｢哲学｣の問題はどうやって解かれていくのか？――火が消えるとどこへ行くのか？　何本抜けたらハゲなのか？　なぜ空は青いか？　人生は無意味か？……さまざまな｢哲学的問題｣を思いもよらぬ方法で次々に解いてみせ、｢哲学｣の核心を直接導く新たなタイプの｢哲学入門書｣。
本文では、｢どうすれば哲学の問題を解決できるか｣という問題提起をし、｢問題として間違っている｣という｢解決方法｣について説明している。｢哲学論｣ではあるが、｢入門書｣であり、身近な｢具体例｣も豊富なので、内容は理解できるはずだ。

｢空所補充｣｢抜き出し｣｢脱文挿入｣｢説明記述｣……､多種多様な小問が並んでいる。以下、いくつかを確認してみたい。

[問一]　｢語句の空所補充選択肢｣(全４問/４択)。｢総合的知識問題｣｡｢接続詞｣だ。本文中の　Ａ　～　Ｄ　の空所に｢あてはまる言葉｣を答える。

本校に限らず定番の問題。｢逆接｣はともかく、それ以外には十分に注意すること。｢逆接｣以外だと、どれもがあてはまってしまう可能性があるのだ。単純に前後を読みつなぐだけではなく、それぞれの｢接続詞｣の｢意味･用法｣を的確に押さえた上で、｢内容｣を確認する必要がある。順に空所の｢答え｣をチェックしていく。

　Ａ　には｢転換｣の選択肢(エ)｢では｣､　Ｂ　には｢添加｣の(ウ)｢それどころか｣､　Ｃ　には｢例示｣の(ア)｢たとえば｣､　Ｄ　には｢補足｣の(イ)｢たしかに｣(形容動詞の｢たしかだ｣と混同しないこと)が入る｡

｢候補｣はいくつかあるので、しっかりと｢代入確認｣してから確定することが重要だ。

＜時間配分目安：全問で１分半＞

[問三]　｢脱文(段落)挿入の抜き出し｣(｢３字｣指定)。示されている｢脱文(段落)｣は、｢どの形式段落の前に入れるのが適当か｣を、｢その段落の初めの三字｣で答える。

ひとつの｢段落｣全てが｢脱文｣なので、なんと､250字ほどの長さがある。ともあれ､｢脱文挿入｣では、｢脱文｣の｢接続詞｣｢指示語｣｢内容｣に着目することが鉄則。

ここでは｢脱文冒頭｣に､｢それは｣という｢指示語｣がある。大きな｢手がかり｣だ。｢脱文｣では｢それは、『消えた』という表現をぼくらはいろいろな場合に使うからです｣となっている。
つまり、｢脱文｣の｢前の段落｣では、何かが｢消えた｣ことに関する｢理由｣が問われていることになる。｢消えた(消える)｣という｢キーワード｣に着目して､各段落をたどっていくと、空所  Ｂ  の段落から、｢『ロウソクの火は消えるとどこへ行くか？』という問題｣について説明が始まっている。
丁寧に確認していくと、６段落目の最後に｢それ(＝『ロウソクの火は消えるとどこへ行くか？』という問題が意味をなさないというのは即座に明瞭に分らないこと)には理由があります｣とある。この後が｢挿入箇所｣の最有力候補になるはずだ。直後の段落をチェックすると｢公園で遊んでいた子どもが消えても､……｣と始まっている。｢脱文｣でも、｢それは、……｣の次文が「たとえば『公園で遊んでいた子どもが消えた』という言い方をしますね｡……」となっている。
間違いない。見事につながる。したがって、｢答え｣は｢公園で｣だ。

尚、｢脱文挿入｣では、必ず｢候補の部分｣に｢脱文｣を｢代入｣して､｢文脈｣｢内容｣などがつながることを確認してから特定すること。

＜時間配分目安：３分＞

[問八]　｢指示語換言説明記述｣(｢字数指定｣なし、｢30字ほど｣の解答欄)。傍線部⑤｢この方向｣について、｢それはどのようなことを指すか｣を説明する。

｢指示語換言｣はどこの学校でも定番｡
｢指示語｣なので当然、前に戻りながら開いていく。直前から、｢この方向｣＝｢そういう考え方(の方向)｣だと分かる。また｢指示語｣だ(二重指示語)｡再び開く。｢そういう考え方(の方向)｣＝｢こういう考え方(の方向)｣だ。またまた｢指示語｣がある。無論、開いていく。｢こういう考え方(の方向)｣＝｢問題自体が間違っているという考え方(の方向)｣だと読み解けるはずだ。やっと、完了した(｢二重･三重……指示語｣は必ず全て開くことが｢指示語｣の重要な｢解法｣のひとつだ)｡
だが、｢問題自体が間違っているという考え方の方向｡｣では、｢解答欄｣を考えると｢内容｣が不十分だ。そこで、前後の｢文脈｣を確認する。傍線部の前文に、｢そういう考え方があると知っても、哲学の問題がすべて片づくとは思っていませんでした｣とある。ここが｢補足説明｣の｢内容｣になる。あとは､｢過不足なく｣まとめていけばいい。

たとえば、｢哲学の問題を解決する､問題自体が間違っているという考え方の方向｡｣といった｢答え｣になる。

｢指示語｣の｢解法｣は徹底的に習得しておくことが肝要。
尚、｢指示語｣自体が直接問われていない場合でも、｢指示語｣が傍線部などにあったらすぐに開くこと。

＜時間配分目安：２分半＞

[問十]　｢条件付き換言説明記述｣(｢字数指定｣なし、｢50字ほど｣の解答欄)。傍線部⑥｢一般化する｣について、｢それはどのようなことを言っているか｣を説明する。

｢条件｣は｢この文章での意味(言葉の使い方)を具体的に説明する｣こと。典型的な｢換言説明｣だ。
当然、先ずは｢原意｣を確認する(｢原意絶対優位の原則｣＝｢設問｣｢傍線部｣等の｢原意｣、要は｢本来の意味｣を最優先に考えること)。｢一般化する｣＝｢法則化すること。全体に通用させること｣ということは知らなくてはいけない｡｢条件｣には｢この文章での意味｣とある。では、ここでは何を｢法則化すること｣なのか？　

｢傍線部(空所部)一文一部の法則｣(｢傍線部(空所部)が一文の一部分だった場合、傍線部以外が重要｣という｢重要解法｣)に､｢手がかり｣を求める。
直前に｢軽率に｣とあり、直後は｢(一般化する)と､こういうふうに､たいてい間違います……｣となっている。つまり、｢こういうふう｣という｢指示語｣が､｢法則化する｣内容になる。｢指示語｣を開くと、｢ウィトゲンシュタインの考え方が出てきたのはユダヤ人だからじゃないかって言ったが、そう考える人はユダヤ人じゃない人もけっこういるので｣⇒｢たいてい間違います｣といったつながりが読み取れる。

したがって、たとえば、｢ウィトゲンシュタインのような考え方が出てきたのはユダヤ人だからだということを、全体に通用させること｡｣といった｢答え｣だ。

｢条件｣は｢手がかり･ヒント｣でもあると捉え、そこから適切な｢解法｣を活用して考えていくことが肝要だ。

＜時間配分目安：３分＞

[問十二]　｢語句の空所補充記述｣(｢漢字２字｣指定)。本文中の　Ⅳ　に｢あてはまる言葉｣を｢考え｣て、｢漢字二字｣で答える。

本問で注意したいのは、｢抜き出し｣ではないということだ。通常こうした｢空所補充｣では｢抜き出し｣が多いので、先入観でそう捉えてしまうと大失敗する。とにかく、｢問題文｣を正しく理解することが大前提だ。

さて、空所　Ⅳ　は本文中に４カ所ある。　｢傍線部(空所部)一文一部の法則｣で確認すると、それぞれの空所直後が｢を変える｣と｢を変えない｣の２つだと分かる。そこで、それぞれの｢文脈｣をまとめて捉えてみると、｢一定の幅の時間｣の中で、｢動いているもの｣は｢変え｣､｢動いていないもの｣は｢変えない｣と判断できるはずだ。ということは、｢答え｣は｢位置｣がふさわしい。

尚、本問のように空所が何カ所かある場合は、全てを確認して、自分が分かりやすい所から特定していくといい。無論、すべてに｢代入確認｣してチェックすることも忘れてはならない。

｢漢字の書きとり｣(全10問)。示されている文中の(カタカナ)を｢漢字｣に直す。

昨年度と比べてやや難易度が高くなっているが、本校志望者としては｢全問正解｣といきたいものだ｡確認する。

(１)｢図面を(シュウセイ)する｣＝｢修正｣⇒同音異義語の｢修整｣との判別を的確にせよ。
(２)｢前向きな(シセイ)で取り組む｣＝｢姿勢｣⇒意外と抜け落ちているかも知れないので要確認｡
(３)｢(ハイク)を作る｣＝｢俳句｣⇒｢部首｣に注意したい。
(４)｢遊園地の(ユウタイ)券｣＝｢優待｣⇒｢優｣の一画一画を正確に｡
(５)｢(メンミツ)な計画を立てる｣＝｢綿密｣⇒難解だ。知らなかった諸君は覚えておくこと。
(６)｢(アッカン)の演技で勝利した｣＝｢圧巻｣⇒｢故事成語｣､｢書物の中で最もすぐれた部分。全体の中で、最もすぐれた部分｣という意味も押さえておきたい｡
(７)｢商品を(センデン)する｣＝｢宣伝｣⇒｢宣｣の下部に要注意。
(８)｢体重の(ゾウゲン)が激しい｣＝｢増減｣⇒｢文脈｣を考慮すること。
(９)｢(イサ)ましいかけ声｣＝｢勇(ましい)｣⇒これは問題ないはず。
(10)｢戸を(シ)める｣＝｢閉(める)｣⇒｢同訓異字｣を確認しておくこと。尚、｢トメ｣｢ハネ｣などの細部にも十分配慮すること。

＜時間配分目安：２分半＞