法を英文を読むためのツールとして捉え直す必要がある。
次に速読に関してだが、やはり前から句・節ごとに訳し下していく練習が必要になる。
きれいな日本語を作ろうとすると、いったん英文の後ろまで目を通して後ろから訳を作ることになり、結果的に一文を二度読むことになってしまい時間がかかりすぎてしまうからだ。
普段の勉強から音読学習を取り入れるのが効果的だ。声に出して読むことで前から読み下す力を身に付けることが出来る。
また、かなりのスピードで読み下していくことになるため、途中で話の流れを見失わないように、各パラグラフを読み終えるたび、そこではどのようなことが述べられていたのかをしっかり確認する習慣を身に付けよう。
そうすることで、次の段落の内容が頭に入ってきやすくなる。物語文やエッセーに関しては英文量も多くなるうえ、その特有の読みづらさがある。
登場人物の心情の変化や人物関係の整理・場面転換などに意識を払うようにしよう。
文法問題
誤文訂正問題が復活したこともあり、あらためてしっかりとした文法・語法の知識の定着を図る必要がある。基本的なものしか出題されていないが、その分取りこぼしも許されないため標準的な文法・語法問題集は完成させておきたい。
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2018年度「市川高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
前述のとおり、大問数はリスニング1題・長文読解問題2題・誤文訂正問題1題。
長文の分量が多く、設問も正確な内容把握が前提となっており、解答に時間がかかる作り方をされていることから、かなりの読解力が要求される。一朝一夕では対応出来ない問題であるが、英語の地力を問う良問とも言える。
当校の典型的な設問形式に慣れるため、過去問を繰り返すことで時間的な負荷をやや減らすことが出来る。
【大問1】リスニング問題
- 時間配分:10分
やや長め(350語程度)の英文を聞き、その内容について、放送される英語の質問に選択肢から正しいものを選ぶという問題。英文そのものが長い上、質問文が問題用紙に書かれていないという難しさがある。
一度目の放送で出来るだけ多くの要素を聴き取ってメモすることも大事だが、その後に流れる1回目の英語の質問をどれだけ正確に聞き取り、2回目の放送をむかえられるかが大きなポイントになる。
【大問2】長文読解問題
- 時間配分:20分
樹木の用いる言語についての説明文。
英文の難易度はやや高い。大問としての文法・語法問題が復活したため、読解問題の中でその種の設問が減少し(整序問題のみ)、内容把握中心の出題となった。
問4は、話の展開を図に落としこむという新しい形式ではあるが、設問の指示が明確であるため解きやすい。小問の設問リード文に具体的な情報が書かれているので前もって読んでおくと読解しやすくなる。
問5の内容正誤問題に関しては、抽象→具体という流れが分かっていればどこの読み取りが問われているか容易に判断できる。
【大問3】長文読解問題
- 時間配分:20分
エッセー。こちらも英文量が多い。比較文化的な視点からの英文である。設問はすべて内容把握を問うものとなっている。
問1の下線部説明問題や、問2の和訳させる問題は、解答がやや長くなるため設問処理に時間がかかる。
市川の記述問題は設問処理に時間がかかるものが多いため、普段からしっかり手を動かす勉強も必要だ。
問8の内容正誤問題も、大問3で述べたように、設問リード文に具体的な情報があるので前もって読んでおきたい。そのうえで事後的な情報検索の便宜を考えた手がかりを本文に残しながら読んでいきたい。
【大問4】誤文訂正問題
- 時間配分:10分
去年姿を消した誤文訂正問題が復活した。もっとも、出題趣旨には変更が見られる。具体的には、文法上の間違いを問うだけではなく、文脈上不要・不適切な問題も聞かれているため、形式判断のみならず読解力も問われている。
注意すべきは、問1では「不要」な語の抜き出しが求められているが、問2では「不適切」な語の抜き出しが問われているという点だ。「不適切」語の抜き出しではその語を抜き出しても英文自体は成立しないため、問1と同じ感覚で解くと混乱してしまうので注意が必要だ。
攻略ポイント
短い時間で長文を読み切らなければ、手間のかかる設問に取り組むだけの余裕がなくなる。そこで、まずは速読力の向上が大きな攻略のポイントとなる。
そしてその際には、単に一文ごとの逐語訳をするだけでは足りない。意味のかたまりごとに内容をとり、その上で各文の内容のつながり、パラグラフ間の内容のつながりを意識した読解力の向上を目指す必要がある。
リスニングは普段から音声学習を取り入れることが必要だ。また、記述や年度によって出題されることのある脱文挿入などは解くことに慣れておく必要がある問題形式であることから、類似の問題を出す他校の過去問を上手に使いたい。